概要
『K2』169話「拒絶(前編)」から登場した女子高生。この作品のもう一人の主人公である黒須一也のクラスメイトであり、親しい友人。
容姿は大人用の自転車のペダルに足が届かないほど手足が短い低身長な体型、おかっぱの髪型、年々長くなっている頭頂部のアホ毛が特徴的な眼鏡っ娘。顔つきも美少女としては描かれておらず、かと言って不細工とも言えない絶妙なラインで、年頃の女性としてはどうかと思われるほど壮絶な顔芸を披露する事が多い。
性格は負けず嫌いで、見た目に反して豪快な言動を見せる。特に反骨心をバネに努力する気質で打たれ強く、失敗に一時は挫けてもめげたりせず次の過ちにならないよう教訓としたり、帝都大学合格時には自分が医学部底辺の知能と言う戒めの下、這い上がりの意味を込めて昭和の木造建築の様なアパートの部屋を借りるなど、たくましさも垣間見せる。
また、一也がからその出生の秘密を聞かされても、クローンであることや父KAZUYAと言うフィルターも通さず等身大の人間として向き合える数少ない存在である。
手先が器用なので刺繡を趣味としており、優れた縫合技術を有している。更にその技術や知識を活かし、意図せずに応用し、一人や一也を驚愕させるほどの発想を見せることもある。
自転車にも乗れない小柄な体格のため、運動能力は高くはないが、スキー旅行で早々に滑れるようになり、同級生から「意外な才能」と評されたが、経験が未熟なまま上級者向けコースに挑戦した結果、足を挫いてしまった。
登場当初は単なるゲストキャラの患者のような扱いだったが、171話「拒絶(後編)」で一也を治療する活躍を見せてからは、「医師を目指す次世代の若者」として物語に大きく関わっていく。また、自身の出生に思い悩む一也の心を救い、医師として彼と並び立つべく努力する姿が描かれている為、読者からはメインヒロインかつ女性主人公とも言われている。
作中での活躍
高校時代
高校一年生時、休み時間に教室で器用に刺繍をしていたことで、外科縫合との共通点を感じた黒須一也から関心を抱かれる。重度のたまごアレルギーだったが、一也の紹介でスーパードクターKこと神代一人の診療所へ入院し、減感作療法を受けたことで念願のスイーツを食べることができるようになった。退院日に巻き込まれた事故で一也が負傷した際、刺繍の道具と技法で血管を縫い合わせる緊急処置を行い、一也の命を救った。それを機に救命の意義を感じた彼女は、国立大学の医学部を目指すようになる。
二年生進級後、アメリカ留学を打診された一也は自身の出生と進路に関する悩みを抱き始める。そんな中、診療所付近で大事故が発生、多数の負傷者が出る。やむなく一也の助手として手術に参加する事になった詩織は、一也の口から彼がK一族の宿命を背負っている事、そして先代スーパードクターKのクローン人間であることを明かされる。なおも苦悩を吐き出し続ける一也に対し、詩織は「君は黒須一也くん」「私の友達」と即答。同じ17歳を生きる彼女に黒須一也としての人生・存在を肯定された彼の心は大きく救われる。更に詩織の「ずっと君と一緒にいたい」という願いを聞いた一也はアメリカ留学を断り、彼女と共に医師の道を目指す事を決意したのだった。
大学時代
奇跡的に帝都大学医学部現役合格を果たした詩織は、一也に加えて入学当初に出会った同級生5人達と共にキャンパスライフを過ごしていく。
楽しい日々が続くかに思われていたが、クローン技術を否定するカルト教団「命の番人」が一也の命を狙ってテロ事件を起こす。事件の中で一也の母・麻純と交友を深めた詩織だが、麻純は詩織の死を予知。彼女を事件から遠ざけるべく故郷へ隠遁させようとする。しかし、詩織は一也を護る為に独自の行動を開始し、結果的にそれが死の運命を覆すきっかけになった。
事件後、一也と詩織を庇って命を落とした麻純の死を乗り越え帰郷した一也と再会し、一人の診療所を手伝いながら修行を積んだ詩織は、主席レベルの優秀な成績を収めて大学を卒業した。
研修医時代
詩織は研修先として一人の診療所を選び、研修医とは思えないほど高い実力を更に磨いていく。研修二年目からは一般的な医療現場を知るべきだという一人の配慮により、K一族と関係が深い高品総合病院での研修を開始。3年目以降の後期研修でも一也と共に研修に励んでいる。
余談
一也に分かりやすく好意を寄せられており、距離感も下手なカップルのそれを飛び越えてほぼ0に近いのだが、出会って10年近く経った2023年現在もまだ付き合っていない。周囲も時折「どうしたらこいつらをくっつけられるか」やきもきする事があるのだが、詩織本人がただでさえ鈍い上に一也を異性以前に医師として対抗心を燃やしているフシがあり、一也も一也で超奥手であるため、一也の恋路は前途多難どころではない。
関連タグ
小島尊子 ……熱血最強ゴウザウラーのキャラクター。おかっぱ、眼鏡っ娘、低身長、白衣キャラと共通点が多い。更には宮坂さんには彼女の中の人と同姓同名の友人が居る。
ピノコ ……ブラック・ジャックのヒロイン、背が小さい、手術の腕前が良く助手をしていることに共通点があるが、相違点があったりする。その中には通学した宮坂に対しピノコは出生と体質の理由で通学できないため、宮坂は学校に通った公認の医者でピノコは学校を受けていない非合法の医者と対になっている。