概要
1969年8月19日生まれ、大阪府出身。身長173cm、体重70kg。ポジションは主に内野手。
野球選手としては小柄で華奢であったが、天性の野球センスと冴える闘志を武器にプロ野球で21年間にわたり活躍。西沢道夫、高木守道に続く3代目の「ミスタードラゴンズ」を襲名している。
高校時代
KKコンビを擁した名門・PL学園高等学校へ進学。2歳上にはKKコンビ、同期は橋本清、野村弘樹、片岡篤史。1歳下には宮本慎也と、当時のPLは数多くのプロ野球選手を輩出するタレント集団であった。
主将を務めていた桑田真澄に「小柄だけど、新入生で1人だけオーラが違っていた」と高い素質を見抜かれ、彼と相部屋となる。
競争の激しい名門にあって、1年夏から遊撃手として甲子園にスタメン出場を果たしたことからも立浪のセンスが窺える。
3年になった1987年には主将として春夏の甲子園に出場。特に夏は打率.429 2本塁打 8打点の大活躍で、KKコンビですら成しえなかった*春夏連覇*の立役者となった。
甲子園の後、福岡ダイエーホークスがドラフト1位指名を公表する。このまま1本釣りと思われていたが、中日ドラゴンズがドラフト直前で方針を変更(1位指名を予定していた選手がプロ入りを取りやめたため)し、立浪を指名。競合の末に中日・星野仙一監督がくじを引き当て、中日への入団が決定した。
プロ野球選手として
極めて優れた選球眼を持ち、現役通算で四球数(1086)が三振数(1007)を上回っている。
立浪以外に四球数>三振数を記録した大打者の顔ぶれは、王貞治(通算868本塁打)や門田博光(通算567本塁打)、落合博満(通算510本塁打)と球界を代表する長距離砲ばかり。
通算171本塁打と、いわゆる中距離砲に分類される打者がこれほど四球を選び、かつ三振も少ないのは極めて異例。
ただ出塁に長けるだけでなく、チャンスにも非常に強い。
特に満塁時には打率.341 7本塁打(2本のサヨナラ満塁本塁打はNPB最多タイ記録) 166打点(173打席)と常軌を逸した数字を残している。
これを買われて4番に座ったこともあるが、本人は「自分はホームラン打者ではないので……」と、あまりシックリきていなかった模様。
なお現役通算で打率.285、2480安打(NPB歴代8位)という好打者ぶりとは裏腹に、首位打者や最多安打といったタイトルは1度も獲得していない。通算525本塁打、1530打点を挙げながら無冠に終わった清原和博ほどではないにせよ、これも中々珍しいことであろう。
打棒だけでなく守備でも高い貢献度を誇り、高校時代に就いていた遊撃の他にも二塁や三塁をソツなくこなした。二塁、三塁、遊撃の内野3ポジションでゴールデングラブを受賞したのはNPB史上立浪のみ。
入団当初からレギュラーに抜擢され、2年目を除いて大きな離脱もなく、歓声の中心には常に立浪の姿があった。2003年には2000本安打を達成し、名球会入り。2005年には日本プロ野球新記録の通算450二塁打を達成した。
2006年以降は森野将彦の本格化や自身の衰えにより、レギュラーとしての出場はなくなる。
しかし引退後には「この期間で野球を勉強できた、成長できた」と、控えに回されるという初の経験により、知見が広がったと語っている。
控えになってもその人気は健在で、ネクストバッターズサークルに出てきただけで球場がざわつき、いざ打席が回れば「代打、立浪」のコールが聞こえなくなるほどの大歓声が上がった。
現役最終年には77試合(80打席)に出場し、
打率.318(66-21) 1本塁打 17打点 12四球(7三振) 出塁率.425。
ファンの期待に応える好成績を残し、惜しまれつつの引退となった。
「ミスターツーベース」の異名通り二塁打とは縁が深く、通算487二塁打は未だNPB歴代最多。さらにプロ初安打もプロ最終安打も二塁打である。意外なことにシーズン最多二塁打を獲得したことはない。
引退後
2009年に現役を引退。その後は野球解説者を務め、2019年にはプロ野球殿堂入りを果たした。
2022年シーズンからは中日ドラゴンズの1軍監督として指揮を執る。
自身をレギュラーに抜擢した星野監督、自身からレギュラーを剥奪した落合監督の双方から得た経験を活かし、若手を積極的にスタメン起用しつつも、競争を促す姿勢が随所に見られる。また、綱紀粛正にも力を入れているようで、ヒゲや長髪、茶髪を禁止する姿勢を見せている。
しかし、結果は2022年、2023年共に最下位に沈み、球団史上初の2年連続最下位を記録。23年にはシーズン総得点が400に届かない(1975年の広島以来の珍記録)、ビジター14連敗、1944年以来の4連勝以上の記録なし、と低迷が続いている。低迷についてはこれは中日の黄金時代とされる落合監督時代が終わり第2次高木守道監督時代が始まった2012年シーズンから続く暗黒期から抜け出せていないという声もある。
2023年シーズンは「こんにちは、おバカさん」「令和の米騒動」といった暴言や珍騒動に加え「代打溝脇」(右投手に弱い溝脇隼人を右投げの森原康平が登板している場面で起用し敗戦)の珍采配などで失笑を買い、契約年数途中で解任だろうという予測を裏切り継続となったため観客から野次が飛ぶ荒れ放題の中でシーズンを終え、タッチの替え歌を用いて立浪を揶揄した「タッツ」YOASOBIのアイドルで揶揄した「カントク」など多数の替え歌が作らている。
関連項目
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