CV:南央美(少年期・旧アニメ版およびドラマCD)/鈴木千尋(青年期・ドラマCD)/小林裕介(少年期・新アニメ版)
人物
本名はマジク・リン。
オーフェンがトトカンタにて間借りしていた宿屋「バグアップズ・イン」の亭主バグアップとアイリスとの間に生まれた一人息子。
『無謀編』及び『はぐれ旅』におけるマジク
母、アイリスとよく似た容貌で端正な顔立ちをした金髪碧眼の美少年。年齢は14歳。
未だ声変わりをしておらず、容姿も中性的なため時折女性に間違われる事も。
オーフェンから魔術を学び、彼を「お師様」と呼んで慕っている。また内弟子として半年間の旅の間行動を共にしていた。
基本的に真面目でお人好しな性格で、自立心旺盛。ちゃっかりしている様で、どんなに汚れ仕事をこなしても性根の優しさを捨てられない不器用さは師匠のオーフェンに負けず劣らずである。
いじめられっ子体質で、無謀編時代から学校では友達(奇人変人)やクリーオウには虐められたり八つ当たりされたり、旅に出てからもオーフェンからこき使われたりと、何かと貧乏くじを引き易いが、打たれ強いのか立ち直りは早い。身体能力は訓練開始前は10歳の女の子に負けるレベル。とはいえ、運動神経そのものは悪くなく、素人の時期でもそれなりに動けているという評は師匠談。
マジクは基本的に相手が女子供の場合はやられっぱなしで、同級生のモヤシのような男子チームにも振り回されていたりと、相手が悪人ではない場合反撃できないのは温厚な気質の問題であるところが大きい。
相手が明確に敵だったり身を守るためだったりとそういう土壇場になるとちゃんと立ち向かえる勇敢さや気の強さも持ち合わせている。やる時はやるタイプ。
成人した新シリーズでは複数人に襲われても一瞬で蹴散らす達人レベルまで技量を上げている。
旧シリーズでは魔術を水浴びの覗きに使用したり、仲の良いガールフレンドがいたり、学校では年上のお姉様方にモテモテでラブレターを貰ったり、学校で評判の可愛い女の子とダンスパーティで踊って友達になったりと年相応のままごとレベルだが明るい青春を送っていたが成人後は置かれた状況が殺伐としており…
異常なほど魔術の素養があり、オーフェンから習う数々の魔術を人間の範疇では考えられないスピードで習得、本来なら構成を感知するのに2年かかる所を二週間未満で知覚し、魔術を放つまでは数十年かかる所をわずか半年足らずでこなし、そこから更に何年もかかるはずの威力の制御もマスター(漫画版に至ってはまだトトカンタで暮らしていた、物語開始直後から)し、一人前の魔術士として認められた。
しかし本来熟達した魔術士が何年もかけて身につける大魔術を素人同然のマジクが見よう見真似で簡単に再現してしまう、というアンバランスさは諸刃の剣で、オーフェンすらも上回る「力」に振り回されたマジクは旅の間、挫折の連続であった。
第二部が終盤に近づくにつれ、人間の手に負えない強敵との戦いも増え、素人同然の彼としては本当のところはかなり善戦できていた方だったのだが、相談できる相手もおらず、共に学ぶ仲間もいない為自分の立ち位置すらわからなかったマジクは心の底から自信を喪失し、視野狭窄に陥り魔術士=オーフェンが全ての基準だと思い込んでしまう。
タイミング悪く師匠のオーフェンも弟子に向き合う余裕がまるでなかった為、放置されたマジクは苦悩を深め、オーフェンとすれ違ったまま卒業という形に。
自らの意思で道を決め、挫折と成長を繰り返しながら一人、理想の魔術士を目指した。
実際の所、マジクが憧れているのは魔術士としての技量よりも「いかなる状況に置かれても必ず事態を打開し、周囲の者にもそれを成せる存在だと信頼させる」オーフェンの人としての強さであり、比較対象としてコンプレックスを抱く相手でもあった。
新シリーズにおけるマジク
新シリーズでは原大陸でもトップクラスの実力を有する術者となっている。母親と同じ二つ名の「ブラディ・バース」と呼ばれ、オーフェンの懐刀として戦闘魔術騎士団に席を置いている。騎士団内では戦闘において最も頼りにされると同時に畏怖される存在に。
学校に通っていた少年時代は柔らかな物腰と中世的な美少年顔も相まって大変モテており、本人も仲良くなれそうな女の子には積極的に話しかけて友達になったりと割と人懐っこい方であったが、新シリーズでの彼は女性に対して淡白を通り越して枯れており(弟子のラッツ曰く、ルックスそのものは歳の割に良いらしいが)未だ独身である。
公式の設定で、敵対関係だった女性と恋に落ちるも、相手は暗殺者でマジクと仲良く過ごす一方で正体を隠し大量殺陣、などという暮らしをしており、最終的にそのことに気づいたマジクと彼女の恋はガンダムばりの悲哀(マジクが彼女を始末する)になったというエピソードがある為、その辺りのエピソードに加え、秘密裏に処理する殺伐とした仕事内容や激務が原因で女性への興味もなく無気力なのではと推論される。
表向きは魔術学校に教師として働いているが、こちらでは実力を隠しているせいもあってか生徒達には大変舐められている。
オーフェンの娘・ラッツベインを弟子にもつが、マジクがどれだけ戦闘で活躍を見せても何故か「よわっちさ満点で頼りない師匠」との認識を頑なに変えないため、交わされる会話はボケ漫才のようにずれている。大変仲は良いが、上下関係は非常にゆるい。自らが弟子だった時代に散々挫折を経験してきた為か、悩むラッツベインに対しての助言は優しく的確である。
そのおかげかラッツはマジクに大変懐いており、日頃から他人にマジクの話ばかりしており、妹たちからも「師匠コン」と呼ばれるほど。
新司令官の任に付いたマジクは、直属の部下がラッツベインとオーフェン家の次女エッジになった為、姉妹喧嘩を繰り返す二人を尻目に苦労が絶えない日々を送っている。
アンソロジーでは
作者次第だが可愛らしい美少年と描写されることもあり、女装したこともあった。
備考
- 名前の由来について、Magic(魔法)のもじりや、某台所用洗剤の商品名など諸説あったが、正解は「作者の単純な思いつき」ということらしい。
- 緑色の瞳や超人的な潜在能力の高さから、読者の間で「実はドラゴン種族ではないか」という噂も流れたが、一応は人間である。しかし母親がケシオン・ヴァンパイアの末裔という事から彼もその血統と示唆される。