※『ドラえもん』の映画(大長編)については『のび太と竜の騎士』を参照してください。
概要
『ダイの大冒険』の世界に於いて、遥か昔、神々の時代に人間の神、魔族の神、竜の神が生み出した『竜の戦闘力、魔族の魔力、人間の心を併せ持つ究極の生物』。
『人間、魔族、竜の三種族の中から世の中の秩序を乱そうとする者が現れた時これを粛清し、世界の平和を維持する』という使命を神から与えられた戦士である。
生まれ持った『力』と『魔力』に加え、代々の竜の騎士から受け継がれてきた『戦いの遺伝子』を備え持つ。そのため戦闘能力がケタ外れに高い。
劇中、ダイとその父バランの二人が登場しているが、竜の騎士の産みの親ともいうべき「聖母竜マザードラゴン」が「自分の命が邪悪な存在によって尽きようとしている」と語っており、恐らくは竜の騎士としての血筋はダイが最後とみられるが、聖母竜の生命を尽きさせる存在が何者なのかは語られていない(一説には、この存在こそが大魔王バーン、冥竜王ヴェルザーに次ぐ魔界最後の戦力であるとされている)。
何らかの形で騎士が落命すると竜が降誕し、神の世界へと還される。新たな騎士が生まれると、騎士に縁のある土地に運ばれ、現地人に託され、切っ掛けによって宿命に目覚めるとされる。テラン王国は竜の騎士に由縁が深く、多くの伝承が語り継がれている。
寿命は人間より少し長いが、ほとんどの騎士は一生戦い続け短命に終わってしまうので、闘争の生涯を宿命づけられる事から実質的に一代限りともいえる存在である。
外見的にはバラン曰く「子供の竜の騎士は、並の人間と大して変わらない」とのこと。しかし成長するに連れて人間離れして行くようだ。
また、人間との間に子孫を残す事も実は可能なのだが、これはバランの代で初めて判明した。
但し、生まれてくる混血児は「闘いの遺伝子」を持たず、竜の騎士の「肉体の力と魔法の資質」のみを継承する。
正統な竜の騎士は戦いの中で一生を終えてしまうため、バランがソアラとの間にダイを授かったのは、まさに奇跡とも言えた(血を残せたのはバランが初めてだった)。
事実、若き日のバランは困惑して子育てに苦戦する様子を見せており、彼の死後、魂となってマザードラゴンの前に現われた際にも「何故、一代限りである竜の騎士が子を残す事が出来るのか?」と問い質したほどだった。
強靭な精神を持つ者に限ってだが、竜の騎士の血には飲ませることで死者を蘇生できる力がある。ヒュンケル曰く「古来より竜(ドラゴン)の血を飲んだ人間は不死身の力を得る」とのことで、バランの血を飲んだポップも強靭な肉体になったのではと推測している。
しかしこの時にポップが見せた振る舞いは明らかにカラ元気であり、特にそういう効果はないようだ。
世界の調和を守るために作り出された存在ではあるが、竜の騎士はあくまでも神々に与えられた使命を遂行するための存在であり、その目的である討伐対象たる「世を乱す者」には上記の通り「人間」も含まれている。すなわち人間を守る正義の味方というわけでは無いのである。
純粋な竜の騎士であるバランは特にそれが顕著であり、人間が救うに値しない、滅ぶべき存在だと判断してからは大魔王バーンの方に身を寄せている。人間に対する私怨が含まれていることは事実だが、「世に秩序を取り戻す」という竜の騎士の目的を鑑みれば矛盾してはいない。
乱暴に言ってしまえば「竜の騎士が悪と見なした者は悪である」ということになる。竜の騎士に所縁のあるテラン王国の住人も「竜の騎士が人間を悪だと断じるのなら、それが正しいのだ」と認識しており、ある意味では大魔王バーンの思想と同じく『力ある者が結果として正義となる』という残酷な事実を体現している。
もっともバランの方は、バーンの真の目的が「地上の消滅(結果として人間は滅ぶ)」だと聞くと「人はそれを地獄と呼ぶのだ」と述べ、話が違うとして全面的な敵対を決意した。
バーンが嘘を吐いたのは、真の目的が今の世界のバランスそのものを破壊する事にあり、正確に伝えればバランは決して許容しない事を確信していたからであろう。
特技など
竜闘気(ドラゴニックオーラ)
竜の騎士の最大の特徴。発動すると額に竜の紋章が輝く。
自身の攻撃力、防御力を爆発的に上昇させ、ほとんどの呪文を防ぐといった攻防一体の凄まじい能力。
竜闘気の項目も参照。
竜の紋章
竜の騎士の額に輝く。
歴代の竜の騎士の戦闘経験が全て蓄積されており、これによって竜の騎士は生まれながらに戦闘のプロとして戦える。
ダイの場合は生来持っていたものの、人間との混血児であるのもあってか経験自体はない。ダイがバランの竜の紋章を継承した際は両手の甲に竜の紋章が輝く双竜紋となった。真の大魔王バーンとのタイマンでは再び額へと集約される。
竜の騎士の戦闘能力の要はここだと思われ、大魔王バーンさえ警戒する能力である。
竜の紋章の項目も参照。
剣と魔法を同時に扱う、人間には出来ない技能。
ダイの『火炎大地斬』やバランの『ギガブレイク』などが代表例。
竜の紋章に闘気を集中し相手に放つ技で、傷跡が竜の紋章の形になるのが特徴。
全力で放てば山をも砕く威力がある。
額の紋章から放つために構えの必要が無く、威力を重視しなければ咄嗟に放つこともできるためカウンター用途にも使える。
バランはこの技でカール王国最強の騎士ホルキンスを一撃の下に沈めた。
ダイも紋章を自在に操れるようになってからこの技を使用したが、超魔生物の肉体を持ったザムザには通用しなかった。紋章が拳にあるために構えが必要でカウンター用途にも使いづらいため、バランのものと比べると使い勝手は劣る。
竜の力を解放し、翼と角の生えた野獣のような姿に変身することによって移行する究極の戦闘形態。3つの力の内、『竜の力』が強く作用するため、獰猛かつ戦闘的な性質となる。
バランは二度この姿で戦闘を行ったことがある。
- 一度目は、ダイを連れ戻すのを阻止しようとしたポップ達との戦闘。
- 二度目は超魔生物となったハドラーとの戦闘で、ダイをラリホーマで眠らせてからこれに変身。本人曰く「息子に二度と見せたくなかった」という理由から。
竜魔人の項目も参照。
竜闘気砲呪文(ドルオーラ)
竜闘気を魔力で超圧縮し、放つ技(魔力は竜闘気の圧縮に使っているだけなのでマホカンタでも反射できない)。
人間に耐えられる威力ではなく、大魔王バーン曰く「竜の騎士でさえ竜魔人にならなければ肉体がもたない」技なので大抵の相手は一撃で粉々に吹き飛ばせるが、消耗も激しくバランですら三発も撃てない。
ドルオーラの項目も参照。
BGMとしての竜の騎士
2020年版のアニメでも同名のBGMが作中で何度も使用されている。
林ゆうき氏によって作曲されたもので、ダイが敵にトドメの一撃を喰らわせて倒すシーンで用いられるのがお約束になっており、そのヒロイックな雰囲気から好むファンも多い。
関連項目
トライフォース:ゼルダの伝説シリーズに登場する神々のアイテム。漫画版では独自設定により「世界を守る王族が額に張り付けて能力を行使する」というものになっている。ドルオーラのような強力な光の力で攻撃したり、竜闘気のようにオーラによって防御が可能。主人公は父親の形見の剣とトライフォースの相乗効果により双竜紋の如くパワーアップを果たしている。