概要
「札幌市営地下鉄」とは北海道札幌市の公共交通事業部門である、「札幌市交通局」が運営する地下鉄路線の総称である。
札幌市を東西または南北に結ぶ3路線が存在し、環状線は存在しない。いずれも通常の鉄輪ではなく、ゴムタイヤと案内軌条による走行システムで、システム自体は新交通システム(AGT)に近いものとなっている。導入に当たっては同じくゴムタイヤ式だったフランス・パリの地下鉄が参考にされたが、独特な形式から「札幌形式」とも呼ばれる。
ちなみにゴムタイヤ式とした理由は、地下鉄と入れ替わりに廃止される札幌市電を代替できるように札幌市が駅の間隔を電停並みの300mと想定していたため。ゴムタイヤ式は騒音が少なく、加減速性能を高く出来る反面、JR北海道をはじめとした他の交通機関との相互乗り入れができない、トンネル断面を大きくしなければならず建設コストがかさむ、走行抵抗が大きいため電力消費が多くなるなどの難点がある。
また、2019年2月から、対向式ホームの駅(真駒内駅、南郷7丁目駅は例外)で、列車接近メロディーとして虹と雪のバラードのサビ部分をアレンジしたメロディーが流されるようになった。
路線
現在運営中の路線は3つ。
南北線
麻生駅〜真駒内駅間14.3km 1971年開業
札幌市営地下鉄初の路線。開業翌年の札幌オリンピック開催に合わせて建設された。
南平岸駅~真駒内駅間は旧・定山渓鉄道の跡地を買収して高架方式で建設されている。このため、地下から高架にあがる平岸駅~南平岸駅間には最大43‰もの急勾配が存在する。冬場の雪対策の為、この区間はシェルターで覆われている。
国内でも数少ない「黒字経営の地下鉄」でもある。
ラインカラーは緑(ライトグリーン)。運行されている電車は5000形。
東西線
宮の沢駅〜新さっぽろ駅間20.1km 1976年開業
札幌市営地下鉄の2番目の路線であり、最大の総延長を誇る。
東豊線
栄町駅〜福住駅間13.6km 1988年開業
開業当時は栄町地区が畑のど真ん中であり、「政治路線」と揶揄された。
東西線の二十四軒駅~西28丁目駅間にある西車両基地に東豊線の車両が所属しているため、通勤・通学ラッシュの少し前の時間帯(朝6時台~7時台前半、午後4時台)西28丁目駅から西11丁目駅までの間、「回送車」として運行する東豊線を見ることができる。
近年は、福住駅近くに札幌ドームが出来、北海道日本ハムファイターズの本拠地移転に伴い、イベント・試合の度に駅から行列ができていた。また、嵐や関ジャニ∞のコンサートがあると、東豊線だけ特別ダイヤで運行する。
ラインカラーはスカイブルー。運行されている電車は9000形。
運賃
区数 | キロ数 | 乗車料金 |
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1区 | 初乗り - 3 km | 210円 | 330円 | 340円 | 370円 |
(2)区 | 4km - 5 km | 250円 | 370円 | 360円 | 390円 |
2区 | 4km - 7 km | 〃 | 〃 | 380円 | 410円 |
3区 | 8km - 11 km | 290円 | 410円 | 420円 | 450円 |
4区 | 12km - 15 km | 330円 | 450円 | 460円 | 490円 |
5区 | 15km - 19 km | 360円 | - | 490円 | 520円 |
6区 | 20km - 21 km | 380円 | - | 510円 | 540円 |
Pixivでの扱い
車両そのものの絵を描くケースは少なく、鉄道擬人化のネタとして少数が確認されている他
架空鉄道として「鉄車輪仕様」の札幌市営地下鉄車両のイラストを見ることができる。