私は神と、聖女と、マスターに仕える者です
プロフィール
概要
「Fate/Grand Order」に登場するセイバーのサーヴァント。レアリティは☆3。
メインシナリオでは、1部第一章「邪竜百年戦争オルレアン」にて生前の姿で登場(お願い!アインツベルン相談室では現在と似たデザインの生前の姿が登場している)。
やや痩せぎすの色男。まだテンション低い時代。
『Fate/Zero』に登場するキャスターと同一人物。そちらの詳細は、キャスター(Fate/Zero)を参照。
※「痩せぎす」:からだがやせて骨ばっていること。また、そのさま。
真名
フランスの貴族で軍人、ジル・ド・レェ。フランス軍の元帥にまで出世し、ジャンヌ・ダルクと共に英仏百年戦争を戦い抜いた。
セイバークラスとして召喚されるとその清廉かつ豪胆な性格、優れた武人としての側面が見られる。
しかし、ほとんどの聖杯戦争においてジルはセイバーではなく、キャスターとして召喚されることが多いという。殺人鬼としての悪名があまりにも有名すぎるためである。
現実は苦い。闇に堕ちる時が来た。
人物
かの青髭としての狂気はなく、寡黙だが穏やかで紳士然とした人格者。
同時に元帥まで上り詰めた卓越した軍略を有し、戦闘の際には一転して勇猛果敢に檄を飛ばす。
信仰心にも篤く、彼がジャンヌに惹かれ、また後年の暴走に魔術的な崇拝が付いて回ったのも、この篤実な性格に由来すると思われる。
当然ながらジャンヌへの敬愛は強く、また彼女の人と成りを彼なりに深く理解しようと努めていた。それゆえに1章における竜の魔女の出現に対しても、聖女として召喚されたジャンヌを一目で看破し、その加勢に馳せ参じている。
しかし生真面目一辺倒というわけでもなく、特にくだらない洒落を発してみたりと、ユーモアにも理解がある。
バレンタインイベントではカルデアの面々に協力を得て『ジャンヌファンクラブ会報誌』(なお表紙にNo77と書かれている)なるものを発行していることが判明し、主人公を若干引かせた。ちなみに発覚した際はお冠のジャンヌにみんな纏めてお説教されたらしい。
期間限定イベント『セイバーウォーズ』では「女性には興味はありません。フランチェスカで懲りてますので、好きに腑分けなさい」という発言を筆談越しにしている。
フランチェスカとはこのフランチェスカなのだろうか。
能力
全体的にはまとまっているものの、取り立てて目立った特長に乏しい。
ただその中で筋力と宝具はBランクと、決して低い数値ではないが、セイバーの基本ステータス(大抵のサーヴァントはこのステータスより高い)を全体的に下回っておりセイバークラスとしては明らかに低い。
しかし別冊少年マガジンでのコミカライズ版『Fate/Grand Order-turas realta-』では、原作通りに主人公側の援軍として馳せ参じるのだが、なんと生身の人間ながらサーヴァント同士の戦いに追従し、隙をついて敵の狂化サーヴァントを討ち取るという大戦果を挙げている。
友人からもらったという特別製の剣を使ったとはいえ、狂化サーヴァントはあのランスロット。伊達や酔狂でセイバークラスになってはいないということか。
ただ保有スキルとクラススキルに、些か不穏なものが目に付く……
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | B | C | C | D | D | B |
保有スキル
対魔力(B) | 魔法発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。セイバーのクラススキル。 |
---|---|
騎乗(B) | 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。セイバーのクラススキル。 |
狂化(EX) | 極めて特殊な召喚であるのと、青髭———ジル・ド・レェとしての名があまりに有名なため、セイバーであっても狂化のスキルが付与される。 |
軍略(C) | 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。ジャンヌ・ダルクの補佐として幾多の戦功を挙げた。包囲戦のような攻勢に出る時、特にボーナス追加。 |
黄金律(B) | 人生においてどれほどお金が付いて回るかという宿命を指す。莫大な領地と遺産を持ち、一生金銭には困らなかったはずなのだが……。 |
プレラーティの激励(B) | プレラーティが励ましてくれる。どこから?それは誰にも分からない。魔術による筋力強化であるが、代償として生前、ジャンヌ死後の記憶がより明瞭になる。 |
宝具
神聖たる旗に集いて吼えよ(セイント・ウォーオーダー)
- ランク:B
- 種別:対人宝具(自身)
- レンジ:1
- 最大補足:1人
「今こそ、進軍の時!」
「『神聖たる旗に集いて吼えよ(セイント・ウォーオーダー)』!!」
かつて自分を導いた聖処女の御旗に集っていた頃、即ち自身の最も輝いていた頃を再現する宝具。
狂化同様のステータスアップ効果とともに、目標敵の完全沈黙まで自動攻撃を行う。
攻撃のダメージにはボーナスが追加される。
詳細は該当記事を参照。
螺湮城教本(プレラーティーズ・スペルブック)
- ランク:C
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~10
- 最大補足:100人
人間の皮で装填された魔導書。深海の水魔の類を召喚し使役できる。
この本自体が魔力炉としての機能を持ち、術者の魔力に関係なく大魔術・儀礼呪法レベルの術行使を可能にする。
……が、セイバーであるジル・ド・レェはこの宝具を持ち込んでいても使用することはない。
もし使用した場合、彼は自動的にキャスターのクラスにクラスチェンジし、『神聖なる旗に集いて吼えよ』は使用不可となる。
詳細は該当記事を参照。
ゲームにおける性能
序盤から気軽に狙える貴重なセイバー枠。
……が、器用な立ち回りが出来て単体高威力宝具持ちのカエサルや、攻撃特化のフェルグスと比肩すると、イマイチ扱い辛い。
その分、HPは無強化で10,000を突破し、宝具と「狂化EX」の恩恵でATKが低めでも強気な攻めが可能なので、単騎の自己完結型と考えればそこまで使い辛くはない。
カードバランスは《Quick:1/Arts:2/Buster:2》とセイバーの定型で使いやすい。
スキルは宝具威力を高める「軍略B」、NP獲得量をUPさせる「黄金律B」の二つ。
Arts2枚に「黄金律」でNPが貯めやすく、軍略で味方の宝具威力をサポートできる。
宝具は前述の通り。
防御ダウンの効果がつらいが、Arts3枚でNPを再チャージしつつ相手を叩きに行けるほか、「狂化」の恩恵で突出したBuster性能をさらに底上げできる。
オーバーチャージ(NP200%以上or宝具チェイン二順目以降)はスター獲得量に補正が掛かっているため、クリティカル主軸のパーティーにもある程度だが貢献できる。
弱点はスキルや宝具の噛み合わせ。
せっかくの宝具威力を高める「軍略」は、自分の宝具が自己強化型ゆえに全く自分に恩恵が無い。その宝具に関しても効果が自分単体にしか及ばないので、宝具チェインに組み込みにくい。“帯に短し襷に長し”のちぐはぐな性能に止まっているところが、他と溝を開けられる原因にもなっている。
しかし2016年5月18日の『サーヴァント強化クエスト第二段』にて、最初のピックアップサーヴァントに抜擢される。
強化内容は「スキル『プレラーティの激励(A)』【Buster性能を5ターンUP】の獲得」。
このスキル、まずこれまでのスキルにはない長期的な強化が入る点が利点として上がるが、それ以上にチャージターンも7ターンで終了する点が見逃せない。これは素材を惜しまずスキルLv10にすると常時Buster強化状態で暴れ回れることを意味しており、ただでさえ「狂化EX」の恩恵で高いBusterカードの攻撃力がエライことになる。
ここに宝具の攻撃バフが乗っかった日には、単騎で敵陣を崩壊させることも可能になる。
どうみてもセイバーの皮を被ったバーサーカーです、本当にありがとうございます(汗)
演者について
担当声優鶴岡聡氏はこちら側の旦那の事をジル・リリィと呼んでおり、公式ラジオ等でも思い入れの深いキャラクターと言及している。
かつて『Fate/Zero』でジルを演じることになった際に関連書籍等を調べ、「なぜ彼は狂ってしまったのか」「狂う前の彼はどんな人物だったのか」を研究して役作りをしていたらしい。
そのため、ジャンヌと共に百年戦争を戦い抜いた時代のジルがFGOでキャラクターとして取り上げられ日の目を見た際には嬉しくて泣いてしまったとのこと。
実際にFGOもプレイしており、セイバーのジルを聖杯転臨でレベル100にしている。
ちなみにジル・リリィというネーミングの考案者はアルトリア・ペンドラゴン役でおなじみ川澄綾子さんである。
外部出演
アニメ版にFGO準拠のデザインで登場。シェイクスピアがジャンヌを精神的に追い詰めるために使用した宝具の中にて召喚された。
騎士としての彼がだんだんと「青髭」化していく入り混じった演出や声優陣の演技、終盤でジャンヌの旗を託されるシーンなど見ごたえのあるものとなっている。
関連人物
生前
生前の戦友にして憧れ。
この姿でも、彼女の救済を願う程にその姿は深く焼き付いている。
ジャンヌファンクラブなる奇行にも出たりするが。
ラ・イール
戦友の一人。
何故かFateシリーズでは現時点で一切言及されていない。
生前の悪友。
彼との交流が失墜の決定的な要因となった。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
心の正しい彼/彼女の元で燃え尽きるまで戦うと誓っている。
第一特異点にて敵対。
変わり果てたジャンヌの姿に絶望していたが、本物の姿とあり方を目の当たりにしたことで部下達共々奮い立った。
カルデアに召喚された彼女についてはジャンヌの一人だと認めている模様。
第一特異点にて敵対。
ゲームでは特に関わりはなかったが、別マガコミカライズではアマデウスの援護を受けた上で討ち取った。
セイバーウォーズにて共演。
セイバーリリィ目当ての黒髭にセイバーキラーの弾除け代わりに連れてこられた。本人も不服だったのかこのイベント内では終始無言であった。
「幕間の物語」について ※ ネタバレ注意!
マイルームにて、彼が聖杯にかける願いを聞くことができる。
魔道に堕ちる前の姿でさえ、彼はとある少女の救済を願っていた。
また、自分が仕えるのは神と聖女とマスター(プレイヤー)であるという旨の発言をする。
さらに、彼の幕間の物語「聖女の剣」はかつてジャンヌが携帯していた聖カトリーヌの剣を保護(回収)しにいくというエピソードである。
かつて共に戦った彼女が一度として抜くことの無かった剣を手に、彼は語った。
「……マスター、ジャンヌ・ダルクとこの剣の伝説をご存じですか?彼女は常に旗を振って我らを鼓舞し、最前線に飛び込んでいきましたが――。剣は決して抜きませんでした。血に塗れることを恐れるのか、と私は問いました。すると、彼女は不思議そうにこう答えました。
"いいえ、だって旗を振った時点で、私の手は貴方たちと一緒です
ただ、お恥ずかしいことに剣を使うのは不得手なので。ごめんなさい"
彼女は剣を抜くことなく。しかして、その罪を我らと共有してくれた。――ならば、この剣を抜くのは彼女以外に許されない。いつか彼方の世界で、剣を抜くときもありましょう。それまでは、この剣をしっかりと守らなくては。」
彼の中でいかにジャンヌ・ダルクという存在が大きく、聖域と言っても過言ではない程の存在であったかという事が、このエピソードやマイルームでの台詞からよく伝わってくる。
しかし、そんな彼のセイントグラフは再臨の度にイラストに不穏な物が描かれており、最終的なカードイラストは……
また実装された追加スキルの名が「プレラーティの激励」という、あまりに不穏な響きのもの。しかし彼とプレラーティは切り離されて召喚されているため、エイリーク・ブラッドアクスの奥方のように、わざわざ「英霊の座」から干渉している可能性は低い。……となれば、この激励は生前にプレラーティから刷り込まれた記憶による幻聴である可能性が高く、既に彼の精神は崩壊寸前の状態のところまで達している可能性が……
「マスター、どうか一つだけ。……私が壊れた暁には……その令呪で、命を奪ってください」