概要
本部は静岡県熱海市の小高い山の上の閉館した温泉ホテルにあり、表向きは有限会社を名乗っている。
元々はホテルを経営していたボスとその従業員、あるいはその後に集められたメンバーで構成されていると思われる。
しかしながら、どういうわけか軍用車や軍用ヘリ、映画公開当時には発表されたばかりでまだ物珍しかったセグウェイを大量に所有しており、一つの都市全体に強力な催眠術をかける装置を開発するなど単なる民間組織とは思えないような装備を手にしている。
幹部以下のメンバーは、基本的にその直属の上司と同じような服装をしている。
また終盤には野原しんのすけの手により、ボスや幹部も含めて一時的にぶりぶりざえもんの姿に変えられている。
ある意味で世界を書き換えてしまう力を持つ催眠装置「熱海サイ子」の起動に必要な鍵となる野原一家の録音された会話通りの肉声を得るために、放送ジャックによる春日部市民への洗脳を展開し野原一家に冤罪をかけて捕らえようとする。
メンバー
ボス
CV.石塚運昇
経営していたホテルの名物風呂から、古代ローマ風の衣装に身を包んだヒゲモジャの恰幅の良い男。
直属の部下達も古代ローマの兵士のような格好をしている。
兄である白衣の男が勝手に熱海サイ子を持ち出し、起動用音声を偶然逃げ込んだ先の野原一家との朝の会話に設定したため、野原一家を捕らえようとする。
自他共に認める伊豆一の汗っかき。
かつては父親から継いだ温泉経営に努めていたが、経営不振で閉館。
それをきっかけに大好きだった熱海に裏切られたと逆恨みするようになり、熱海サイ子を使って熱海の人々や光景を意のままに変えようと企んだ。
最後は野原一家に追い詰められて涙を流しながら自らの熱海に対する愛憎混じった想いと「熱海サイ子の機能で自分自身が熱海という存在そのものになる」という最終目的を述べた上で協力を求めるが、家族との平穏な生活を壊されてあまつさえありもしない冤罪を着せられて指名手配されたひろし達からすればそんなことは知ったことではなく、彼に春日部市への地元愛を示されながら一喝され、そのまま殴られて気絶した。
その直後にしんのすけが落とし前として、熱海サイ子を他者への暗示機能として「熱海サイ子を使って熱海サイ子の存在自体を抹消する」という対策を使って今回の事件を無かった事にし、ボスも改心してスウィートボーイズは再びホテルとして再建する事となった。
ちなみに野原一家の帰りの電車賃は、その後目覚めたボスが支払ったらしい(映画パンフレットの声優座談会のコーナーより)。
…正直な話、チート性能としか言いようがない催眠装置を作るだけの財力と技術力があるのならホテルの再建など容易だろう。
堂ヶ島少佐
CV.徳弘夏生
(メイン画像の人物)
幹部の一人で実働部隊のリーダー格。
元外国の傭兵であったようで、軍服姿の特殊部隊を引き連れている。
単なる敵役というわけではなく相手を称賛したり、しんのすけが熱海に到着した際には待っていたかのような表情をしたりといった部分も持ち合わせている。
ソフト帽とサングラスが特徴のダンディーな男で、パロディーとして某有名映画のセリフをよく口にする。
終盤で野原一家によって部下達を蹴散らされた事で負けを認め、自分達のボスのところへ行くように促す。
その際妻子持ちである事が判明し、撤収後はぶりぶりざえもんの姿で熱海の海でサーフィンに興じていた。
下田長九朗
CV.江原正士
幹部の一人で営業部長も務めている。
セグウェイやカラーボール等の多彩なアイテムを使用。
一見サングラスをかけた小太りでおしゃべり好きなサラリーマンで、「でしょでしょ?」が口癖。
他の幹部二人と比べると野原一家の拘束にそこまで強行的ではなく、コメディリリーフのような役割である。
終盤で堂ヶ島少佐と共に野原一家に対する負けを認め、迎えに来た妻の車で帰っていった。
その後はぶりぶりざえもんの姿のままで妻に仕事の愚痴を陽気に話しながら弁当を食べていた。
天城
CV.皆川純子
幹部の若き紅一点で変装が得意。
組織一の強行派として野原一家の拘束に過剰なまでに執念を燃やしており、特にしんのすけに対しては後述のパンツの件もあってか一歩間違えれば大怪我も負いかねないほどに過激な攻撃を行っている。
その執念深さは味方まで巻き込んでしまっており、遊園地では結果として堂ヶ島部隊のヘリを墜落させていた。
おばさんが履いているようなベージュ色のパンツを履いているらしく、一度取り押さえていたしんのすけに逃げられる際に足でスカートを捲られており(カメラ外)、その後「ベージュおばさん!」などといじられていた。
終盤では唯一負けを認めず野原一家に拳銃を向けて抵抗しようとするが、堂ヶ島の平手打ちと叱責を受けてようやく受入れる(落とした銃は下田が取り上げた)。
その際堂ヶ島に好意があるような描写があったが彼が妻子持ちであると知り、その後はぶりぶりざえもんの姿でどこかの堤防で切なそうに一人佇んでいた。
第20作『オラと宇宙のプリンセス』ではカメオ出演で他の歴代ヒロインと共にしんのすけの夢の中に登場しており、ヤキニクロード本編では見せることのなかった可愛い笑顔が見られる。
白衣の男
CV.石丸博也
熱海サイ子の開発者で、しんのすけからは「変な顔のおじさん」と呼ばれている。
ボスの実兄であるがこちらは貧相な体格と臆病そうな性格で顔つきも似ておらず、弟には「バカ兄!」と蹴りを入れられたり、堂ヶ島にも暴言を吐かれた上に手刀で気絶させられるなど無下に扱われていた。
ボスの推測通りに「他所の企業に売り飛ばそうとしていた」かは不明のままであったが、熱海サイ子を悪用しようとする弟に反抗して逃亡し、偶然逃げ込んだ先の野原一家との朝の会話を起動用音声に設定した。
そのせいで野原一家は熱海サイ子を起動させる為の「朝の会話」を73回もやり直させられた挙げ句ボスに監禁されて起動ごとに「朝の会話」を再現させられる羽目になった。
弟とは対立していたものの、情を捨て切れなかったのかそれとも強要されていたのかは不明であるが終盤で弟を逃がすために影武者となって野原一家を欺いた。
上記の通りスウィートボーイズに反抗しているが野原一家に協力するわけでも無く、終始敵味方問わず騒動を引っ掻き回した全ての元凶の一人である。要するにどっちもどっちの兄弟だったのである。