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札幌市電

さっぽろしでん

札幌市電は札幌市交通事業振興公社が運行している路面電車であり、現在路面電車としては最北端の運営である。
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概要編集

「札幌市電」は、札幌市内にて営業中の路面電車。札幌市周辺の人々はこの鉄道を単に「電車」と呼ぶことがある(これは国鉄の路線の電化が1960年代後半になったためであると思われる)。路線上のを払うためのササラ電車が、冬季限定で運行される。

冬季限定で運行される雪ミクのラッピング電車でも有名。


路線編集

  • 全長:西4丁目-西15丁目-中央図書館前-すすきの-西4丁目 8.81km(一条線山鼻西線山鼻線都心線の4路線、基本一体運用)
  • 全線複線、直流600V電化、軌間1067mm
  • 保有車両:30両
  • 運行系統:6系統
  • 電停の数:24

停留所番号停留所名
SC01西4丁目都心線/一条線
SC02西8丁目一条線
SC03中央区役所前一条線
SC04西15丁目一条線/山鼻西線
SC05西線6条山鼻西線
SC06西線9条旭山公園通山鼻西線
SC07西線11条山鼻西線
SC08西線14条山鼻西線
SC09西線16条山鼻西線
SC10ロープウェイ入口山鼻西線
SC11電車事業所前山鼻西線
SC12中央図書館前山鼻西線/山鼻線
SC13石山通山鼻線
SC14東屯田通山鼻線
SC15幌南小学校前山鼻線
SC16山鼻19条山鼻線
SC17静修学園前山鼻線
SC18行啓通山鼻線
SC19中島公園通山鼻線
SC20山鼻9条山鼻線
SC21東本願寺前山鼻線
SC22資生館小学校前山鼻線
SC23すすきの山鼻線/都心線
SC24狸小路都心線
SC01西4丁目都心線/一条線

車両編集

現在使用される車両は6つの系列に分けられる。なお先頭「A」は連接車、「M」は連結車、「雪」は除雪車である(ほかにディーゼルを示す「D」が存在した)。


  • 2XX形:昭和30年代に製造された丸みを帯びた車両。北海道内で製造された。210形、220形、240形、250形(これは以前使用されていた500形の車体更新)。
  • M100形:連結電車の親機。2021年に引退が決定された。子機は使い勝手の悪さから早期に廃車され、資料館保存となっている。親機引退後は2両とも保存されることが決定している。
  • 85XX形:昭和60年代の新製車両、制御方式は初めてVVVFインバータ制御となった。8500形、8510形、8520形。
  • 3300形:1998(平成10)年に登場した330形の機器を流用した車体更新車。車体更新はアルナ工機が担当。雪ミクのラッピングになるのはこの車両。
  • A1200形:2013(平成25)年製造、アルナ車両の「リトルダンサー」シリーズのタイプUaをベースとした三連接車であり、超低床電車(LRV)、さらに冷房搭載。愛称は「ポラリス」。
  • 1100形:2018(平成30)年10月に導入された単行の超低床電車。上記A1200形と同様アルナ車両の「リトルダンサー」シリーズの単行型であるタイプSをベースとしている。愛称は「シリウス」。1101号車は、運行開始1か月後に車両基地構内でポイントの操作ミスによる事故を起こし休車、修理が行われ復帰した。
  • ササラ電車製のブラシで雪をはき飛ばす車両、古い客車を改造したもの。二種類存在する。

廃止車両編集

 一部の車両は札幌市交通資料館に残されている。また、A830形名古屋鉄道に譲渡されモ870形として岐阜市内線などの600V区間で利用されていた。


歴史編集

私鉄として編集

 この交通機関の所有する路線の元となったのは、明治43年に運用が開始され、明治45年には市街地にまで路線を延伸した札幌石材馬車鉄道という軌間762mmの馬車鉄道であった。

 大正7年、博覧会札幌市で開かれることになり、この鉄道を路面電車化することになる。当初は馬鉄軌(1,372mm、ちなみに日本では京王線都電東急世田谷線などが採用している)で車両などをイギリスより輸入する予定であったものの、第一次世界大戦の勃発により輸送が期日までに間に合わないため、アメリカよりレールなどを、車両は名古屋電気鉄道(名古屋にて路面電車および近郊への電車を提供していた私鉄、名古屋市の市内鉄道公営化により解散、なお近郊路線部門は名古屋鉄道の元となった会社)の中古車両を購入することになった(ために国鉄などと同じ1,067mm軌間となった。ちなみにそこまでしても残念なことに開業は博覧会の開催初日に間に合わなかった)。

 当初は雪に悩まされ、馬そりにて代替運転をすることもあったものの、大正14年にササラ電車が発明され、それはかなり解消された。


市営化編集

 昭和2年、路面電車は市営化された。このときの路線の総長は16.3km、車両63両であったが、その後も開発は進み、昭和7年には(戦後延伸された鉄北線区間以外)ほぼすべての路線が完成したとされる。戦争中、陸軍北部軍司令部月寒への路線の延伸の申請があったものの、それに答えることは出来なかった。


戦後編集

 戦後一部路線(中島線)が廃止されるも、まだまだ利用者数は衰えなかった。周辺自治体の合併により路線の拡張が必要となり、計画自体は存在したものの、路線買収の困難さおよびその後の利用者の減少により鉄北線の新琴似間での延伸しか出来なかった。

 なお、この延伸においては当初電化できず、気動車による運行が行われた(路面電車のディーゼル車運行はかなり珍しい)。この状況は昭和38年より昭和42年まで続いたが、気動車の運用は昭和46年まで続き、その後古い台車と組み合わせ車体のみを利用する形で使い続けられた(一部は昭和60年代まで使用された)。

 このころ総長は最大で25km以上であった。


衰退期からループ化へ編集

 鉄道の利用者は昭和39年をピークとして減少している。これは路線バスおよび自動車の利用が増えたこと、停留所の統廃合により利便性が減少したことによるものと思われる。

 それに追い討ちをかけるように昭和41年札幌オリンピックの開催が決定し、それと同時に地下鉄、現在の札幌市営地下鉄南北線を建設することになる。

 通常であるならば京都市電のように市電の全廃となりかねない事件であったが、雪の影響でバス代替が難しかったこと、一部区間のみであったため全線廃線とはならなかった。しかしこの影響は大きく、昭和46年から昭和49年にかけて路線の大半が廃止されてしまった。

 一時は全廃も検討されたものの、地下鉄の恩恵を受けられない山鼻沿線住民からの存続要望が強く、札幌市はそれを受けて存続する方向で営業し、設備投資を積極的に行ったことで経営の健全化を計り、赤字からの建て直しに成功した。平成13年には北海道遺産(北海道に関係する自然文化産業などのうち次世代へ継承したいものとして北海道遺産構想推進協議会が選定した有形無形の財産群)にも指定されている。

 なお、ライトレール化や路線の延長などが審議され、最終的に西4丁目-すすきの間をつなぐループ化工事が行われ、2015年12月20日に開業。(その前に新型LRV型車両であるA1200形電車が新製投入)札幌駅前通りを42年ぶりに市電が走った。ただしかつての路線とは異なり、レールは歩道側に設けられ、同時に中間に狸小路停留場が新設された。歩道に面していることで乗降が格段によくなっている。また、西4丁目停留場も内回りのみだが駅前通り側に移設され、さっぽろ地下街ポールタウンの入口付近にあることも相まって乗り降りがしやすくなっている。

 2020年4月、札幌市交通局が100%出資している一般社団法人・札幌市交通事業振興公社(現在はこのほかに札幌市営地下鉄の駅業務を行っている)に運営が移管され、札幌市交通局は札幌市電の施設及び車両の保有整備業務に専念することになった(上下分離方式)。


キャラクター編集

札幌市交通事業振興公社移管と共に札幌市電の萌えキャラとして「一条ささら」が登場した。

一条ささら


pixiv編集

 車両のイラストが存在するが、架空鉄道ネタと擬人化ネタが多い。


関連項目編集

路面電車 北海道 札幌市交通局 環状線


参照編集

wikipedia:同項目


外部リンク編集

札幌市交通事業振興公社公式サイト

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