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K2(漫画)の編集履歴

2023-07-17 13:14:58 バージョン

K2(漫画)

けーつー

真船一雄による日本の漫画作品。「スーパードクターK」の続編。

解説

真船一雄による日本の漫画作品。雑誌『イブニング』にて2004年より連載開始。2023年より漫画アプリ「コミックDAYS」にて連載中。


医療漫画『スーパードクターK』の続編であり、前作の主人公・KAZUYAに代わり、もう一人のKの一族の末裔である神代一人(かみしろ・かずと)と、KAZUYAのクローンである黒須一也(くろす・かずなり)が主人公となった。

KAZUYAたち表のKの一族を支える裏の一族でありながら、表の一族がKAZUYAの死によって途絶えたためにKの称号を受け継いだ一人を中心とした医療ドラマと、生まれながらにKAZUYAの資質を持つ一也の成長物語の2つの軸を持つ。


前作に登場したキャラクターも多数登場し、KAZUYAに関わったキャラクターが一人や一也にKAZUYAの面影を見出すことも多い。

作中の時間の流れは、現実世界のそれとほぼ同じであり、連載を経るごとに少年だった一也がやがて医大に進学・卒業する。2020年からは新型コロナウイルスの流行により、人々がマスクを着用するなど、コロナとの戦いを踏まえた描写がなされている。


医療技術も現実の発展を反映しており、KAZUYAの時代では存在しなかった新技術により、かつてKAZUYAでは救いきれなかった患者が完全に治療できるといったエピソードもある。1話完結の話もありここから導入しても見やすい。

また、病気と闘う姿勢や向き合い方に重点を置いているため、闘病による人生や環境の変化や患者と周辺人物への影響などのドラマを中心にしており、利権や制度の融通の利かなさに関する話はあっても派閥争いなど、主人公に反発して手伝わないどころか足を引っ張る様なキャラや場面は極力排し、個人間のいがみ合いはあっても有事の際は協力や連携してプライベートで付き合わないレベルに収めるなど、人同士のドラマは控えめにしているため、治療や医療行為が滞ることで話の焦点がテーマから外れたりぼやけてしまうことが少ない。

医学の無力さを描いたり死と向き合うエピソードもあるが救いようのない重苦しい展開は控えめ。コミカルなオチで終わる話も多い。

総じて前作までの前向きさやコミカルな要素を引き継ぎながら、前作が破天荒さを抑え物語性を高めていった流れを汲んで医療面の話を強化した作風と言える(でも相変わらず銃を持った相手を格闘で制圧したりすることはある)


また、時代の発展も取り入れてることで、後進の指導や新技術など研究の重要性も唱え、ただ目先の患者を救うだけの現場型の手術職人が持て囃される様な事は控えめとなり、それぞれの分野へのリスペクトの描写が多く、本作では専門分野ならKの一族以上の医者も登場も少なくない。


元々前作を越えて20年近い連載をしている人気作ではあったものの、2021年に20巻分が無料公開されるとこれに際してこれまで未見だった層が本作に触れるようになり話題となった。

特に本作で独特の使い方をされている擬音「ギュッ」や、主人公・一人たちのセリフがネットミーム化(K2構文も参照)。

更に元の掲載誌であるイブニングの休刊に伴い、コミックDAYSへ移籍したことにより、2023年3月からは他の移籍作品と共に期間限定で全話無料で読めるキャンペーンが行われたことでさらに読者層が増加。また、20巻以降は一也がメインを務めることも増え、医大への進学や譲介や宮坂の出番の増加など前回の無料公開分の層に対しても目新しさがあったのも大きいと思われる。

この中で前述のネットミームのバリエーションも増えていった。

ミーム抜きでも純粋に本作に触れた人はすべての医者たちに感謝するようになった。


ストーリー

無医村と言われるN県T村に派遣された医師・富永は、そこで卓越した医療技術を持つマント姿の無免許医=神代一人と出会う。彼の姿はかつて世界を股にかけて活躍した伝説の名医・スーパードクターK=西城KAZUYAに酷似していたが、KAZUYAの妹・西城KEIは「KAZUYAは5年前に病死した」と否定する。


一人の正体は「Kの一族」の有事に備えて闇医者として活動し続けてきた分家の末裔だった。KAZUYAの死によってKの系譜が途絶えていることを憂慮するKEIは、KAZUYAの旧知である高品・朝倉の協力の下で一人にある手術を担当させる。その卓越した知識と技術を目の当たりにした厚生労働大臣は特例で一人に医師免許を発行。晴れて表舞台に立つことになった一人は、Kの後継者、新たなるスーパードクターKとしてその腕を振るうようになる。


一方、KAZUYAにはその遺伝子を基に生み出されたクローンがいた。彼の名は黒須一也。代理母でありKAZUYAの婚約者であった黒須真純の下で何も知らずに育った一也だったが、一人との出会いや、自身の出生にまつわる事件を経て、己の意志でドクターになることを誓い、半ば一人の弟子のようになる。


こうして、新たなるKとなった男と、Kの遺伝子を受け継いだ少年の物語が始まった。


用語

ドクターK

どんな困難な患者でも治療することのできるスーパードクター。Kの一族と呼ばれる一族の中でも選ばれた一人がその称号を受け継ぐ。

かつては西城カズヤがその称号を継いでいたが、現在はN県T村の神代一人がその称号を継いでいる。


Kの一族

日本の古来から脈々と受け継がれる医師の家系。ドクターKの称号を受け継ぎ、あらゆる患者を助けていく。

表のKの一族とも言える西城家の人間が基本的にドクターKの称号を受け継いでいくが、全国各地にもしもの時の備えて幾つかのKの一族が存在しており、社会の裏で隠れながら優れた医療技術を研鑽している。

なお、Kの一族の男性は概ね漢数字の一を通字としており、女性の方はか行で始まる名前となっている。

現在確認されているKの一族は、西城家、神代家、神津(こうづ)家の三家である。また、海外に出て養子に入ったり、居を構えた一族もおり、シリーズを通して中国とロシアでKの系譜が確認されている。なお、西城家については先代K・KAZUYAの母が西城家の出であることからKAZUYAが名乗っていただけであり、KAZUYAの父・一堡以前の「表の一族」の姓は不明。現在生き残っている表の一族は、KAZUYAの妹・磯永KEIと息子の一巳、KAZUYAのクローン・黒須一也の3名なので、「西城」を名乗っているKの一族は存在しない。

また、親族付き合いや交流が殆どなく、許嫁を設けていた本流の一族を除いて特に交際に制限を課したりしないため、西城KEIの様に結婚と開業してそのまま土着の町医者となった様に、家系図や血縁の把握が出来ていない。

一族としての正装なのか、外出するときはマントにシャツ、両手首にベルト付きバンドという服装を常用している者が多い。このマントの裏側にはメスなどの医療器具が仕込まれている。


N県T村

神代一人をはじめとする神代家が本拠地とする村。

一見すれば過疎化した日本の片田舎の村だが、その実、裏では時代時代の最新の医療知識と技術を持ち、いざという時の最先端の医療用設備も整えられている。

法整備も整っていない昔から密かに臓器移植を行ってきており、ドナーとレシピエントのことを授け手と受け手と称する。更に村民全体で月に1度献血する習慣があり、輸血のストックも豊富と、Kの一族を抱える集落として「命を救い、名医を育てる」ためのしきたりが村ぐるみで伝えられている。

しかし、過疎の通り高齢化が激しく、医療以外の機械(主に農耕機械)は半端に使い古しなのもあって、村民の傷病率は高い。


10本のメス

生前のKAZUYAが自分の患者に渡していたメスの総称。いずれも「K」の刻印がされているとともに1から10のシリアルナンバーも刻まれている。

このメスを渡された患者は、疾病が完治していないことが共通している。これは、当時の医療技術では救えなかったためである。

しかし、KAZUYAはいずれその疾病を治す技術が生まれること、そして自分の遺志を継ぐ新たなKが現れることを予見し、その目印として患者にメスを渡していた。

このメスを持つ患者たちを一人が現代の技術で治し、メスを回収、KAZUYAの後継者としての役割を全うすることが、本作序盤の縦軸であった。

なお、2023年現在でも10本すべては回収されていない。


帝都大学

一也と詩織が進学した大学。大学編の主な舞台。

かつてKAZUYAも在籍しており、大垣を始めとする教授たちの何人かは、KAZUYAの同期である。

一也が6年のときに新型コロナウイルスによるパンデミックが発生、一也たちの卒業式も各学部の代表が数人ずつ出席するという措置が取られた。

医学部が「理Ⅲ」と表現されていることから、モデルは東京大学と思われる。


ストーロジ・ジーズニ(命の番人)

ソ連崩壊と共に思想の自由を得たことで思想が暴走していったカルト教団。

教えが「神の意志によって決められている」であるため、その考えが急進的に染まって文明こそ誤った発展として、最先端医療を否定して武装しての実力行使も辞さない過激な組織となっていった。


破留島

一也が旅の途中で立ち寄った、日本のどこかにある離島。

終戦まで炭鉱があり活気はあったが、炭鉱が閉山して、すっかり寂れて過疎化している。長寿の者が多く、医者要らずの島と称されているが、実際には第3のKの一族・神津家が密かに島民の治療に当たってきた。

戦時には島の炭鉱を起点に兵器の秘密製作していたために日本軍があり、終戦後にはその隠蔽のために施設を徹底的に破壊したが、結果的に炭鉱内には当時の道具が多く残り、些細な衝撃で爆破する危険もあるほどに変質したダイナマイトも残っている。

その鉱業の健康被害対策に神津家が大きく関わっている。


高品総合病院

帝都大学を卒業した一也と詩織が、T村の次に研修先として赴任した病院。研修編の2つ目の舞台。

国内でも最大級の総合病院であり、KAZUYAと旧交のある高品龍一が院長を務めており、地域医療に尽力している。高品院長の人柄もあり、派閥争いなどはほとんどない。


キャラクター

主人公

無医村と言われる、N県の山奥にあるT村で診療所を営む男。

その正体は、先代KことKAZUYAの一族の危機に備えて、村の中だけで医療技術の研鑽に励んできた、もう一つのKの一族の末裔。

風貌は生前のKAZUYAと似ており、KAZUYAを知る者のほとんどがKAZUYAの面影を見出す(一人の方がやや細身で眉毛の形状がシャープ、もみあげが長いなどパーツ単位では異なる面も多い)。

医療技術もKAZUYAに負けず劣らずであり、最新の技術にも精通している。

ただし性格は若干異なり、一人の方がクールだが、他人特に目上の相手やその分野のスペシャリストに対して敬意を見せる事が多い。

KEIに請われて、KAZUYAの後継者として活動する一方、表のKの一族をサポートするという使命のもと、一也やその友人たちなど後継者の教育にも力を入れており、新人故に見落としがちなケアレスミスや、最新機材への興味などを、安易に短所として捉えずそう感じる点は理解した上で声を荒げたりせず指導やフォローし、一見向上心が控えめで腕がおぼつかない龍太郎にも、早くはないが慎重でお人好しな性分を見抜いて敢えてペースを落として陰ながらフォローする形で指導するなど、その指導は1人1人に合わせて適切。

医者でありながら異様にフィジカルも強く、施錠された鉄扉を蹴破る、崖から滑落しそうな車を結び付けたロープにより腕力のみで引き上げるなど、人並外れた芸当を見せる事もしばしば。悪党を相手にした場合パンチやキック一発でのしてしまう事も多い。

もう四十代くらいになるので読者からは「もう一つのKの一族としての後継者を残さなくていいのか?」とツッコまれている。


先代K・KAZUYAのクローン人間。KAZUYAの婚約者であった黒須真純の息子として、何も知らずに育ったが、とある事件を通じて己の出生のすべてを知る。

容姿はKAZUYAと瓜二つだが性格は全く異なり、温厚かつ謙虚で人当たりが良い。また、異性に対するデリカシーが足りず、周囲の女性陣にからかわれることも多い。一方、その出生ゆえに生命倫理に関しては厳しい理念を持っている。が、村の秘密を守る為にその事を表に出せずにはいた為、周囲からは若干浮いてしまう。

世界で唯一、健常に成長した「完全なクローン人間」かつ、彼を作り出した一昭が完璧なクローン技術の技術と知識を誰にも伝えず遺さないまま亡くなり、クローン技術に肯定的な勢力からも否定的な勢力からも注目を集めており、何度も命を狙われている。

小6の頃に医師になる決意をしてから独自に医学を勉強し続け、高校入学以降は一人の弟子となる。高校時代より、N県T村の習わしに従い、一人から医療技術と最新技術を叩き込まれる。これにより、若い頃から年に似合わぬ落ち着きと医療技術と知識を身につける。時には一人を始めとする現役医師に直接指南されることもあり、同年代の学生や医師顔負けの技術を有する。詩織や譲介という一也の事情を知る同世代の仲間を作りながら、帝都大学医学部に現役合格・卒業。現在は研修医となり、詩織と共に一人の助手を務めていたが、特殊な環境での成長を危惧した一人により、詩織と共に龍太郎との交換という形で高品病院に勤める。

詩織(後述)とは強い絆で結ばれており、一也自身も彼女に恋心を抱いているが、二人の関係は未だに「友達」のままである。


主要キャラクター


一也の高校時代の同級生。刺繍が趣味で、手先が器用。時に小学生に間違われるほどの低身長、おかっぱ頭、メガネと、決して美形とは言えない風貌の持ち主。

当初はごく平凡な一般人だったが、一也との交流を経て医師を志すようになり、彼とともに帝都大学に現役合格・卒業する。

特に縫合の技術と才能に優れており、高校時代に咄嗟にありものの裁縫道具で一也の出血を止血した際には、思わず一人ですらその技術に驚愕した。

研修医となってからは譲介、一也と共に一人の弟子として医学の研鑽に努め、実際に一也と共に高い医療技術を持つようになる。

しかし、それが故に、一人から特殊な村でしか医療技術を磨いていない現状が成長の足枷になると思われ、高品龍太郎と交換される形で高品病院の研修医となる。

今では人生の半分ほど一也と一緒に過ごしており、周囲には登場当初から「一也の恋人」と認識されているが、当人同士の関係性は未だ「友人」のままであり、特に詩織側は恋心よりも医師としての対抗心に燃えているので一也の恋路は前途多難である。


  • 村井(むらい)

神代家に仕える執事の男性。一人の医師として師にあたる。

物語の初期は村を出ていたため、回想で脇に登場していた程度だったが、登場当初には村外での事故で一人の母を指をくわえて喪う事態に失望し、クローン臓器の密造・密売する裏組織に所属してしまい一人や一也と敵対関係にあったが、後に和解して村に戻る。以降は、一人の仕事を全力でサポートしている。

最新技術や設備に精通しており、村の施設で再生治療の研究や施設の管理を任されている。

一人の下に来たのにぶっきらぼうなところがあるために最初は馴染めない若者のために、それとなく繋ぐよう接する好々爺として、若者に接する。

ミスリードを兼ねてなのか一郎とそっくりなのだが作中マントを羽織った後ろ姿以外で間違われたことはない。


本名は真田 徹郎(さなだ・てつろう)。

圧倒的な執刀技術を持ちながらも表舞台には出ずにどこの病院にも属さず、闇の世界に生きる医者である。金さえ払ってもらえれば相手が誰であろうと、依頼内容が非倫理的であろうと引き受けるのがポリシーで、彼の主な患者はヤクザや闇世界の人間、もしくは何らかの後ろめたい事情の持ち主が多い。

本編ではガンを患い、一也に医師として「患者の死」に向き合わせるために自らを安楽死させようとした。しかし一也の前向きな姿勢と一人の協力により、根治は出来なかったものの治療と延命に成功し生きながらえる。

その後は行方を眩ませていたが、身辺整理の中途で出会った譲介の保護者として再登場。譲介に医療技術を叩き込みながら一也と引き合わせることで対抗心を煽り、一也に何らかの変化をもたらすことを目論んだ。

一也や譲介に対し医の道の暗黒面を向き合わせたりするなど、TETSUなりに一人にはできない方法で教育を施している。が、一人とは価値観が合わないために警戒されている。


一也の同級生。ドクターTETSUの内弟子であり、一也を弟子にした一人に対して、ドクターTETSUによる一也への当て馬という目的で引き取られていた。彼から医療技術を教えられながらも、人の命を軽視する危険な人物だった。その原因は、幼少期に両親に捨てられたというトラウマであり、それが後々まで尾を引いて精神に不安定なところがあった。後にとある事件を通じて、医師としての倫理意識が芽生え、一也の良きライバルとなる。

元々は一也と宮坂詩織と共に帝都大学の医学部を受験して医師になるつもりだったが、不慮の事情で帝都大学の受験に落ちてしまい、自分を変えるためにTETSUの下を離れて一人の診療所で修業を積むことになる。しかし、彼が闇医者になる事を望まない一人の根回しによってアメリカのクエイド財団にスカウトされ、一也の大学卒業と同時期に渡米した。

TETSUに対してはその横暴ぶりに手を焼いているものの、自分の人生を変えてくれた恩人として慕ってもおり、渡米の際には彼に手紙を残している。


  • 麻上夕紀(あさがみ・ゆき)

一人の診療所に勤務する女性看護師。

他院でエリートコースを歩み、その病院の跡取りと婚約関係にあったが、親しくなった患者の医療ミスの責任を押し付けられ、失意のまま自殺しようとしていたところを、一人に救われた。

その後は、一人の病院の看護師として働いており、堅物な一人のツッコミ役も兼ねる。

基本的に誰に対しても温和に接しているが、何故か龍太郎にだけは当たりがキツい。


  • イシさん / 羽庭イシ(はにわ・いし)

一人の診療所で働く老婆。

主に診療所の炊事などの家事を担っているが、いざとなれば手術の助手を務める、話を聞いただけで指定難病の疑いを見抜くなど、T村の医療従事者として申し分ない知識を有している。

感情的で毒舌な面もあるものの、村に来た頃の尖っていた譲介も動じることなく受け入れる包容力も持ち、龍太郎からも懐かれている。

炊事の腕に関してはプロ級で、焼き魚定食のような和食はもとよりトルコライスやプルコギ、バターチキンカレーとビリヤニなど、一般家庭ではなかなか出ないような献立も度々作っている。特にカレーに関しては、譲介が在院していた当時からカレーしか受け付けない彼を想ってか試行錯誤していたようで、今ではスパイスから極めているらしい(そのうえで渡米した譲介に今も送っている)。


料理の材料を買いに単身で東京に向かうなど行動力もあり、麻上には単独行動を心配されるも、実際には現地に馴染みの食料品店がいくつもあるようでかなり来慣れていることが分かる。

高齢の身でありながらハイテク機器への造詣も深く、最近ではスマホも購入済み。2023年時点でどう若く見積もっても90代半ばだが、倒れるどころか衰える気配も見せない高性能ばあちゃん



  • T村の人々

一人たち神代家が代々暮らしてきた村の村人たち。

その多くが神代家の使命に協力しており、非常時に備えて定期的に献血して貯蔵したり、亡くなった者は「授け手」(いわゆる臓器ドナー)になったりといった風習がある。

診療所を度々手伝っているイシさんをはじめ、新米医師でも驚くような医療知識を持っている村人も少なくない。

なお、村の中での医療行為が村外では不法行為であるために時に警戒してとぼける様に行き渡る連絡網を敷いている。



先代Kの関係者

  • 磯永KEI(いそなが・けい)

旧姓・西城。先代K・KAZUYAの実妹。叔父(母・杏子の兄)・西城頼介の養子であり、夫はKAZUYAの後輩である磯永幸司、息子は一巳。

現在は西城医院という診療所の院長として働いており、一也の母・麻純もKEIの診療所で看護師として勤務していた。

一人に医師免許を与えるきっかけを作り、その後も折に触れて一人や一也と関わっている。実父の元で暮らしていた頃は、定期的にT村の神代家へ訪れており、毒や細菌への耐性をつける特殊な訓練を受けていた(その際に一人とも会っており、不慮の事故で頭部を負傷したときは、一人に治療された)。

過去の所業がアレなので、有事の際は強い殺気と威圧感を放つ。


  • 磯永幸司(いそなが・こうじ)

KEIの夫。外科医。「Doctor.K」から登場。

KAZUYAの後輩で、KEIの開業に伴い、紹介された外科医。

熱血漢で涙脆く、フランクなのだが、がさつな面からKEIとは当初はソリが合わないながら、患者への真摯さは認められ、病院を支えた。

体にメスを入れないために元は内科医だったが、KAZUYAと共にあるガン患者を救い、その際に内視鏡の存在を知ってからは外科医に転向し、日本指折りの内視鏡の専門家となった。

本作では、その内視鏡の腕を活かして世界中を回りつつ、現在で言うリモート技術を使って後進の指導も手掛けている。


  • 高品龍一(たかしな・りゅういち)

高品総合病院の院長を務める医師。かつてKAZUYAと交流があった。

前作ではドイツに渡る形でフェードアウトしたが、K2では日本に戻り、最先端の総合病院を作り、現役でメスを振るっている。

熱血漢だった前作と違って年齢を重ねて落ち着きと温厚さに溢れ、院内でも慕われているが、仕事で忙殺されて息子とはコミュニケーションがとれておらず、龍太郎になかなか医師としての自覚が目覚めなかったことや掛ける言葉も見つからなかったことから、一人に龍太郎を預ける。代わりに、一人の診療所で研修していた一也と詩織を高品総合病院で受け入れた。


  • 黒須麻純(くろす・ますみ)

一也の母であり、KAZUYAの婚約者であった女性。代々、看護師に類する職に当たってきた黒須家の末裔であり、同時に、触れた相手の寿命を見通す異能を持つ。

自身はKAZUYAに想いを寄せていたが、KAZUYAからは恋愛対象として見てもらえなかった。やがて、KAZUYAの才覚を潰えさせたくなかった一昭からKAZUYAのクローンを作るための母体となることを依頼され、これを承諾。一也を出産後、母性が芽生えてそのまま彼を一昭に渡せば普通の親子として共に過ごすことができないことを悟り、一也を伴って一昭のもとから逃亡した過去を持つ。

看護師の仕事からは引退していたが、一人がKとして一也を引き取ったのち、西條医院で再び看護師として働き始める。一也の命を狙うカルト教団「ストロージ・ジーズニ(命の番人)」の事件において、一也たちをかばって命を落とす。


  • 大垣蓮次(おおがき・れんじ)

一也や詩織が進学した帝都大学医学部の第一外科教授。後に医学部長に昇進。

かつては帝都大学でKAZUYAとともに医学を学んでいた。一也にKAZUYAの面影を見出しながらも、大学教授らしからぬ破天荒な振る舞いで、学生たちを導いてゆく。

話の途中で舌ガンを患うも治療に成功。しかし、抗ガン剤の副作用ではげ上がってしまい、前作の登場人物でKAZUYAの恩師・柳川と見分けがつかないほどそっくりになってしまう。

そのガンの決意と共に、残る命と人生を後進への環境改善のため同僚の戸倉からの要請を受けて、医師連盟の理事に立候補した(かつて大垣は、KAZUYAが健在の時期に勤めていた病院に裏切られた挙げ句に責任を負わされ、ショックで身を持ち崩していた経験がある)。


  • 柳川慎一郎(やながわ・しんいちろう)

帝都大学医学部第一外科の元教授。KAZUYAや大垣の恩師であり、KAZUYAの父・一堡の親友。

KEIに請われ、自身の出生の秘密を知った一也のもとに訪れた。当初は徘徊老人を装っていたが、それは一也の人となりを確かめるためだった。

昭和55年、原子力医療開発研究所の事故で死にかけたが、一堡の命がけの行動と、若干18歳のKAZUYAの治療で一命をとりとめる。このとき、KAZUYAとともに被爆しており、共に発癌。自身はKAZUYAの執刀によって助けられたが、KAZUYAは治療ができず、命を落とした。

KAZUYAの死因と享年を知って不安になった一也にこのことを伝え、必ずしも一也がKAZUYA同様に短命で発癌することはないこと、そして一堡やKAZUYAと同じ医師としての崇高な精神を受け継いでいることを教えた。


ドクターKの弟子

K2は、医療関係者の尽力と一也の成長という物語の縦軸以外に、一人の下に集った弟子の成長という軸も持つ。

実際に、もう一人の主人公である一也自身も一人の弟子の一人であり、一人の医師としての精神性と彼の持つ技術を継承していく。

本節では、上述する黒須一也宮坂詩織和久井譲介以外の弟子を記載する。


  • 富永研太(とみなが・けんた)

N県T村に赴任してきた西海大学所属の若き医師。前作での高品ポジション。

開業医の家系に育ったお坊ちゃんだが、地方の医療格差に危機感を抱いてあえて過疎村への赴任を志願した熱血漢。

K2における一人の最初の弟子であり、彼と一人の邂逅がドクターK伝説復活のきっかけとなった。当初は経験不足で一人の技術に圧倒されるばかりだったが、強い向上心で腕を磨いていき、ムードメーカーとしての気質で村にも溶け込んでいった。また、村で暮らし始めた一也からも兄のように慕われていた。

実家に里帰りし、富永総合病院の患者の難手術と海外の医療チームのスカウト、それを断った出来事を機に富永総合病院へ戻り、現在は父の跡を継いで院長を務めている。

院長となって以降は、診療所にいた頃と変わらぬ様子を見せながらも、その優れた手術の腕前と全責任を負う覚悟の姿勢から、癖のある部下たちからも全幅の信頼を寄せられている。

曰く、彼が村を離れてから7年間のうちに担当した手術は約800件以上(およそ開腹450/鏡視下350)。名目上の専門は「一般外科」ということになっているが、脳、胸部、腹部、整形、循環器、消化器内科まで全てこなしてしまうほど熟達しており、専門医ですら舌を巻くほどに頼もしい医者へと成長した。


  • 高品龍太郎(たかしな・りゅうたろう)

KAZUYAと縁の深い高品龍一の息子。

母のように慕い頼りにしていた外科部長の安倍川素子が病により一線を退いたことを切っ掛けに今後の進退に自信を無くしてしまい、それを見かねた父・龍一によって診療所の一也と詩織とトレードする形で一人のもとに預けられT村に赴任した。

現役で医大を卒業し国家試験にも一発合格する程度には地力があるようだが、偉大な父親を持ってしまったこととレールを敷かれて医師となったという受動的な生い立ちがコンプレックスとして悪い形で噛み合ってしまい、理想とする医師のビジョンを抱けていない。

また、父の威光を笠に着るようなことはないが調子に乗りやすい所があり「積極性に欠いた甘ちゃんのボンボン」と言うのが周囲からの評価だった。しかし、現代っ子らしい軽薄な言動は表面的なもので、受け身だがお人好しで、仕事へのモチベーションの低さも受け身でなったことによる自信のなさから来るもので医師自体を軽んじていない。また、「褒められて伸びる」と軽口を叩いたが正しい叱咤もちゃんと受け止めるなど自分を引っ張ってくれる年長者に懐く傾向にある。

村への赴任直後に担当した患者を誤って気胸にしてしまうというミスを犯し、一人に呆れられてしまうという苦い経験を積む。しかしこれを機に己の未熟さを自覚。以後慎重に事に当たるようになる。

患者の症状の違和感を「なんとなく」察することがあり、その違和感を放っておかずに深く追求する事で隠れていた病症を発見することも少なくない。一人からは患者との交流から違和感を捉える事が「診察」の本質であり、患者に納得されにくい「なんとなく」という曖昧さを正直に伝えられる事も彼の才能の一つだと捉えられている。

未熟ゆえのケアレスミスや横着をしようとしての不備はあるものの、最初の手術以外では大きなミスを犯しておらず、麻上から不思議な人と評されている。

向上心の強かった富永や一也とは異なり積極性に欠けるが、上記の診察の姿勢と同時に勇み足もしない慎重さ、ヒントを与えれば少しずつでも着実に正解へとたどり着く、叩けば響く姿勢は「これまでに会った事が無いタイプ」として一人の教育心をくすぐっている。

当初はT村を辺境の田舎と思い嫌がっていたが、最近では意外と牧歌的な雰囲気の村暮らしに馴染み楽しんでいる節がある。


医師・病院関係者

  • 氷室俊介(ひむろ・しゅんすけ)

N県T村出身で、一人の幼馴染み。

村を出られない一人に代わり、村を出て医師となり、糖尿病の原因となる発症遺伝子を特定した。

白内障を患い、一人の治療を受けるために帰国したが、一族の掟を破って一人が医師免許を取得していた事に激怒して、彼からの治療を拒否していたが、一人が盲点に回り込んで手術したことで、その腕を認め、和解した。

富永も彼に憧れていたが、治療後も診療所に居座っていたために、いつ帰るのかと呆れていた。


  • 道尾忠夫(みちお・ただお)

音羽医風会の麻酔医。

おかっぱ頭でちょび髭という特徴的な外見と周囲に流されないマイペースな性格をした個性的な人となりだが、麻酔医としては「プロ中のプロ」。一人をして彼の前では麻酔を打つのは御免被りたいと舌を巻くほど凄腕の医師。

慰安旅行中に出くわした土砂崩れ事故の際、車の中に取り残された患者を相手に不安定な姿勢のまま腰椎麻酔や硬膜外麻酔を施すという離れ業をしてみせた。

ただし、その不愛想な性格が災いしてか患者に治療の意図が上手く伝えられずに心を閉ざされてしまった事もあり、一人の協力を仰いだこともある。

趣味は秘湯巡りで、秘湯の事になるとこれまでの堅物さが嘘のようにハイテンションで饒舌になる。


  • 相馬有朋(そうま・ありとも)

倉津大学病院で教授を務めていたが、作中のとある事件により死去する。本作の主人公の一人である一也に強い影響を与えた人物でもある。

移植手術の権威だが、患者の完治に拘り、臓器移植制度の限界を嘆くあまり、結果的に同僚の再生医療(まだ実用段階には至ってない)の論文を握りつぶしている。

一つの肝臓で2人分に移植する手術を成し遂げるも、劇中当時の法や倫理的に問題があるとして、極秘裏に行われたが、どこからか漏れ、世論という形で臓器の問題提起が行われた。

その苦悩から、クローン技術の裏組織から移植用のクローン臓器を入手に手を出してしまったが、クローン臓器の矛盾と、パーフェクトクローンの一也との交流で過ちに気付き、組織摘発に協力。しかし、組織の幹部から一也を庇って頭部を撃たれるが、倒れずに幹部達の確保に貢献した。

その遺体からは移植のため臓器を提供に回されており、過ちを犯したが、多くの同僚や弟子から死を嘆かれ、彼の存在は一也に医師の道を歩むにあたり大きな影響を与えた。

彼の行いで倉津大学病院は相当揉めてマスコミからバッシングを受けてしまった。


  • 刈谷俊一郎(かりやしゅんいちろう)

倉津大学付属病院の准教授。

無精ヒゲにボサボサの長髪と、身なりに頓着がなく、論文も怠るものの、不真面目と言うより現場主義であるため

患者には誠実なタイプ。

相馬を尊敬し、彼も現場以外の至らなさは咎められるも医師としては信用されており、刈谷も相馬に強い尊敬を抱いている。

一人の治療で、移植だけでは救えない中で再生医療に希望を見出し、論文作成にも精を入れてより励もうと踏み出すが、相馬の過ちによりその論文は潰され、彼の過ちを暴き、病院へのバッシングで彼の時は止まってしまった。


  • 富永進太郎(とみなが・しんたろう)

富永研太の父で、富永総合病院の院長。

部下に慕われ、患者ともコミュニケーションを取る名医。しかし、頭が固い部分があり、息子を医者にするために野球をやめさせたことがあり、親子の間に溝が生じていた。しかし、息子が医師として成長した姿を見て、和解すると同時に育て上げた一人に感謝するようになる。

息子が帰ってきてからは、院長の座を譲って訪問医療部門を立ち上げて、現役バリバリに現場に出ている。一也がスチューデントドクターとして現れて気落ちした研修医を励ますべく、自身の訪問医療に連れていった。


  • 寺井台助(てらい・だいすけ)

美容整形外科医。

ぽっちゃり系でオネエ言葉とインパクトがあるが、美容整形にあたり手術のみならずそれに伴うメンタルケアも万全な名医であり、一人からの信用も厚い。

健康体にメスを入れるという分野上の性質、美容整形分野の医療ミスによる裁判の多さ、そして寺井自身がキャッチーな広告を多く打ちメディアへの露出も積極的であることから、金稼ぎ目的の胡散臭い医者という偏見で白い眼を向けられることもままある。


  • 安倍川素子(あべかわ・もとこ)

高品総合病院の外科部長を務めていた母性溢れる女性。

高品夫妻と同時期にドイツで医療を学んでいた縁で家族ぐるみの付き合いがあり、多忙な夫妻に代わり息子・龍太郎の世話役を兼ねていた。彼には母同然に慕われている。

院内で龍太郎の後ろ盾として指導をする身だったが、バセドウ病を発症して勇退を決意する。


  • 高岩成司(たかいわ・せいじ)

門前総合病院の医師で、救急医療のスペシャリスト。

学生時代に交通事故に遭い、KAZUYAに治療される。治療の過程で、脳動脈瘤破裂に至る可能性がある血管が発見されるも当時の技術では治療困難であったため、KAZUYAからNo.2のメスを託される。その後、自らも医者となったが、脳動脈瘤が急に大きくなるが、治療の後遺症を前に、治療せずに動脈瘤が破裂するそのときまで医師の使命を全うしようとする。メスの存在を知った一人によって新たに確立された治療法を受け、その後も医師として活躍している。

その後、マントを受け継いだ一也が救った患者を急患として受け入れ、マント姿の男が処置した話を聞くと、新たなKの存在を実感した。


  • 双葉(ふたば)

高品総合病院の診療看護師の女性。

仕事の姿勢は真摯かつ冷静。目付きが鋭く一見おっかなそうに見えるが、高品院長を尊敬して彼の言葉に感涙の涙を流すなど、感情表現は豊富な方で宮坂さんとは違う意味でネタに溢れる女性である。

現役のボディビルダーであり、白衣の下には見事な筋肉を有している。

同僚の斎藤が東医体の剣道女王であることを知るや心構えを聞きに行ったり、プロレスラーの患者が退院したあとに自腹でチケットを工面してまで同僚全員を誘って復帰戦を観に行こうとするなど、スポーツとその精神に対しての造詣が深い。

真面目さ故に厳しいところがあり、腕がおぼつかない研修医には練習を促したり手伝ったりするが、やる気が希薄な龍太郎にはやや辛辣。


  • 冴草克之(さえぐさ・かつゆき)

非合法の堕胎手術などを引き受ける闇医者。上記の名前も偽名で幾つもの顔と偽名を持つため、本名は不明。

「違法でも必要とされ、患者に感謝もされてる」と言うスタンスであり、法整備が整ってないなど、法の制約だけでは救えない医の暗黒面から見れば詭弁とは言い難いが、一方で金儲け優先の上に、依頼側の非につけこんでアフターケアは適当に済ます悪辣さを持つ。とは言え、代理母斡旋がクローン臓器に関わっていれば(SFものと違って、一度出産したクローン人間を殺して臓器摘出するため)顔を青ざめて引き受けなかったと弁解したり、一人と岡元に救われた恩に報いるために協力するなど、彼なりの一線は弁え、腐りきってはいない。

違法な堕胎手術を追う岡元と、その捜査に協力した一人の活躍で逮捕された。

その後、裁判で執行猶予に持ち込んだが、手術を依頼した患者の逆恨みに遭い、クローン臓器の密輸密造に関わる調査していた一人と岡本に命を救われ、自分が引き受けた代理母の調査に協力するが、組織の追っ手から逃れるべくフェードアウトし、村井の改心で組織が暴かれた後に一人たちの元に訪れ、別れを告げた。


  • 野々原隆史(ののはら・たかし)

くたびれた印象の中年の医師。

児童の支援施設めだか寮に昼夜を問わずボランティアで訪れている医師で、めだか寮では子供達に慕われ、限界ギリギリの施設の現状を憂いている。

しかし、勤務する病院での評価は、人付き合いも悪く患者との接し方も横柄で、評判が悪く疎まれていたため、自分が慕われるめだか寮が心地良く、見捨てられた施設に手を差し伸べると言う偶像に酔っていただけで、陰で定員を超えためだか寮の子供を毒を使わず輸液で殺していた。そのため、自分が慕われることがなくならないために、病院が当番制でめだか寮を支援したり、めだか寮の現状が改善されることを望んではいない。

母を失って旅に出た一也が、猛毒の雑草を食べためだか寮の子供を救ってめだか寮に身を寄せ、死者が出続けていことを知って調査する内に、めだか寮と病院との評価のギャップ、めだか寮で読み聞かせの本の内容をヒントにした一也に全てを暴かれ、逮捕された。


  • 朝原省吾(あさくら・しょうご)

朝倉優吾の息子で、前々作で母胎内で水頭症を患い、KAZUYAの治療を受けた胎児。そのため、本格的に登場したのは本作から。

アメリカで医師となり、譲介のスカウトで日本に来日した。

産まれる前に死していたかもしれないことに負い目を抱き、多くの命を救うことヵ生き延びた義務として、医師となったが、脳疾患の患者を前にすると頭が疼くトラウマを抱えている。

自分は父やKに及ばない凡人だが、最新機器を使って確実に治療することを信条とし、設備が追いついてない現状を正したいと考えている。

海外育ちのために日本独自の医学に疎かったり、竹細工に興味を持ち、自分の作品を作りたいと弟子入りした。

譲介の海外行きと共に、アメリカに帰っていった。


  • 末次利八(すえつぐ・りはち)

秋田で末次医院を開業している町医者。

一也の学友の緒形が、コロナが流行り秋田に帰省した時にその手腕に感動して、彼の下で学びたいと決意するが、末次医院自体は個人の小さな開業医なので、近くの総合病院への研修を勧め、時折末次医院に通う形でマッチングをサポートした。

優れた総合医であり、特に患者と病の付き合い方に関して患者の言葉に耳を傾け、適確に返答し時に厳しく言い聞かせる深みのある人間力を持つ隠れた名医。


帝都大

  • 深見武彦(ふかみ・たけひこ)

大病院の院長の息子で、ラグビー部に所属している文武両道の青年。初期は上昇志向が強い典型的な二代目キャラに見えたが、根はお人好しで、出会った時に誤診だったが倒れた緒形を心配したり、解剖実習の時には大泣きしていた。

一也の学生に見合わない医療技術と知識に疑問に思いながらも友人として接していたが、船医手伝いのバイトに参加した際、密輸グループに船を乗っ取られる事件が発生。銃解体など、修羅場において普通ではない行動をした一也に、疑問は膨らんで彼を調べ出すが、譲介の脅しを含めた説得とT村での経験により保留することにする。その後ストーロジ・ジーズニの事件で一也の出生を知っても友人として態度を変えず、同期のライバルであり友人として接し続けた。

同期の中では患者になるエピソードも多かった。

大学卒業の頃には、仲間から反抗期と揶揄されながら父の病院以外の病院のへの勤務を希望していたが、父の姿勢を理解して、父の病院に行く決意をする。


  • 仙道安人(せんどう・やすと)

チャラく軽薄な、一也の友人内のムードメーカー。

普段の言動に反してナイーブな面があり、優秀な同期達に劣等感を抱き一度は退学を意識した事もあるが、集団食中毒騒動が起きた際に偶然自分だけが無事だったことで皆を救う事が出来、これが自信となって勉強に追われながらも立ち直っては粘り続けた。

最終的には、試験中に泣きだす者も居たというほど難しかった戸倉教授の卒業試験を同期共々満点でパスするほど学業も優秀に修めている。

在学中に父が他界。当初は病死かと思われたが、監察医・岩動瀧造の司法解剖によって実は死ぬ前に暴行を受けた事が原因であるとわかる。この事がきっかけで、亡くなった人間は帰ってこないが何故亡くなったのか、何が原因だったのかが判明することで遺された遺族の心の整理に繋がる事を実感し、法医学の道を目指すようになる。


  • 緒形俊司(おがた・しゅんじ)

秋田出身で訛りがあり、当初は恥ずかしがって隠そうとしていたが、最初に立ちくらみで起きた騒動が元で馴染めたのもあって、気にすることなく話せるようになる。

落ち着きがある温和な性格だが、雪国育ちだがスノースポーツが苦手であることにコンプレックスを持つ。また、雪国暮らしの偏見には不満を爆発させたり、言うときは言う。

手先が器用で、自炊して料理にハマり、魚を捌く程となり、その器用さを活かして外科を志す様になる。卒業後は、コロナで地元に帰った際に地元の町医者の手腕に感動し、彼の元で医師として学びたい旨を伝えた結果その伝手で地元の総合病院にマッチングした。


  • 斉藤由貴(さいとう・ゆき)

サバサバし、正義感が強い女傑。

学生時代は剣道部に所属し、患者との確執で病院に忍び込んできた暴漢を相手に単独で叩きのめすほどの腕前。

在学時代から成績優秀で技術、知識共に申し分のないオールラウンダー然としていたが、絵が壊滅的に下手という弱点を抱えている。彼女の絵を見た人達は、友人はおろか教授からすらも笑いもからかいもされずにドン引しそっとされるという、ある意味イジられるよりも手厳しい扱いを受けている(本人も下手なことは自覚している)。

卒業後は、高品院長夫人の遠縁だったことから、高品総合病院に勤務。

院長の息子・龍太郎とトレードされる形でT村に居た一也と宮坂が高品総合病院に来たため、一也サイドを描く話ではほぼ登場する準レギュラーとなった。


  • 青山今日子(あおやま・きょうこ)

小柄で、温和な性格。

友人内では一歩引いた立ち位置におり目立つタイプではないが、医療に対しては真摯で優秀。

学生時代に陸上部の練習へ臨時救護班として参加した際、倒れて気を失った生徒を前にパニックになってしまい慌てるばかりの"傍観者"になってしまったという苦い経験を積み、その反省を生かして後に同じような状況に遭遇した際には、同期の宮坂、斎藤ですら呆気にとられ動けない中でいち早く声を上げ行動するという成長を見せた。

また、同期の友人らが怪我をした子供を前に喧々諤々と症例を議論し合う中、まずは子供の目線に立ち警戒心を刺激しない事から入った彼女は「殺気を消すことができる」と評され、このことを切っ掛けに小児科の道に進むことを決意する。

卒業後は目標通り小児科にマッチングして研修に励んでおり、時には先輩医師やベテラン医師を相手に毅然とした態度で物申すなど精神的な成長も見られる(その所為で研修同期からは”番長”とあだ名されてしまい、本人は心底嫌らしい)。


  • 安田亨太(やすだ・こうた)

1話限りのゲストなのだが、(悪い意味で)インパクトを残し、その顛末から、名前は覚えてなくても後述のストラップの素材と調達元から読者からの印象が強い。

人体解剖実習でふざけていた学生。

実習後も、検体に涙する深見をからかい、挙げ句に検体の爪を持ち出して作ったストラップを見せびらかしたことで、同級生たちから唖然とさせた。そのことに激怒した一也に、帝都大で検体となり提供してくれた人たちの慰霊碑の前で叱咤され、己の過ちを悟って震えだし、その後に退学届を提出した。

余談だが、死体解剖保存法で実習用の検体は「遺族の承諾を得た上で」標本として臓器を保存できるが、検体は全て遺族に返すのが原則で、勝手に持ち帰った彼の行いは刑事罰こそないが、違法行為である。


警察

  • 岡元(おかもと)

第1話から登場した刑事。サングラスを愛用し、肥満気味だった。娘が1人いる。

健康な人間に嘘で無用な治療を施し、薬を与えて荒稼ぎする悪質な無免許医者によって妻を喪い、無免許医者を憎み、無免許医者だった一人を追っていたが、彼が技術も志もあることを知ってからは逮捕を諦め、医師として信頼して医療絡みの事件ではアドバイスや協力を求めるようになる。

妻を奪った悪徳医師が捕まらない焦りから生き急ぐような生活を案じた娘から相談を受けた一人に、肥満治療を知らずに受けさせられ、痩せることに成功。娘の交際も知らされ、落ち着きを取り戻す。

話のシフトが一也になってからはほとんど登場していない。


破留島の住民

  • 神代一郎(かみしろ・かずろう)

行方知れずとなっていた、一人の父。街中で交通事故に遭った妻(一人の母)を、己の技術的には可能であったが、医師免許を持っていなかったがために救えなかったことから、己の存在に疑義を抱き、T村から姿を消した。

一時はクローン臓器の密造裏組織に所属するが、組織の方針に気付いて悪事に手を付けずに抜け出し、放浪の果てに、第三のKの一族・神津家がいる波留島へと辿り着き、父を亡くしたばかりの神津家の末裔・海と出会い、無医村となった波留島に駐留していた。

妻を亡くした過去から、己を師と慕う海と一定の距離を取っていたが、一也の来訪をきっかけに、彼女を医師として鍛える決意を抱き、神津家の後見人となる。

どう言う経緯か、一也の境遇や故郷の様子も把握しており、カルト教団「ストロージ・ジーズニ(命の番人)」が一也の抹殺のため暴走したのを知り、ロシアへ赴き単独で壊滅させていた。


  • 神津海(こうづ・かい)

波留島に住む、Kの一族の一つ・神津家の少女。

島唯一の子供で、島の地理に詳しく炭鉱内の抜け道も把握している。

大雨の日に自分の外出が原因で父・一友を亡くして失意に暮れていたところ、父と同じKの一族の医師である一郎と出会い、彼に認められようと奮闘する。

幼い頃から一友の医療行為を見学しており、また一郎のそれも見ていたため、独学で医療知識を会得している。


  • 神津一友(こうづ・かずとも)

波留島に居を置くKの一族・神津家の当主であった男性。海の父親。

波留島は炭鉱が栄えた島であり、そのため塵肺による健康被害が発生していたため、神津家はその治療に尽力した一族である。

ある大雨の日、炭鉱から出られなくなった海を助けたが、自身は泥流に呑み込まれて命を落とした。


その他の登場人物

  • 竹宮穂波(たけみやほなみ)

日読新聞の記者。

張っていた政治家の病院に潜入しようとして一人と出会う。当初は強引に入院しようとして、うっかり本当に腕を骨折して入院してしまうが、堅物の一人に苦手意識を抱く。しかし、本当の病気に気付いた一人の治療を受け、更に彼の計らいでスクープをものにする。

その後も周囲の人間が一人の治療を受ける縁があり、彼に好意を抱いたものの、一人とマスコミの接点が生じずにフェードアウトしていった。


  • ラスカー・ジリノフスキ

前作で登場した一昭の配下。本作にて名前が判明した。

ロシアで一昭の墓守となったが、クローン技術を国が放っておかず、研究のお目付役となっていた。

しかし、「ストーロジ・ジーズニ」の暴走で、研究員を殺され、更に研究データから一也に標的を定められた事で、ビクトルを留学生という身分で護衛として日本に派遣し、自身も日本に訪れ、KEIたちと合流して、一也の護衛と事件の鎮圧に協力する。

前々作で真っ向勝負ならKAZUYAとTETSUを圧倒した男で、本作でもボディアーマー装着があったとは言え銃撃されても怯まず、その戦闘能力は健在。


  • ビクトル・アントノフ

ロシアから帝都大に留学してきた医大生。

アニメ好きで、柔道家の親日家で、車のバッテリーでAEDの代用もこなす機転も持つ。

実はラスカーが、人のクローン一也の護衛のために派遣され、一也やKEIと接点を持つべく行動する。

双子の兄弟のバレリがストーロジ・ジーズニに所属していることに心を痛めている。



  • バレリ・アントノフ

ビクトルの双子の兄弟。

幼い頃に貴族の養子となり、医学生の道を歩み、同じく医学の道に進んだビクトルと再会する。

双子でありながら、富裕層に引き取られて何不自由なく過ごした自分と、極貧生活を強いられたビクトルとの境遇の差に憤りを覚えていたために、ストーロジ・ジーズニの理念に取り憑かれ、文明の発展こそ誤りだと言う結論に飛びついてしまった。

しかし、人としての良心は失っておらず、まだ尖兵として殺人にまでは手を染めていない。また、医療で助かる命とストーロジ・ジーズニの教えとの矛盾に戸惑う姿も見せる。


余談

作者の趣味か、一部のキャラクターの名前が、スーツアクターに由来していると推測されている(富永研太→富永研司、高岩成司→高岩成二、岡本→岡元次郎など)。

シン・仮面ライダー』公開時に配信された445話では、紺郷タケシ十文字勇人が登場した。

また、246話においてゲルバデス級航宙戦闘母艦に由来すると思われる病院が登場するなど、宇宙戦艦ヤマト2199のネタも散見される。

一方、作者の趣味である野球ネタはかなり控えめとなっている。


関連リンク

コミックDAYS連載ページ(最初2話と最新2話が無料購読可)


関連タグ

スーパードクターK

ギュッ K2構文


ヒメノ・ラン…本作の無料公開キャンペーン中に放送開始した特撮ドラマのキャラクターで、医者としての一面も持つことから、彼女のセリフに「ギュッ」をつけたり、K2風に改変する遊びが流行った。


ブラック・ジャック…別の出版会社の漫画、無免許医やアウトロー医者がいるなどの共通点があるが、ブラック・ジャックは個の非合法のアウトロー、K2は公認の医療全体のスーパードクターという似て非なる部分がある。

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