『エウレカセブン』シリーズにおける看板機体。
LFOとしては最古の存在であり、全てのLFOの起源というべき存在。
このスタンスは、劇場版を除く全シリーズを通して貫かれている。
『ニルヴァーシュ』はサンスクリット語で涅槃(ねはん)を意味する『ニルヴァーナ』が語源であり、またアメリカのロックバンド『ニルヴァーナ』とのダブルネーミングでもある。
主な登場作品
交響詩篇エウレカセブン
- ニルヴァーシュ type ZERO
- ニルヴァーシュ type ZERO spec2
- ニルヴァーシュ type ZERO spec3
- ニルヴァーシュ type the END
交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい
- ニルヴァーシュ type ZERO
- ニルヴァーシュ type ZERO spec2
- ニルヴァーシュ type ZERO spec-V
(KLFの幼生としてのニルヴァーシュも登場する)
エウレカセブンAO
- ニルヴァーシュ(RA272)
type ZERO
十数年前にスカヴコーラルの地層から一人の美少女ともに発掘され、LFOの起源となった存在。ゆえにその意味を込めて『Zero』の名を冠している。
メインフレームは白、サブフレームはマゼンタ、カメラアイや発光機は蛍光色の緑。
現在のLFOは操縦席のほぼすべてが単座式なのに対し、この機体に限っては最初から複座式であった。
操縦者はエウレカ、のちに複座にレントン・サーストンが搭乗する。
Spec 1
最初に登場したtype ZEROの形態。その形状はほぼ発掘された時と同じである。
世界最古のLFOでありながら、当時の名工の技術の用いて造られたリフボードの性能も手伝って、飛行速度はは軍用LFOであるKLFをも凌駕する。
ビークル・モードへの変形が可能。
武装は肩に装着したブーメランナイフ二本のみ。塔州連合軍で使われていた頃には、大型のビームライフルを装備していたこともあった。
レントンから『アミダドライブ』を受け取って装着したことで、『セブンスウェル』と呼ばれる現象を発生させ、1246秒のあいだ周囲のトラパー領域を反転させ、その虹色に輝く領域内で鬼神の如き強さを発揮したことがある。
必殺技は『カットバック・ドロップターン』からの斬撃。
Spec 2
物語中盤にてtype ZEROの基礎構造が進化を始めたことから、フレーム全体を刷新し、改良が施されたスペックアップ機。
アーキタイプ(スカヴコーラルから発掘されるLFOの骨格)の研究者であるグレッグ博士の研究結果をもとに、新たに高速飛行形態への変形を手に入れ、人型・ビークルを加えて三形態への変形が可能に。
内部のコンソールを一新し、ターミナスをはじめとするほかのLFOのどれともつかないものに変えられた。spec1のときは透過モニターや窓越しでしかエウレカとレントンは会話できなかったが、コクピットをさらに広く取ることで、直接会話が出来るようになった。
またコクピットのシート背部にも以前より大きいスペースが確保され、少量であるが荷物や、人を載せることも可能になった。
またコンパク・ドライヴのソケット位置も変更され、レントンとエウレカの2人の意思がお互い共鳴し、ハンドルを持ち上げることで『セブンスウェル現象(後述のセブンスペクトラムも含む)』を発動させる。
リフボードは二分割し、肩パーツとして装着可能。飛行形態時にはこのボードが機首となる。
メインパイロットをレントンに移し、高速飛行形態をエウレカが操縦する。
武器は以前と変わりなくブーメランナイフのみだが、レントンの精神的な成長に伴い、手からチャクラと呼ばれる七色の光輪を発することが可能となり、相手の装甲や武装のみを破壊し、無力化させることができる。さらにLFOの武装機能を全停止させる必殺技『セブンスペクトラム』を発動させ、その領域内における一切の戦闘行動を中断させることが可能となった。
Spec 3
type ZEROの最終進化形態。
スカヴコーラルに呑まれたエウレカを救うべく、レントンの強い想いに呼応して自ら進化した。
その見た目はもはや白銀の巨人と言い得る生体的なものであり、リフボードなしでの単独飛行と驚異的な飛行速度を有している。
胸部に大口径トラパルザー砲を一門有しており、コーラリアンの大群を一瞬にして全滅せしめる驚異的は破壊力を発揮した。
レントンがエウレカを救出後は、「悟りを開くことができる」と二人に言い残し、宇宙の彼方へと消えていった。
type THE END
塔州連合軍の保有する最強のKLF。通称「ジ・エンド」。
搭乗者はアネモネ。
全身を漆黒の装甲で固めた''黒いニルヴァーシュ''で、KLF開発技術の粋を結集して作られた超攻撃型の機体。目のラインやサブレームの一部が深紅に彩られている。そのカメラアイは丸で生体のように生々しく、また眼光も鋭い。
コックピットは搭乗者と一体化するような埋め込み式になり、全方位モニターによって180°以上の司会を得ることが可能。操縦方法を搭乗者の脳波を読み取る感応式にすることで、驚異の反応速度を獲得している。
ビークル・モードを持たない一方、リフボードを二分割し、足にブレード状に装着することが可能。その姿で飛行する様は、まるで空をスケートしているような華麗で俊敏なもの。
武装は両腕に収納された2本のブレードの他、有線リモートでオールレンジ攻撃が可能な大型クロー2基。屈曲しながら敵を追尾するホーミングレーザー18門×3基。胸付近にある2門の放射口から放出される、物理的ダメージと共に敵の脳(=精神)にダメージを与える、必殺のトラパー波放射特殊兵器『バスクード・クライシス』。
また、トラパー波拡張機構を備えたモンスーノ type VC10の6機と共にジ・エンドを中心に円状に展開するフォーメーション・ガグンドゥーラを組むことで、膨大な量のトラパー波を圧縮、および反転させ広域に対し球状の高エネルギーを放射する対コーラリアン兵器『バハルックスウェル』の使用が可能。腕のクローの代わりにオラトリオNo.8の照準ビーコンとなるドリルミサイルの装備も可能。
まさに戦いのためだけに生まれた、生粋の戦闘マシンである。
名目上は塔州連合の所属機だが、その本来の使命はデューイの「アゲハ構想」の基幹を担う機体であり、スカヴコーラルの外殻を破り、コーラリアンの中枢指令器官である指令クラスターを破壊するために生み出された。
また機体の基本構造は禁断兵器と呼ばれるデビルフィッシュを元にしており、操縦者には脳はコントロールに不可欠な劇薬の投下が必須となりため、操縦者の心身を激しく摩耗させて死に至らしめる諸刃の剣でもある。
スカヴコーラル外殻内でのtype ZEROとの最終決戦にて、独断で乱入してきたドミニクを救うべく、自身の本当の気持ちに気付いたアネモネに呼応して覚醒し、それまでの毒々しさを消し去るような白銀の機体へと変貌を遂げる。鋭い目つきも慈愛に満ちた穏やかなものとなり、自立した意思を持つようになった。
しかし、ほどなくして打ちこまれたAFXからの衛星軌道砲の余波から身を呈してアネモネとドミニクを庇い、外骨格のみを残して消滅し、息絶えた。
RA272
アメリカによって鹵獲されたはずだった、日本軍が保有していた世界最初のIFO。
Mark1の通称を持つIFOの起源に当たる機体。それゆえに多くのIFOのパーツとの互換性を持つ。
操縦者はフカイ・アオ。
当初は軍によって秘密裏に輸送され、ガゼルたちによって最後のパーツが運ばれる予定だったが、どさくさの中でアオにパーツの一つである腕輪が渡ってしまい、シークレット(Gモンスター)の出現に際してアオの手によって起動された。
高速飛行形態と人型の2形態を持つ。
フレーム全体は灰色に塗装され、一部の発光機は蛍光色の緑に光る。
武装は頭部にバルカン砲二門を内蔵するほか、背中にハンドガン二挺を格納している。また4話では、破損した左腕の代わりにエレナ・ピ-プルズの搭乗機であるキリエの腕部を装着した。
6話では両腕に放電ユニットと両大腿部に小径のレーザー砲を1門ずつ計2門装備。
放電ユニットを拳を覆う形で展開し、シークレット内部に放電、止めとして砕けた敵外殻の隙間にレーザーを打ち込むことでシークレットを撃破した。
現状において、直立二足歩行が唯一できる機体でもあり、人型状態では前作のLFOのようにボードに乗ってサーフィンをするようにトラパーの波の上を飛行する。