概要
『Fate/GrandOrder』におけるラーマとシータのカップリング。
原典である古代インドの民族叙事詩「ラーマーヤナ」において、実際に2人は夫婦である。
…しかし、この二人が寄り添う光景は現実には決して叶わないのだ。
その原因は、生前のラーマが猿同士の抗争に介入した際、味方の猿であるスグリーバに助力する為とはいえ、敵対する猿のバーリを騙し討ちにした事でバーリの妻の怒りを買い、ある呪いを掛けられてしまった事に起因する。
――貴方はたとえ后を取り戻すことができても、共に喜びを分かち合えることはない――
実際に原典ではラーマはシータを魔王ラーヴァナから救い出せたものの、彼女の貞潔に疑いの目を向けた民衆を納得させる為にやむを得ず彼女を追放し、その後シータはラーマが申し入れた貞潔の証明をするため大地に身を投げ、ラーマは愛する者を永遠に失う事となった。
更にこの呪いは2人が死後に「英霊の座」へ至っても「ラーマとシータは英霊の枠を共有する」という固有の制約として続き、これによって聖杯戦争で"ラーマ"と言う英霊を召喚した場合は、ラーマかシータのどちらかが"ラーマ"として召喚され、2人が同時に召喚されることは決して無いのである。
それ故死して尚、どんなにお互いが願おうともラーマとシータは決して会う事が出来ない、互いに視界に捉える事すら出来ない(出来るのは片方だけ)という余りにも残酷な呪いだった。
二人の姿が双子の様に似ているのは、元々でなければこの呪いの影響と思われる。
『Grand Order』第五章では、召喚場所さえ離れていたものの共に現界。
ラーマは人類史の焼却という歪んだ状況ならば愛する妻との再会が叶うかもしれないと思っていたが、やはり呪いからは逃れられず、瀕死の重傷を負っていたラーマの目が見えない状況で言葉こそ交わせたが、彼が目を開けた時には既にシータはラーマを救う為に消滅していた。
上記の場面は殆どのプレイヤーの涙腺にダメージを与え、2人の願いを叶えるべくシータの実装を願わずにいられなくさせた。
その後、ラーマが本編に再登場するインド異聞帯においても再会は叶わないまま時が過ぎた頃、2020年9月下旬実装の『Fate/GrandOrderArcade』第五章においてラーマの代わりにシータが登場することが判明し、ファンの間ではシータ実装を喜ぶ声と同時に「離別の呪いをこんな形で再現するのか」という感心も入り混じった悲嘆の声が上がっている。
余談
上記の様に現時点ではFGO作中におけるラーマとシータの再会の可能性は著しく低いが、そういった制約が緩いTYPE-MOONキャラ総出の日常系スピンオフ作品『ちびちゅき!』では、仲睦まじい2人の姿を見ることができる。⇒情報出典
なおシータのアーケード登場により、本家アプリへの実装を諦めたり遺憾の意を示す声も多いが、特殊条件での同一人物であることや世界線の問題で互いを知覚できないサーヴァントが既に数組いる。
そして特異案件とはいえ1部5章で「離別の呪い」が発動しながら、先の「視認できない」状態で両方とも召喚されていたことを鑑みれば、共存は出来ずとも併存は可能と考えることも出来る。もちろん、その可能性があったうえで実装されない可能性もある。
全ては公式ときのこの匙加減になるが、何事も早計に騒ぎ立てるべきではないだろう。
ヴァールミーキ版『ラーマーヤナ』においてふたりの離別を記した7章(ウッタラ・カーンダ)ではシータを失い嘆き悲しむラーマに対し、ブラフマーがラーマの本源がヴィシュヌである事を思い起こすように言い、彼が死後天界に戻り本体たる神への回帰の後シータと再会する事を予言した。そして7巻の結末において、予言通り生涯を終えたラーマは天界においてヴィシュヌと一体となる。
タイ王国におけるラーマーヤナを元にした叙事詩である「ラーマキエン」では、シータが竜神王国に留まる間にラーマは善行を積み、それを見ていたシヴァ神の仲裁により、二人は再び結ばれている。
仮にこうした逸話を英霊の座に持ち込めるなら、「離別の呪い」に対する何かの拮抗要素になり得る “かもしれない” 。
そして2023年ゴールデンウィークにFGOACとのコラボイベント開催が決定。
アーケードサイドのサーヴァントとしてシータも登場したものの、残念ながら三度実装は叶わなかった…。
だが、その代わりとしてイベント限定の「ACサーヴァントの効果を自軍の出撃サーヴァントに付与出来る」仕様によって、自軍のラーマにシータのコマンドサポートを設置可能なことが判明。FGO中もっとも二人の距離が近づいた時となった……
関連画像
関連項目
Fate/GrandOrder ラーマ(Fate) シータ(Fate)
夫婦 カップリング Fateシリーズのコンビ・グループ・カップリング一覧