概要
本部は静岡県熱海市の小高い山の上の閉館した温泉ホテルにあり、表向きは有限会社を名乗っている。
元々はホテルを経営していたボスとその従業員、あるいはその後に集められたメンバーで構成されている模様。
しかしながら、どういうわけか軍用車や軍用ヘリコプター、映画公開当時には発表されたばかりでまだ物珍しかったセグウェイを大量に所有しており、一つの都市全体に強力な催眠術をかける装置を開発するなど単なる民間組織とは思えないような装備を手にしている。
ある意味で世界を書き換えてしまう力を持つ、催眠装置「熱海サイ子」の起動に必要な鍵となる野原一家の録音された会話通りの肉声を得るために、放送ジャックによる春日部市民への洗脳を展開し野原一家に冤罪をかけて捕らえようとする。
幹部以下のメンバーは、基本的にその直属の上司と同じような服装。
また終盤には野原しんのすけの手により、ボスや幹部も含めて一時的にぶりぶりざえもんの姿に変えられた。
メンバー
堂ヶ島少佐
CV:徳弘夏生
(※メイン画像)
幹部の一人で実働部隊のリーダー格。
元外国の傭兵であったようで、軍服姿の特殊部隊を引き連れている。
単なるヒールな敵役というわけではなく、自らの身を犠牲にしてしんのすけを逃そうとした佐藤マサオを称賛している。
ソフト帽とサングラスが特徴のダンディーな男で、パロディーとして某有名映画のセリフをよく口にする。
終盤で野原一家によって部下達を蹴散らされた事で負けを認め、自分達のボスのところへ行くように促す。
その際妻子持ちである事が判明し、撤収後はぶりぶりざえもんの姿で熱海の海でサーフィンに興じていた。
下田長九朗
CV:江原正士
幹部の一人で営業部長も務めている。
セグウェイやカラーボール等の多彩なアイテムを使用。
一見サングラスをかけた小太りでおしゃべり好きなサラリーマンで、「でしょでしょ?」が口癖。
他の幹部二人と比べると野原一家の拘束にそこまで強行的ではなく、コメディリリーフのような役割である。
終盤で堂ヶ島少佐と共に野原一家に対する負けを認め、迎えに来た妻の車で帰宅。
その後はぶりぶりざえもんの姿のままで妻に仕事の愚痴を陽気に話しながら弁当を食べていた。
天城
CV:皆川純子
幹部の若き紅一点で変装が得意。
組織一の強行派として野原一家の拘束に過剰なまでに執念を燃やしており、特にしんのすけに対しては後述のパンツの件もあってか一歩間違えれば大怪我も負いかねないほどに過激な攻撃を行っている。
その執念深さは味方まで巻き込んでしまっており、遊園地では結果として堂ヶ島部隊のヘリを墜落させていた。
中高年女性が身につけるようなベージュ色のパンツを着用しているようで、一度取り押さえていたしんのすけに逃げられる際に足でスカートを捲られており(カメラ外)、その後「ベージュおばさん!」などといじられていた。
終盤では唯一負けを認めず野原一家に拳銃を向けて抵抗しようとするが、堂ヶ島の平手打ちと叱責を受けてようやく受け入れる(落とした銃は下田が取り上げた)。
その際堂ヶ島に好意があるような描写があったが彼が妻子持ちであると知り、その後はぶりぶりざえもんの姿でどこかの堤防で切なそうに一人佇んでいた。
第20作『オラと宇宙のプリンセス』ではカメオ出演で他の歴代ヒロインと共にしんのすけの夢の中に登場しており、ヤキニクロード本編では見せることのなかった可愛い笑顔が見られる。
白衣の男
CV:石丸博也
熱海サイ子の開発者で、しんのすけからは「変な顔のおじさん」と呼ばれている。
後述の組織のボスの実兄ではあるがこちらは貧相な体格と臆病そうな性格で顔つきも似ておらず、弟には「バカ兄!」と蹴りを入れられたり、堂ヶ島にも「このクソ野郎」と暴言を吐かれた上に手刀で気絶させられるなど無下に扱われていた。
ボスの推測通りに「他所の企業に売り飛ばそうとしていた」かどうかは不明のままであったが、熱海サイ子を悪用しようとする弟に反抗して逃亡し、偶然逃げ込んだ先の野原一家との朝の会話を起動用音声に設定した。
そのせいで野原一家は熱海サイ子を起動させる為の「朝の会話」を、うろ覚えの中で73回もやり直しをさせられる羽目となった挙句ボス達に騙されて自由まで奪われかけた。
弟とは手酷い仕打ちを受けながらも対立していたものの、情を捨て切れなかったのかそれとも強要されていたのかは不明であるが、終盤で弟を逃がすためにぶりぶりざえもんの姿のまま影武者となって野原一家を欺いた。
上記の通りスウィートボーイズに反抗しているが野原一家に協力するわけでも無く、終始敵味方問わず騒動を引っ掻き回した全ての元凶の一人に該当するような役回りであった。
CV:石塚運昇
経営していたホテルの名物風呂から、古代ローマ風の衣装に身を包んだヒゲモジャの恰幅の良い男。
直属の部下達も古代ローマの兵士のような格好をしている。
兄が勝手に熱海サイ子を持ち出し逃げ込んだ先の野原一家との会話を起動用音声に設定したため、しんのすけたちを捕らえようと動き出す。
自他共に認める伊豆一の汗っかき。
かつては父親から継いだ温泉経営に努めていたが、経営不振で閉館。
それをきっかけに大好きだった熱海に裏切られたと逆恨みするようになり、熱海サイ子を使って熱海の人々や光景を意のままに変えようと企んだ。
最後は野原一家に追い詰められて涙を流しながら、自らの熱海に対する愛憎混じった想いと「熱海サイ子の機能で自分自身が熱海という存在そのものになる」という最終目的を述べた上で協力を求める。
しかしながら、ありもしない冤罪で指名手配をされて「家族との平穏な生活」を壊されて、その上、騙されて自由まで奪われかけたひろしの怒りは収まらず、春日部への地元愛を示されながら一喝されてそのまま殴られて気絶した。
その直後にひろしに「(熱海サイ子を使って)落とし前をつけろ」と促されたしんのすけが、「この機械の存在と引き起こされた騒動自体を抹消する」という他者への暗示機能を使って今回の事件を無かった事にし、ボスも改心してスウィートボーイズは再びホテルとして再出発する事となった。
ちなみに野原一家の春日部までの帰りの電車賃は、その後目覚めたボスが支払ったらしい(映画パンフレットの声優座談会のコーナーより)。
専用テーマ曲は自分の身の上を歌った「古代ローマ帝国風呂衰亡史」。
作中でも実際に歌っており、しんのすけがノリノリで踊ったり、熱海サイ子で周囲の人間や動物が別の物体に変化したりとカオスなシーンで用いられた。
古代ローマ帝国と名が付く曲だが、曲に古代ローマ要素は一切ない。