概要
N県T村に赴任してきた西海大学所属の若き医師。実家は富永総合病院という病院。
医者の家系に生まれたお坊ちゃんだが医者としての熱意は強く、過疎村への赴任を志願した熱血漢。T村で出会った無資格の医師・神代一人に不信感を抱くも、彼の腕前や人間性に影響され彼の実質的な弟子としてT村で過ごすことになる。ファンからの愛称はトミー。
まだ若い為か技術的、知識的に欠けるところがあったが(とはいえ一人を始めとするベテランの医師が比較対象のため彼も最初期の時点で足りないのは経験位である)、一人から多くを学び優秀な医師として成長していく。医者としての精神性もすさまじく、T村にきて間もなく子供を救うため違法手術に参加するなど精神性は最初期にほぼ完成していた。自身の能力を過小評価も過大評価もしないタイプで、自身の技術では無理と判断したら恩人であっても他者に任せる判断をし、逆に自身で対応可能と判断した際には難手術でも成功させるなど見極めの能力も高い。その一方でコメディ的な言動が目立つムードメーカーでもあり、前作の高品龍一に相当する狂言回し的なキャラクターと言える。
また、もう一人のKである黒須一也からは兄貴分のように慕われており、一人との関係も数多の医療現場をくぐり抜ける中で、弟子であると同時に唯一無二の戦友のようなものへと変わっていった。一也を狙うクローン臓器密売組織との戦いでは、送り込まれてきた刺客を僅かな失言から偽医者と見抜き、スライディングキックで薙ぎ倒すといった荒事にも対応している。
長らく準主人公的な立ち位置で活躍していたが、『岐路(187~192話)』において、海外の著名な医師からスカウトされる出来事、そして実家の入院患者を治療したことをきっかけに西海大学を辞職。実家を継ぐためKの診療所を去った。
以降の活躍
村を去ってからも一人との親交は続いており、『無駄なき人生(232、233話)』では一人に未経験症例の執刀を依頼したほか、地方病院としての在り方や決意を語っている。ただ、同時期に物語の主軸が一也の大学生活へ移った為、富永が登場する機会も途絶えていた。
しかし、スチューデント・ドクター編(354~368話)で本格的に再登場。母の死に傷心し放浪していた一也をインターン生として迎え入れた。父親から院長の座を継いでおり、アクの強い部下の医師たちを纏め、慕われるなど人間的にも成長した姿を見せている。
村を離れてから7年間のうちに担当した手術は約800件以上(およそ開腹450/鏡視下350)。
名目上の専門は「一般外科」ということになっているが、脳、胸部、腹部、整形、循環器、消化器内科まで全てこなしてしまうほど熟達しており、専門医ですら舌を巻くほどに頼もしい医者へと成長した。
ただし同時に治療のための投資に遠慮も躊躇もしないというある種の悪癖も開花してしまっており、最先端手術に必要な非常に高価な医療機材を次々と導入しては病院の財政を圧迫し、父に渋い顔をされている(だがそのおかげで出来る治療と救える患者が増えていくので長期的に見ればプラスではあり、そのため父も黙認はしている)。
正確な年齢は不明だが一人とほぼ変わらないらしい。『バディ(457~459話)』で久しぶりに一人と再会した際には二人の関係性が改めて掘り下げられたほか、後進の育成に関する悩みを共有し、今後はより連絡を取り合い協力関係を深めていくことを約束している。