概要
前作「グッバイ・パートナー」から10ヶ月後に放送されたため、同じ年に新作が2本放送される初の事例となる。
また、原作者であるモンキー・パンチが逝去した後に制作される作品でもあり、TVスペシャルとして(およびTVシリーズも含めて)は元号が令和に改元されて初めて放送される作品でもある。
作風としては第2シリーズのようなコミカルな作風を意識した王道的ファミリー路線としている。
あらすじ
かつてルパンと双璧を成すと言われた世界的義賊ーーフィネガン・コルベット。
彼の死刑が執行されることを知ったルパン一味は、フィネガンを救出するため、刑が執行されるドルエンテ王国に潜入する。
ルパンは、難攻不落の監獄エルギュイユを攻略し、見事フィネガンを盗み出すことが出来るのか!?
迷路のような監獄で複雑に絡み合う泥棒たちの思惑。そして、解き明かされるドルエンテ王国の意外な真実…
ルパンと仲間たちが大活躍の、爽快脱獄アクション!!
ゲストキャラ
ICPOに配属され、銭形の部下となった刑事。
本作では(TVSPではありがちな「銭形の部下」のジンクスをはねのけて)最後まで彼と行動を全うしている(この様なキャラは他のTVSPではビッキー刑事がこの部類に当てはまる)。
元々は『PART5』初出のキャラクター(『PART4』のレベッカ・ロッセリーニの様な「そのシーズンにおけるレギュラーキャラ」的な立ち位置)であり、別のルパン作品のオリジナルキャラクターがTVSPに再登場するのは本作が初となる。
ロレンサ(声 - 桑島法子)
刑務所の所長。堅物で厳格な人物だが根は優しい。
フィネガンの悪事に加担しているものの、そもそも彼の手により国王を人質に取られているためやむを得ず手を貸している状況であるためか良心の呵責に苛まれている。
一方で行方不明になった王子には離れ小島に匿う様に根回しするなどの一面も見せる。
ベルテ(声 - 三木眞一郎)
目元を仮面で隠した剣の使い手。
…というのは世を忍ぶ仮の姿であり、正体はドルエンテ国王の息子である王子・フィオである。
フィネガンの策略の際にロレンサの手により表向きは病死したこととされ、以降は顔を隠してベルテと名乗り、騎士として密かに生きるようになる。
ドルエンテ王国に伝わる伝説「光の騎士」を探しており、五エ門を目の当たりにしたことで海に落ちた彼を助け、五エ門に伝説を明かした上で彼の人間離れした剣術を学ぼうと手合わせを願い出る。
その後、自身の生存を知って島に乗り込んだフィネガンと対峙するが…
フィネガン・コルベット(声 - 平田広明)
本作でルパン達が狙うターゲット…ではなく正体は本作の黒幕。
表向きは死刑囚だが、実態は死の商人として、自身が収容されている刑務所を私物化し、武器や人手(劇中では後述の「ルパン達の刑務所侵入のリハーサル」に利用された一行、次元、銭形が人身売買されかかる)を売買して私腹を肥やし、さらには自身の顔を死んだ(とされる)王子の顔そっくりに整形する(ルパンは途中でこの事を見抜いていた)など、終いには国ごと乗っ取ろうとする。
スカラトス(声 - 坂詰貴之)
フィネガンの部下。
ダイナマイト・ジョー(声 - 三宅健太)
ルパン達の侵入経路のリハーサルに使われてしまった一行その1。
その名の通りダイナマイトの扱いに長けている。
ドク・ハインツ(声 - 家中宏)
ルパン達の侵入経路のリハーサルに使われてしまった一行その2。
インテリ系の顔立ちをしたグライダー乗り。
バルマー兄弟
ルパン達の侵入経路のリハーサルに使われてしまった一行その3。
人間の兄(声 − 佐藤せつじ)と弟(声 − 小林親弘)、ロボットである三号(声 − 藤高智大)の二人と一体で行動する。
兄弟二人は途中でリタイアしたものの、三号は途中でルパンと邂逅し、途中まで共に行動する事になる。
オレジャーネ(声 − 青山穣)
ルパン達の侵入経路のリハーサルに使われてしまった一行その4。
動物の覆面を何重にも被っており、その素顔は不明。
ドルエンテ国王(声 - 緒方賢一)
首元に爆弾を組み込まれ、刑務所の地下に幽閉されていた。
アナウンサー(声 - 阿佐ヶ谷姉妹)
劇中に何度か登場する女子アナで、Aを渡辺江里子、Bを木村美穂が演じた。
余談
阿佐ヶ谷姉妹のキャスティングついては通常のゲスト出演ではなく、本作の約1年前にあたる2018年12月に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W』という特番にて、彼女達が得た優勝特典として、日テレの全レギュラー番組の中から好きな番組を選んで合計視聴率100%分出られる「日テレ100%券」を得て、この権利を行使してのゲスト出演となっている。
オープニングではキャストおよびスタッフのクレジット表記(局表記やトメのトムスロゴ含む)を全て集約しており(前作ではオープニングにおけるメインキャストのクレジットは廃止されていたため、事実上復活した形)、「イタリアン・ゲーム」同様エンディングが存在しない(エンディングテーマ自体は存在するが、スタッフロールが無いため実質的な扱いは挿入歌に近い)。
また、オープニング(ルパン三世のテーマ2019)とエンディング(スーパーヒーロー2019)共に松崎しげる歌唱のボーカル版が使用されたが、オープニングにおけるボーカル入りの演出は「アルカトラズコネクション」以来、エンディング楽曲に過去のTVシリーズの挿入歌のカバーを使用するのは本作が初(似たようなケースで「隠された空中都市」にて「カリオストロの城」の主題歌である「炎のたからもの」のカバーが使用された事はある)となり「スーパーヒーロー」自体が(過去の「さらば愛しきルパンよ」と同じような扱いとはいえ)TVSPのエンディングテーマとして使用されるのも本作が初である。
小林清志演じる次元大介が登場するテレビスペシャルは本作が最後である(その2年後である、2021年秋から放送されているTVシリーズ第6作からは大塚明夫が後任となっている)。
放送当時のTwitterでは48年間(パイロットフィルムを含めると50年間)次元を演じてきた小林の名前がトレンドワード入りした。
関連タグ
グッバイ・パートナー…前作。平成および原作者存命最後のTVスペシャル。
ルパン三世DEAD_OR_ALIVE…劇場版。難攻不落の監獄、生死不明の存在など本作品はこの作品のオマージュ部分が見受けられる。
峰不二子の嘘…劇場版。シリーズ全体における令和改元後および原作者没後のアニメ作品としてはこちらが先になっている。
ルパン三世THEFIRST…本作放送から一週間後の12月6日に劇場公開。制作時期は本作より前。