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アルカトラズコネクションの編集履歴

2023-11-02 00:10:22 バージョン

アルカトラズコネクション

あるかとらずこねくしょん

2001年放送のルパン三世TVスペシャル第13弾であり、21世紀のルパン三世TVスペシャル第1弾。シリーズ史上初のデジタル制作を導入した作品でもある。

概要

21世紀突入後のTVスペシャル第1弾でもある本作で初めてTVスペシャルシリーズにデジタル製作が導入された(これは銭形がルパンに対し「世紀を超えてお前と付き合うつもりはない」とこの事を踏まえた発言もしている)。

また、ストーリーや登場する敵組織も新ルパン三世に登場したものを原作とし、リメイクした形になっている(原作漫画を基にした作品は、歴代のTVスペシャルの中では本作のみとなっている)。


本シリーズには珍しく、ヒロインキャラと言えるキャラはラストに僅かに登場するだけになっている他、銭形警部の射撃の腕の良さが描かれたり、EDではルパンファミリーの面々が私服(五ェ門までもが変装ではなくプライベートでTシャツ&短パン姿である)で登場したりと珍しい場面も見ることが出来る。


また、OPもお決まりのインストゥルメンタルではなく、EDも担当したジャズシンガーのakikoによるボーカルバージョンになっているなど、一風変わった形になっている。


本作で悪役を務める石田太郎・滝口順平・立木文彦・緒方賢一・大塚明夫は全員過去の「ルパン三世」シリーズでルパンたちと対峙する悪役を演じている。


2019年12月20日にはYouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」にて本編の無料配信(21時からのプレミア配信→アーカイブ配信)が行われた。


あらすじ

サンフランシスコ沖の違法カジノ船から金を盗み出そうとしたルパンファミリー(冒頭では銭形の持っていたPCから流れたルパンの犯行予告を除き、全員変装した姿で潜入しており「オープニング曲と共に正体を現す」という演出となっている)だったが、銭形の登場で計画は失敗に終わる。

後日、その失敗を責める不二子だったが、ルパンはカジノ船の金はいわば「おまけ」であり、本命はカジノ船を運営していたマフィアが探し求めている深海の沈没船に眠る莫大な金塊であることを面々に告げ、カジノ船から盗み出した調査データを元に金塊探しに動き出す。

しかし、突如アジトはデータを取り戻そうとするマフィアの襲撃を受け、ルパンは誘拐される。かつて脱出不可能と呼ばれた「アルカトラズ刑務所」の地下にあったマフィアのアジトで拷問を受けるも次元の助けによって脱出したルパンは彼らがただのマフィアではなく、秘密結社「シークレットセブン」であると勘付く。


ルパンと次元は「マシンガン・ケリー号」の現金に施した特殊な追跡装置を用いて現サンフランシスコ市長で次期大統領候補マックスも幹部だと知る。不二子のアジトへ向かったところ、そこにいた銭形とテリー刑事と遭遇しルパンは逮捕される。逮捕後、テリーが仕込み拳銃でルパンを襲撃したことで、テリーこそがシークレットセブンの首領であるとルパンは見抜く。銭形はルパンが死んだ振りをしていると逸早く気付き、霊柩車で移送中にルパンからテリーがシークレットセブンの首領であることを知らされる。直後にテリーが車に仕掛けた爆弾の爆発を利用し2人は逃走し身を隠すことになる。


不二子を利用したテリー達は念願の金塊回収へと動きだすが、先にアルカトラズに到着していたルパン達と対峙することになる。


実はアルカトラズは犯罪者たちの楽園であり、地下に街を築き、酒や女を運び入れ、平和を謳歌していた。ところがジョン・F・ケネディが監獄の実態を知り、弟のロバートと共に閉鎖を決めたという。ケネディ暗殺の証拠は、当時の政府高官などが関わっていたためにマシンガン・ケリー号の金塊の中に紛れて隠されていた。テリーはマックスを闇社会出身初の大統領にすべく、障害となるCIAやFBIの動向を抑えたく、この証拠物件を欲していたことを


テリーはルパンの推理を正しいと認め、その見識を讃えた上で、金塊を渡す代わりに証拠は寄越せと取引を持ちかけるが交渉は決裂する。激しい銃撃戦の中、CIAのエージェントが仕掛けた爆弾が起動、崩落する地下都市の中でテリーは銭形に逮捕されていたが、落ちてきた教会の鐘に押し潰されて死亡する。


ルパン一味は潜水艇に乗った不二子と共に崩落するアルカトラズ島から脱出、ルパンは暗殺の証拠を確認し真相を知るが、アメリカ軍が戦闘ヘリなどで襲撃してきたため、証拠物件を再び海へと放り捨て追手たちが去るところで物語は終わる。


メインメンバー

ルパン三世(キャラクター) CV:栗田貫一

ご存じ大泥棒。

今回は大量の金塊を手に入れるためにシークレット・セブンとの争奪戦に挑む。今回でもコミカルなシーンが多め。相変わらず頭の回転は速い方で、様々な窮地にあうも次々と乗り越えていった。


次元大介 CV:小林清志


五ェ門と不二子が相変わらず暴走するため、ルパンを一人で支援する役回りが多い。中華料理店でルパンにカニチャーハンをとられたうえに、拉致されたルパンを単身で救助、本作では苦労人として描かれている。


峰不二子 CV:増山江威子


相変わらずお色気担当。不二子の名言である「いい女ってのはね、自分で自分を守れる女よ。」は本作での発言。

冒頭でバニーガール衣装からライダースーツへの生着替えを披露、ブラジャーとショーツをチラ見せしながらジッパーを上げていく姿を見せている。

不二子が泡風呂に入浴中、テリーが襲来。テリーはルパンが奪った海底図のデータがどこにあるのか聞き出す為に風呂の栓を拔いて、流れ出すお湯に不二子は危機感を覚えながら胸を隠す。

浴槽のお湯が殆ど抜けて水位がへその下まで来るが、胸元を隠しながらあくまで不二子は口を割らない。痺れを切らしたテリーはラジオを浴槽へ落として激しいスパークと黒煙が上がるも、不二子はギリギリのところで飛び上がったのか電灯にぶら下がって回避していた。

左手で胸を隠しながらも屈さない不二子であったが、銃を突きつけられ丸裸で宙吊りという文字通り手も足も出ない不二子は目の前でテリーにデータを奪われる結果となった。

今回もいつも通りルパン達を裏切って痛い目を見ており、極めつけにおっぱいを手ブラで隠さざるえない状態に追い込まるされるという刺激がつよいシーンを提供してくれる。


石川五ェ門 CV:井上真樹夫


今回も相変わらず女性に騙されたうえにと現金を貢ぐ日々を送っている。ルパンが誘拐されても無視、スーザンを売れないモデルから売れるモデルにするためで金塊探しに没頭する様子を見た次元からも呆れられている。


銭形警部 CV:納谷悟朗


ご存じICPO。

コミカルな一面は相変わらずだが、本作ではルパン達が盗もうとした金庫を遠距離から撃ち落とすという常人離れした射撃の腕前を披露、ルパンの行動にいち早く気づくなど有能な警部として描かれている。



ゲストキャラクター

  • テリー・クラウン(CV:石田太郎)

銭形と行動を共にするサンフランシスコ市警の警部補。

ボサボサの頭に猫背、よれた服装などから頼りなさが窺え、いつも食べ物が入った紙袋を小脇に抱えている。また、冒頭のカジノ船の捜査では金をくすねて銭形の注意を受けたり、後の授章式では公共の場にもかかわらず間食をするなど手癖も行儀も悪い。


しかし、その正体は「シークレット・セブン」のボス。部下を容赦なく処断し、ルパンや不二子を本気で殺そうとするなど冷酷な性格で、しかも銭形の捜査能力を利用してルパンを追うなど知略にも長けた切れ者。

クルミを手で玩ぶのが癖で、右腕の袖にデリンジャーを隠し持っており、跪かせた部下の頭に手をやるふりをして粛清するのが得意技。

刑事という表向きの顔も大きく関与しているが、自ら積極的に前線に赴く事も多く、組織の長としては珍しいタイプである(後年の作品では「天使の策略」に登場する「スパイダー・エミリー」ことエミリー・オブライエンもこのタイプに該当する)。

組織復興のため、部下のマックスを大統領選に出馬させ、軍やCIAなどの既存の勢力を黙らせて勝利するためケネディ暗殺事件の真相を示す証拠を、そして同じく証拠を狙うルパンの命を執拗に狙う。

終盤では「デカの相棒同士の」正面からの一騎討ちを繰り広げるも結果は銭形の勝利に終わり、手錠をかけられるが、直後に「楽園」の崩落に巻き込まれ、まるで天の裁きを受けたかのように教会の十字架の下敷きとなって死亡した。

人物設定そのものはジョン・スターモーを元ネタとしている(対照的に『ルパン三世 PartIII』第1話では名前と外見を流用しているスターモーが登場するが、こちらでの配役は「アナゴさん」こと若本規夫である)が、演じるのが「カリオストロの城」の伯爵役を演じた石田氏だけに世を忍ぶ仮の姿は彼の持ち役でもあった刑事コロンボのコロンボ警部補を意識した外見となっている。


  • ルキノ・マルカーノ(CV:松井範雄)

サンフランシスコ・マフィアのドンで、「シークレット・セブン」の一員。

裏カジノ船「マシンガン・ケリー号」のオーナーとして、真の目的であるサンフランシスコ沖の海底データを採取していた。しかし、海底データをルパンに盗難・消去され、幹部会議の席上でそのことを正当化しようとしたため、テリーに粛清された。その後は側近のアンディが彼の後を継いでいる。

なお、テリーは後に彼のことを「ドジ野郎、生きてる価値もねえ」と見下して罵倒しており、それを聞いたルパンに「あの発言は刑事として挟持からのもの」だと抱かせずに「マフィアのドンさえも上から見下すテリーこそが真のボスだ」と見抜かせるきっかけを与えてしまった。


ルキノ・マルカーノの側近。自らを「マシンガン・ケリーの後継者」と称し、「ケリー叔父貴」直伝の2丁拳銃ならぬ2丁のトミーガンを愛用する。

「マシンガン・ケリー号」の支配人だったが、ルキノが粛清された後に彼の後任として「シークレット・セブン」の正式メンバーに昇格し、テリーの腹心となる。

終盤では「楽園」で次元と戦い、トミーガンの乱射で次元を苦しめるも鏡を使った目晦まし戦法に敗れ、虫の息だったところを爆発に巻き込まれて死亡する。

余談だが、アンディ役の大塚氏は、本作からちょうど20年後の2021年に放送される「ルパン三世PART6」より、小林氏から次元役を引き継ぐ事になる。


チャイニーズマフィアのドンで、「シークレット・セブン」の一人。

拷問マニアであり、ハイエナ曰く「(シークレット・セブンのメンバーの中でも)一番のサディスト」。他人に自分の口調を真似されることを嫌う。ルパンの拷問を自ら行うが、口真似で軽くあしらわれた上、自らが用意した爆弾搭載ロケットで打ち上げられて爆死する。そしてルパンたちはその地下からの打ち上げ穴から拷問室へ、そしてその下の「楽園」へと侵入する。

なお、黄が常識では考え難いような巨大武器をいきなり出す度に、ルパンは「だから、どっからそんなもん出してんだよ」とツッコミを入れ、黄が「これでおまえは空の藻屑ね」と言えば、ルパンが「空に『藻』なんて生えてねえっつーの」と返すなど、やりとりはコミカルに描かれている。


「シークレット・セブン」の一員で、「歩く武器庫」と称される殺し屋。その通り名に恥じず、体中に武器を仕込んでおり、中でも射出型のナイフを得物とする。

次元とは古馴染みであるため、互いのことをよく知っており、彼の性格を嫌っている。

終盤ではアルカトラズ島へ向かう次元と五ェ門をスーザンと急襲するが、次元との一騎討ちの末に射たれ、直後にスーザンのサブマシンガンの流れ弾を浴び、スーザンと共に海中へ沈んだ。


  • マックス(CV:池田勝)

サンフランシスコ市長。次期大統領選の有力候補だが、正体は「シークレット・セブン」の一員。

組織の力と資金力を背景に、闇社会初の大統領の座に付こうとしている。選挙活動で忙しいため、幹部会議にあまり姿を現さない。終盤ではミラーに対し楽園の一刻も早い復活への意欲を語った後、アルカトラズ島からヘリコプターで出発しようとした直後、黒衣の男達(実はCIA)によってヘリコプターに仕掛けられた爆弾で爆死する。


初老の科学者で、「シークレット・セブン」の一員。

深海10,000mの水圧にも耐えると主張する潜水艇「アルカポネ2世号」の開発を行っている。

口先の威勢は良くても内実は臆病で、潜水艇の安全性に自信を持つことが出来ず、不二子を始末せずに騙して実験台にする(本来はケネディ暗殺の証拠のニセ金塊が回収できれば充分であったが、不二子が欲張って金塊を詰め込みすぎたせいもあり、実際には6,000mで浸水してしまった)。成功してから不二子を始末すればいい、失敗しても自分は安全というその策を、テリーは「気が小さく、頭でっかち」、アンディは「用心深さでは天下一品、ですが」と酷評している。

アルカトラズ地下の本部で引き揚げを管制中にルパンに殴られて気絶していたが、目を覚ました直後にすべてを葬ろうとする黒衣の男達(実はCIA)が仕掛けて回った爆弾が爆発し始め、アレジはその爆発で起こった洪水に巻き込まれて行方不明となった。


表向きはサンフランシスコで活動している売れないモデルだが、正体は「シークレット・セブン」の一員で、組織の紅一点である。

ルパン一味を探るため、トップモデルを夢見る売れないモデルを装って五ェ門に近付き、その芝居に騙されて惚れた五ェ門は金策に奔走、ルパンとは別行動を取ることとなる。

終盤ではアルカトラズ島へ向かう次元と五ェ門をハイエナと急襲し、本性を現して2丁のサブマシンガンを使って五ェ門と戦うが敗北。直後に暴発したハイエナのナイフが刺さって、ハイエナと共に海中へ沈んだ。


  • ミラー(CV:出光元)

アルカトラズ島の警備員をしている黒人の老人で、先代の頃からの「シークレット・セブン」の配下。老齢のため、楽園の一刻も早い復活を望んでいる。また、テリーのことを「テリー・ボーイ」と呼んでおり、テリーとは親密な間柄である。

終盤に登場するもマックスの乗ったヘリコプターの爆発の巻き添えとなり死亡。


しばしばルパンが口に出す謎の女だが、正体はサンフランシスコ在住の大学生。

ルパンと付き合うことを条件に卒業論文に必要なケネディ暗殺事件の物的証拠が欲しいとねだっていた。エピローグに登場するも、念願の証拠を手に入れたルパンを大学を中退し、新しい彼氏もできたことを理由にフッてしまう。

本作のゲストヒロインとされるものの、ストーリーの大部分をシークレットセブンとの戦いを中心に描写した影響で本編中にロクな出番が無く、他の作品に登場するゲストヒロインと比較してもストーリーには直接絡んでいるとは言い難く「彼女を例年通りにゲストヒロインとして扱うのは不適格なのでは?」と疑問を抱くファンも多い。

そのためか、翌年の「EPISODE:0 ファーストコンタクト」に登場するエリナには「進行役」の役割を果たせる様に描写されている。


関連タグ

ルパン三世 マフィア サンフランシスコ

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