オパビニア
おぱびにあ
約5億年前のカンブリア紀に生息した奇妙な古生物。五つ目とハサミが突き出した吻を持つ。
概要
古生代カンブリア紀に生息した古生物の種類(属)の1つ。カナダのバージェス動物群で見つかった「Opabinia regalis」(オパビニア・レガリス)という1種のみ知られている。
学名「Opabinia」の由来は、カナダで発見地の付近にあるのオパビン峠(Opabin Pass)に由来する。現地の言葉で「Opabin」(オパビン)は「岩」を意味する。
体長4-7㎝。頭の上には(全てが複眼と思われる)大小五つの目がキノコのように盛り上がり、下から伸びた一本の掃除機のような吻にハサミがあるという個性的な姿が大いに話題になった。
復元図が学会で発表されたとき、会場は爆笑の渦に包まれたという。
アノマロカリスなどのラディオドンタ類に近縁で、よく見るとラディオドンタ類と似た体制を持つ。数多くの鰭や鰓、扇子のような尾はもちろん、一見異質な吻もラディオドンタ類などに見られる2本の触手から左右癒合したもので、そのため口はハサミではなく、頭の下で後に向かって開いている。
因みに、そのハサミは(左右で対になる触手が元のため)左右に開くという事実は化石でも顕著に表れるが、何故か異様な上下に開く構造で描き間違われがち。
生態
海底を泳ぎ、その吻で他の小動物を捕食する肉食動物であったと考えられる。
また、その5つの目のお陰で視野が非常に広く、同じ生息地でより食物連鎖の上位にいる捕食者(例えばアノマロカリス)をすぐに発見するのに役立つと考えられる。