※この記事全体が最新魔神任務までのネタバレの塊です。閲覧注意!!
概要
始まりも終わりもない永遠に向けて、人は夢のない安寧の一生を過ごす。
されど神の視線の届かない所で、誰かが夢に飢えているのだ。
人には人の誇りがある。我々は神に選ばれし者から零れ落ちた残滓ではない。
『鉄と血で畑を耕せ』 ——カーンルイアの国是
500年前に滅亡した国。その存在こそ現在でも知られているが詳細が記述文献などは残っておらず、何があったのか、そして何が起こったのかは謎に包まれている。
「インテイワット」なる固有の草花が国花になっていた事は語られており、カーンルイアの土壌から離すと化石のように固まり長期保存が出来る特色があった。
モチーフ国は明かされていないものの、『鉄と血で畑を耕せ』という国是が鉄血政策を彷彿とさせることから、ドイツなのではないかと言われている。
その真実と考察
カーンルイアは他の七国とは違い、神ではなく人類によって建てられた強大な国だった。建国されたあとも神に仇なす者達が次々と集い、そこに住まう人々はその輝かしい繁栄と文明に誇りを持っていた。
彼らは大戦を開始し、大陸は乱れたが、500年前、カーンルイアに神々が降臨して全てを滅ぼし、その国土はスメール近郊の地下へと没し、生き残った民も呪いを受け姿を消したという。
この神々というのは七神のことを指しているのかは不明。ただし、とある公式ムービーにおいて天理の調停者が手繰る謎の物質がカーンルイアを覆っていた為、彼女が関わっていることはほぼ確定といっていいだろう。
また、結果だけ見ればカーンルイアは神々によって滅ぼされた悲劇の国のように思えるが、他国に大戦を仕掛け人々を虐殺し、土地を強奪したのがカーンルイアでもある。
- 遺跡守衛=耕運機
現在は「遺跡守衛」と呼ばれるエネミーだが、学者たちによると古代文明と遺跡守衛は同源ではないという。テイワット各地にある古代遺跡は、遺跡守衛よりも数千年は昔の古代文明のものであり、時代が大幅に異なるという謎があった。
実は、ストーリを進めていくと、このエネミーは実はカーンルイアが運用したものであり、その用途は防衛用ではなく殺人兵器だったことがわかる。当時は『耕運機』というコードネームで呼ばれ、人間を殺戮してその土地を奪うための兵器として使われていた。
その殺戮兵器が今も大陸の至るところにあるということは、大勢の人々がその犠牲になっていたことを意味する。
- 簒奪国家
その国是とは『土地とは農具で耕すものではなく鉄と血で簒奪するもの』というもの。自国の発展のために他国から土地を奪い、人々に血を流させてきた生粋の略奪民族であることを意味する。
魔神任務第3章ではスメールとは長きに渡り知識と技術を共有してきた同盟国であったことが明かされ、500年前の「漆黒の軍勢」の際、スメールは共同開発した、有人型超大型遺跡守衛2体をはじめとする遺跡守衛を配備して応戦し勝利した事が語られている。
- 錬金術
錬金術で発展したカーンルイアだが、その錬金術によって禁忌に触れ、世界に災厄をもたらした。
特に生命に関する錬金術が発達し、アルベドが操る錬金術はカーンルイアの系譜にあたる。
カーンルイアが破滅した後も、その力で生み出された「海に関係する怪物」が璃月を襲ったという数々の伝説が残されている。また、本来は争いを好まないモンドの竜「ドゥリン」は、カーンルイアの技術によってそこに存在するだけで世界を害する毒竜と成りはてた。
- 独眼のモチーフ
カーンルイアでは「独眼の王エルミン」なる人物がいることが明らかになっている。また、ダインスレイヴやガイア(執行官「道化」も?)などのカーンルイア人は眼帯で目を隠し、また「耕運機」シリーズは全て独眼、アビスの使徒などのエネミーも独眼であることから、王に倣った独眼が国のモチーフとなっていると考えられる。
以上のことから、高い技術力を持つと同時に、血生臭い歴史を持った侵略国家であったことが推察される。
特にタルタリヤの伝説任務をクリアした旅人であれば、カーンルイアがテイワット大陸においてどれだけ危険かつ異常な技術と思想を持っていたかは容易に察せられるだろう。
この為、カーンルイアとそれを滅ぼした神々のどちらが悪となるのかは現在はっきりしていない。
- カーンルイアの呪い
天理と神々がカーンルイアを滅ぼしたあと、生き残った民は呪いを受ける事となった。純血の民は死ぬことを許されず、摩耗に苦しみながら生き続けるしかない「不死の呪い」を、混血の民はヒルチャールやアビスの魔術師などの魔物に変ずる「荒野の呪い」を受けた。
この呪いは一度蝕まれれば解呪など望めない強力なものだが、「例外」もほんのわずかである上にそうなるまでの過程も不明だが確かに存在する。
神々の沈黙
現状、カーンルイア滅亡の真相を知る者は、生き残りが魔物に変異したアビス教団、教団の「姫/王子」である指導者、彼らを追うダインスレイヴ、そして風神や岩神といった、何らかの形で現代まで生きている「生き証人」のみとなっている。
Ver1.5で追加されたある伝説任務では、主人公が岩神にそのことを聞こうとしたが、「契約により話すことができない(要約)」と断られてしまう。たとえ友と思っている主人公であっても契約の神である以上、契約を破ることはできなかった(主人公もこうなるだろうと予想していたのでショックは受けなかった)。
いったい誰が口止めの契約をしたのか、滅亡の真相そのものも含めて謎は深まるばかりとなっている。
また、先代雷神がこの大戦で戦死した事が、現代の雷神により語られた。さらに、この戦争の影響により「漆黒の軍隊」が稲妻を襲ったことも語られた。
その目的
まるで不明な彼らの行動だが、多くの情報を整理すると目的がぼんやりと見えてくる。
- 天空の神が住む島「セレスティア」。この世界の神の目を持つ英雄「原神」が死後行きつくところ。漫画版「セレベンツ」では言及されゲームにも存在するが、メインストーリーでは未だ名前すら出てきておらず、カーンルイア以上に謎が多いとされている。
- およそ数千年前のテイワットには、「空からの啓示」によって栄えた古代文明があった(○祭りの冠シリーズテキスト)。現在テイワットに残る古代遺跡や秘境は、これら数千年前の古代文明のものだと学者たちは分析している。この「空からの啓示」による恩恵は、天空の島「セレスティア」からもたらされたものと考えられる。(前述のとおり、古代遺跡と遺跡守衛=耕運機は同源ではなく年代に数千年以上の隔たりがある)
- ドラゴンスパイン遺跡の壁画を見ると、この空に浮かぶ島=セレスティアを信仰していた痕跡が見られる。
- ドラゴンスパインにある「遺跡守衛=耕運機」の暗号を解読すると「For the nation, We can't forgo this skyborne power, but we failed.(この空に浮かぶ力(=セレスティアの力?)は国にとって必要だったが失敗した)」となる。すなわち、カーンルイアは古代文明の祭事を発掘し「セレスティアの力」の恩恵を手に入れようとしたが、何者か(=神?)に返り討ちにあったと推察できる。
- 時は下り現代、カーンルイアの残党であるアビス教団は、モンドに執拗に攻勢を仕掛けている。そして、モンド城にあるバルバトス像には、「THE GATEWAY OF CELESTIA(セレスティアへの扉)」と刻まれているのだ。
つまり、アビスとなっても彼らの目的は一貫して…。
主人公との関係
スカラマシュによれば、旅人が最初にテイワットに降臨したのはカーンルイアである。「天空」が召喚に応じたことで召喚され、宮廷で暮らしていたらしいが、それ以上の詳細は不明。
旅人の肉親はテイワットを旅した後、カーンルイアに所属した事で降臨者の範疇に含まれなくなったらしい。世界樹に記されるようになったが、何者かによって情報が隠されているとのこと。
関連人物
余談
- カーンルイアの語源はヘブライ語で「鍛冶屋」・「鋳造者」を意味し、また、アダムとイヴの長男で、世界で最初の殺人を行った人物である「Cain(カイン)」である。また、カインの子孫はあまりの傲慢さに神の怒りを買い、Teyvat Norh(読:テイワット ノア)ノアの方舟)の大洪水にて滅亡した。テイワットといえば、原神において舞台となる星の名前だが……。
- ダインスレイヴやガイア、「道化」といった、カーンルイアの血を継ぐものには瞳に星のマーク(◆)を持つ。
- 放浪者、雷電将軍、「博士」の断片はカーンルイアの技術によって造られた機械人形である(いずれもカーンルイア人によるものではない)。
- 人形の材料は不明だが、草神が放浪者を「白い樹から彫り出され人に見捨てられた子猫」と揶揄しているため、地脈や世界樹の一部が材料となっている可能性がある。
- 命ノ星座を持っていたり、神の目を得る個体もいるなど、かなり生物に近い要素がある。一方で神のような存在になったり武神でさえ簡単には倒せない存在となるなど、人を超える特性も持つ。
- カーンルイアの錬金術で創造されたホムンクルスであるアルベドも同じような点があるが、具体的にどのような違いがあるのかは不明。