この男、悪人か、ヒーローか
その事件には、裏がある
欺かれるのは、俺か お前か
「ジョーダンきついぜ…」
「俺は悪党だ。嘘だって平気で言うし?人だって殺すぜ」
概要
2021年5月26日に発表された『ルパン三世』のTVアニメシリーズ第6弾。全24話+0話。
ルパン三世のアニメ化50周年を記念した作品で、『PART5』から実に3年半ぶりとなる令和最初のTVシリーズ。
2021年10月から2022年3月(または4月)にかけ、日本テレビ系列全27+1局に加えBS日テレ、さらにはフジテレビ系列局約2局(ただしどちらも日本テレビと番販協定を締結してはいる)にて放送された。また、HuluやAmazonプライムビデオなどによる配信も実施している。
冒頭のキャッチコピーの通り、今回はルパンという存在の善悪を問う等身大のしっとりとした作風が特徴であり、ルパンの着るジャケットもPART1と同じく緑となっている。
構成はPART4やPART5同様の2クールだが、前2作と違って前半と後半では舞台やテーマが大きく異なる。
1クール目はロンドンを中心に「ミステリー 」をキーワードとした不思議な謎解きが展開され、2クール目は全世界を巡りつつ、様々な「女」とルパン一味が絡んでいくストーリーとなっている。
物語の構成はPART5と同じく、メインとなるストーリーの合間にゲスト脚本家によるオムニバスを挟むタイプ。
メインキャストに関しては、50年間次元大介の声を担当して来た小林清志が勇退すると発表され、これに伴い今作から次元役は大塚明夫が担当することとなった。PART5に携わったスタッフが受け持つ初回放送のEpisode0「時代」が小林演じる次元が登場する最後の作品となり、それ以降の放送回を大塚が担当する。
なお、アイキャッチに関しては、ルパン三世officialマガジンにて「ルパン三世T」を執筆していた作者であるtogekinokoが作画を担当。
アニメ化50周年記念という事もあり、抽選で5名に本作への出演権が与えられるというTwitterを利用したファン参加型の応募企画を始め、様々なコラボ企画なども実施される。
さらに新シリーズ記念と併せて、『ルパン三世アニメ全史ぴあ』が9月29日に発売。
印象的なビジュアル
ティザービジュアルにおける記事冒頭のキャッチコピーは、皆の憧れながら泥棒に過ぎないルパンの二面性を強調したもの。
ルパンの表情も、片方はいつもの愛嬌あるものだが、もう片方は老成した悪人顔という不穏な雰囲気を醸し出しており、劇中でも過去作より明確に老け顔で描かれている。
先に公開されたビジュアルでは赤を基調とし、その次は緑を基調としたものが公開され、どちらも単色調コントラストのきいたイラストになっている。
予告PV第一弾(後述の関連動画参照)でルパン以外のメインキャラの登場もなく、台詞も一言だけというところにこだわりを見せている。
キャスト
レギュラー
準レギュラー(PART5より)
1クールゲスト(1話~12話)
2クールゲスト(13話~24話)
- トモエ:深見梨加(回想)、一柳みる
- マティア:清水理沙
- アリアンナ:森なな子
- メルセデス・カミロ:きそひろこ
- ミレーヌ・ルグラン:佐藤利奈
- ギャビー:喜多村英梨
- ワン・リンファ:ゆかな
- ヘイゼル:甲斐田裕子
- アメリア:潘めぐみ
- ムルー:宇山玲加
- フィン:茅野愛衣
- マリエル:折笠富美子
キーワード
PART6前半における脅威。秘密組織にして英国における闇の権力。
10年前、その尻尾をつかもうとしたルパンがホームズやリリーと関わるある事件が起きた。
PART6後半における脅威。ルパンが幼い頃、彼の母親代わりでもあった教育係。
死んで久しい現在になって、彼女の教え子を名乗る悪女達が次々とルパンに関わり始める。
制作スタッフ
監督 | 菅沼栄治 |
---|---|
シリーズ構成 | 大倉崇裕(前半) / 村越繁(後半) |
キャラクターデザイン | 丸藤広貴 |
音楽 | 大野雄二 |
制作 | トムス・エンタテインメント |
テレビシリーズとしては『峰不二子という女』以来、トムス自社が制作する。
監督の菅沼栄治は今作がルパン三世作品初参加となり、シリーズ構成の大倉崇裕は前シリーズにおいてゲスト脚本を務め、丸藤広貴は2019年の長編2作である『グッバイ・パートナー』『プリズン・オブ・ザ・パスト』でもキャラクターデザインを務めた。
さらに特別ゲスト脚本家として押井守、辻真先、芦辺拓、樋口明雄、湊かなえが参加し、話題になっているのはまさかの押井の参加である。
押井といえば、1985年夏公開に向けて『ルパン三世』劇場版第3作目の制作をしていたが断念。降板することになった事で有名である。詳しくは→押井版ルパン三世(ルパン三世長編シリーズの番外編でも簡潔に触れている)
押井は大倉に好きに書いてくださいと言われ、「責任は持てませんが」と付け加えた上で、脚本を採用してくれた事に感謝している。その脚本とは幻となった35年前の劇場版と関係があるのか、それとも・・
なお、第0話ではメインスタッフが一部変更されているが、それに関しては該当記事を参照。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 |
---|---|---|
0 | 時代 | 高橋悠也 |
1 | シャーロック・ホームズ登場 | 大倉崇裕 |
2 | 探偵と悪党 | 〃 |
3 | 大陸横断鉄道(嘘)の冒険 | 辻真先 |
4 | ダイナーの殺し屋たち | 押井守 |
5 | 帝都は泥棒の夢を見る 前篇 | 芦辺拓 |
6 | 帝都は泥棒の夢を見る 後篇 | 〃 |
7 | 語られざる事件 | 大倉崇裕 |
8 | ラスト・ブレット | 樋口明雄 |
9 | 漆黒のダイヤモンド | 湊かなえ |
10 | ダーウィンの鳥 | 押井守 |
11 | 真実とワタリガラス | 大倉崇裕 |
12 | 英国の亡霊 | 〃 |
13 | 過去からの招待状 | 村越繁 |
14 | 蜃気楼の女たち | 〃 |
15 | 祝福の鐘に響けよ、銃声 | 金田一明 |
16 | サムライ・コレクション | 篠塚智子 |
17 | 0.1秒に懸けろ | 金田一明 |
18 | フェイクが嘘を呼ぶ 前編 | 村越繁 |
19 | フェイクが嘘を呼ぶ 後篇 | 〃 |
20 | 二人の悪女 | 下亜友美 |
21 | うたかたの島へようこそ | 篠塚智子 |
22 | 私のママの記録 | 千秋孝一 |
23 | 愛しの魔女の記憶 | 村越繁 |
24 | 悪党が愛すもの | 〃 |
余談
発表日の5月26日は原作者であるモンキー・パンチの誕生日。
レギュラーTVシリーズの全国放送は、1984年3月から1985年11月に掛けて放送されたPART3以来だったりする。
放送スケジュールの都合上、第11・12話、第17・18話はそれぞれ同日に2話連続で放送されている。
関連動画
関連タグ
ルパン三世PART1 ルパン三世PART2 ルパン三世PARTIII