概要
英国発のホラー小説。
謎の図書館の館長である美少年、ニック・シャドウ(表紙に描かれている銀髪の少年)が毎回、様々なホラーストーリーを紹介するオムニバス形式の小説。
その話は、何処にでもいる平凡な少年少女たちに突然恐怖が迫り、最悪な物語の結末を迎えることが多い。
ようこそ。
わたくしの名前はニック・シャドウ、
“真夜中の図書館” の館長です。
この古い書庫に保管している選りすぐりのおそろしい物語を紹介しましょう。
ページをめくるのに勇気がいるかもしれません。
なにしろ、最悪の結末がまっているのですから……。
それでもあなたはページを開きますか?
イギリス原作版
出版時期は不明だが、複数人の書き手に寄って物語が執筆され、それがニック・シャドウと言う作られた存在の手により二・三話一纏めで本作が製本された後に「THE MIDNIGHT LIBRARY」と題されて出版される。
内容について
表紙は単色に蜘蛛や骸骨等のシンプルな絵柄で装調され、語り手等のニック・シャドウの姿は表紙にすら勿論一切無く…文章解説のみの登場だか、どうやらおじいちゃんの口調らしい。
また、第13巻「呪いのマスク」の例がある様に…後半の巻に拠っては1話を前編・後編に分けて1冊に閉じた特殊な巻が存在する。
本作
2008年に日本で第1巻「声がきこえる」が出版。
日本とは違う西洋の独特な世界観のホラーと上級者向けな内容、日本独自の睦月ムンク氏がデザインした表紙のニック・シャドウ(メイン画像)に引かれて購入したファンが後を絶たず、後に日朝のテレビCMにも出演している。
2009年辺りに第15巻「血のドレス」が出版されたのを最後に、現在続報や新刊の情報は一切無い。
内容について
表紙と最終ページの挿絵、最初のページに書かれた自己紹介以外に彼が登場する事は一切無く、表紙で一目惚れした末に購入してガッカリしたファンも正直多いだろう。
それでも十分に読み応えの有るストーリーに惚れて続編を購入したファンが後を経た無かった辺り、流石ホラーとブラックユーモアの本家・イギリスで有る。
クリスマス特装版
その絶大な人気さにより同年の冬頃には上記のCMに出演した声優の皆川純子氏が本誌を朗読して彼の声を担当したドラマCD入りのクリスマス限定装飾版の本が2種類に分けて発売。
館長本人も普段の焦げ茶色のコート姿とはうってかわり、赤いコートに白いマフラーと厚手の手袋を嵌めたスタイルと、ワイシャツに茶色いベストを羽織った本作唯一の手袋無しのスタイルの2種類が存在する。
但し…出版社が倒産し、本作が絶版になった現在ではその希少性から古本屋やネットオークションにも出回らず、入手がほぼ不可能である。
正直言ってハロウィンでも無く、子供が希望に満ち溢れてワクワクと期待する様なクリスマスに敢えて血も凍る様な恐怖をプレゼントする辺り、本誌の中には一切出ない彼の意図が窺える気がしないでも無いが…。
ふふっ、クリスマスって不思議と
ワクワクした気持ちになれますよね…?
ところで話は変わりますが、
私がじっくりと時間をかけて選んだ
選りすぐりの "贈り物" …
あなたは気に入って頂けましたか?
漫画版
様々な漫画家様の手によって原作の10巻までが漫画化されている。
上記のクリスマス特装版同様、現在は絶版しているので此方も入手は不可能に近いが…ネットオークションで見かけやすい分まだマシと言える難易度ではある。
内容について
本作の描写が一部省かれて居たり、漫画化されてはいない巻はあるものの…本作には無い物語の一話ごとに彼が独自の前置きとあらすじを此方側に対して妙に煽る様に絶妙な語り口で語ってくれるのである意味必見である。
みらい文庫版
2012年辺りに集英みらい文庫より改めて出版。
イラストレーターの一橋真氏の手により新たな外見に変化し、タイトルも「真夜中の図書館」と銘打って再び登場を果たす事になる。
どうやら真夜中の図書館の下に有る部屋にひとりぼっちで暮らしているらしい…。
内容について
本作の真夜中の図書館にと比較すれば、此方側は比較的中の挿絵が多く、漫画版に有った様なグロ描写に関する挿絵は一応避けられて制作されているので大分読みやすく成ってはいる。
自分は著者ではなく、怖い物語を集めているだけさ
公式絵師
ちなみに本作の公式イラストレーター、睦月ムンク氏のTwitter及びpixivアカウントが存在し、そちら側で黒髪の彼やその裏資料及び・彼女が描いた非公式の落書きを垣間見る事が出来る。
どうぞお読みください……読める者なら!
イベント
2009年に渋谷で開催されたイベント「なんじゃハロウィン」にて声優の皆川純子氏が主催を務めたニックシャドウのスペシャルトークと朗読会を含めたイベントが開催された模様。
現在、再び開催される目処は立って居ない。
関連画像
類似タグ
ニック・シャドウ:pixivで本項に関連した投稿作品を多く漁りたいならば此方のタグでの検索を勧める。
世にも奇妙な物語・世にも奇怪な物語Xゾーン・魔石商ラピス・ラズリ・怪談レストラン・本の怪談:オムニバス形式且つ、男性のストーリーテラーが登場するホラー作品繋がり。特に後者二作は児童書で、その内の最後はタイトル通り本が関わる。なかでもこの2人は感性が一番彼に似ている……。
絶叫学級・ショコラの魔法・地獄少女・アウターゾーン:どれも図書館や本こそは関わら無いが、此方もオムニバス形式且つ女性のストーリーテラーが登場するホラー繋がり。
作品内容は少女漫画版のニック・シャドウ案件が大半を占め、中でもこれが本項に一番内容が近い。 (⚠︎︎ぶっちゃけ全作揃って化け物よりも身近な人間が一番怖いタイプの色々ヤバい作品)
Goosebumps:似たような内容の作品。こちらはモンスター系といった所だろうか。
真夜中の配達人こちらは公式絵師と出版社が共通した類似ホラー作品。
この記事の編集作業に協力して頂いた"秘密機関"の関係者に心からの感謝を込めて…