ゲーム版『星のカービィ夢の泉の物語』等に登場する彼については、ナイトメアウィザードを参照。
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概要
ゲーム版では悪夢の化身という設定であったが、アニメ版では宇宙を支配するホーリーナイトメア社の会長兼闇の帝王という設定となっている。
また、パワーオーブ形態にならないためか、作中では一貫して「ナイトメア」と呼ばれている。
魔獣と呼ばれる邪悪な怪物を創造する能力を有し、それに関連して生物の洗脳、および魔獣化させる力も持つ。しかし、ナイトメアもいつまでも邪悪な魔獣を創造し続けることはできず、生み出された魔獣の中には彼に反抗するものもあらわれた。
それが「星の戦士団(銀河戦士団)」である。
本編から数万年前に、自身の創造した魔獣で構成された大軍団を率いて宇宙侵略を開始し、上述のメタナイト卿を筆頭とする星の戦士団と銀河大戦と呼ばれる大戦争を繰り広げた。戦争には事実上勝利したものの、以後は大規模な軍事作戦ではなく、前述した企業「ホーリーナイトメア社」を利用した工作的な侵略活動を進めている。
非常に冷酷かつ狡猾な性格で、加えて心理戦にも長けており、元は仲間同士だった者達による戦いを誘ったり、ターゲットに対して味方、あるいは仲間と思い込ませるような魔獣を刺客として送り込んだりと、人の信頼や友情に漬け込むような策も数多く弄する。
実際に19話ではナックルジョーの父親を闇堕ち(魔獣化)させて、彼の戦友であったメタナイトに差し向けたり、24話では銀河戦士団の忍者部隊を自身の軍に寝返らせるなどの卑劣な行為をしている。
新世代の星の戦士カービィがプププランドに定住して以来、カービィを抹殺すべくそこの顧客であるデデデ大王を利用して次々と魔獣を差し向けるようになる。
ゲーム版ではマントの下に隠れた体が弱点だったのに対し、アニメでは逆にあらゆる攻撃を吸収してしまう異空間につながっており、どんなに強力な攻撃も無効化する。その上、現実世界におけるナイトメアは明確な実体を持たず、物理的攻撃が通じない以上は無敵に等しく、戦艦ハルバードすら「みじめな兵器」とあしらっている。
カービィとの「悪夢の生まれる場所」での最終決戦では、炎を吐き疲れて眠ってしまったカービィに悪夢を見せて痛めつけるも、フームが投げたワープスターを吸いこんで変身した『スターロッドカービィ』に、実体のない自身の唯一の弱点である夢の中で攻撃され、消滅した。
その後、自身は人々の悪夢の化身であるがゆえに不滅であり、人の恐怖心がある限り何度でも蘇る…と自身の復活を示唆するようなことをモノローグ形式で語っている。この点は「ナイトメアが現れたゆえに悪夢を見るようになったゲーム本編」の設定とは真逆の関係と言える。
アニメ内でのおもなセリフ(話数順)
本アニメのラスボスポジションであるにもかかわらず、登場話数の合計はわずか11話である。
9話
- 「(カスタマに対して)ザコでよい…。ローラを2つに分けて売りつけろ…。」
14話
- 「フ…面白くなってきたな。すぐに私の力を思い知るがいい…。」
19話
- 「思い残すことはないのか…。フフフフフフフならばこれを飲むがよい…。消えかけた命が再びともるであろう(ナックル父を魔獣化させる)。」
99話
- 「ハハハハハハ!よく来たなカービィ…。そして哀れな銀河戦士団の残党共よ…。」
- 「だが私を倒すことは不可能だ…。そんなみじめな兵器ではな…。」
第100話
- 「幻だと言うのか…。ではお前も幻か…?」
- 「カービィよ…ここがどこか分かるかな?」
- 「ハハハハハハハハ…!戦いのさなかに眠るとは…。」
- 「カービィはエネルギーを使い果たしたのだ…。眠ってしまえばもはや虫をひねると同じ…。」
- 「だが…彼の夢の中に入って悪夢を見せるのも面白い…。お前にも見せてやろう…カービィの悪夢をな!」
- 「(カービィの夢の中の食べ物を見て)カービィの関心は食べることだけのようだ…。」
- 「フッ…ここはカービィの夢の空間…。ワープスターが現れると思うか?」
- 「(フームの投げた)ワープスターを吸いこんだ?」
- 「スターロッド!?」
- 「き…貴様!私の隠されたヒミツを…。スターロッドをなぜぇ!」
- 「私はこの名の通り…お前たちの心に住む夢にすぎぬ…。だがそれゆえに…私は不滅だ!お前たちが恐怖心を抱く限り…私はいつかお前たちの心に現れる…。」
特別編
- 「(カスタマに対して)だが…カービィはゲームにアニメに大活躍と聞く。」
余談
圧倒的な軍事力と組織力に加えて、デデデとは比較にならない極めて悪辣な知略を見せつける一方で、全体的に詰めの甘さも目立っている。
カービィがプププランドに住み着いて以降、何かにつけてカービィを狙うようになるのだが、その作戦指針はほとんどデデデ側に丸投げしており、自分たちで動くことは稀である。
最初の方こそカービィを排除したいというデデデの意向の下に強力な魔獣を送ったりしたのだが、話が進むとデデデの遊興に便乗する形で、都合よくカービィを倒そうとすることの方が多くなり、しかもよほど(商売のカモである)彼を手放したくなかったのか、この時点でデデデを無視して大量の魔獣を送り込めばいいものを、どれだけ向こうに魔獣の代金を踏み倒されても(一応、何度か代金の回収工作を行ったことがあるが)最終話寸前になるまで彼の我儘に付き合って適当な要望に合わせた戦闘能力の低い魔獣、そもそも戦いに向いてない魔獣を単体で寄こし続けてはその度にカービィに魔獣を倒されていき、結果的に彼に実戦経験を積ませ、その成長を促してしまった節がある。
カービィ周辺に関する状況についてもそれらの情報はデデデからの伝聞でしか得られていないような所があり、カービィへの貢献度の高いフームや元星の戦士のメタナイトの内、フームは最終盤までその存在を認識しておらず、宇宙制覇に必要という宝剣ギャラクシアを持っているメタナイトに対しては本当にそれまで彼の所在を知らなかったのか、メタナイトを憎むシリカの襲撃に便乗するタイミングになるまで、狙うことはなかった。
何より、最初こそカービィおよびメタナイトと敵対していたナックルジョーに至っては、彼がその後カービィ達と和解していたことを知らずに雇ってしまい、結果自社にとってな大切な魔獣を失ってしまう事態になるなど、カービィ周りの対人関係はデデデ以外把握していなかった可能性が高い。
そもそも、彼が最終話までに直接アニメ内で会話したキャラは、自身の部下のカスタマーサービス程度であり、上記のカスタマーサービスですら、デデデやエスカルゴン以外のププビレッジの住民と関わるケースはほとんどないため、彼から敵勢力の情報を聞き出すことも難しいのであろう。
また、本編最初期のその過去が語られる話では無尽蔵に魔獣をけしかけて銀河戦士団に圧勝するなど、絶対的な力を持つ強大な魔王のように描かれているが、現代における存在感はそれほど大きなものではなく、組織自体も物語全編を通してカービィを本腰を入れて狙ったケースも非常に少ないため、実際にナイトメアとその軍勢がどこまで恐ろしい勢力だったのかは(そもそも本作の作風自体がコメディ寄りなのも相まって)いまいち分かりにくい点も否めない。
なにより、ナイトメア自身の直接的な出番も最終話に入った所(前述のようにアニメ最初期では「強大な存在」として語られていたものの、それ以降は出番が激減)であり、カービィとの最終決戦でもわざわざ自身に攻撃が通る夢の世界に彼を引きずり込み、唯一の弱点であるスターロッドであっけなく倒されたことから、ラスボス(笑)などの不名誉なレッテルを貼られることもある(別にゲームのナイトメアもそこまで強い方ではないが、本作の場合だとその背景設定との乖離がさらに強いギャップを生んでいる)。
また、ゲームのデデデが「ナイトメアを復活させないために自ら汚れ役になった」のに対し、本アニメのデデデは「自らの欲望を満たすためにナイトメアの創造した魔獣を利用し、悪事を行う凶悪な独裁者」といった強力なキャラ付けがされているため、相対的に彼が悪役として目立たないのも理由の1つかもしれない。
関連タグ
星のカービィ 諸悪の根源 カスタマーサービス 魔獣 ホーリーナイトメア社 ラスボス
ジュラルの魔王:顔が似ており、最終話で主人公にあっけなく倒されてしまう悪の親玉繋がり。アニメの内容が全体的にカオスな点も共通している。