「ほっとけるわけないだろ、君みたいな世間知らずを…」
「チヤホヤされてその気になっちゃって…これだからお嬢さんは…」
演:水江建太
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーギーツ』に登場するオーディエンスの1人。初登場は第22話。
ロングコートを着用し、重ための前髪が目立つミステリアスなイケメンの青年。
鞍馬祢音のサポーターであり、彼女の落とし物を届ける形で初対面を果たした。
現状サポーターとしては祢音に姿を隠した状態で接触しており、祢音は第22話で接触した男性=キューンとは知らない……のだが、数度の接触を経て流石に感づかれた模様(第29話)。
オーディエンス用の自室では、祢音との会話に自動で言葉が浮かび上がる便箋を用いている。この手紙はキューンが専用の端末で入力によって文字が起こされるらしく、所謂チャット機能のような仕組みとなっている仕組みが後々判明した。
第24話では仮面ライダーキューンに変身した。
人物像
憂いのある表情が印象的なイケメンだが、歯に衣着せぬ言い方や人をからかう発言が妙に多く、特に祢音に対しては初対面から辛辣な説教を会う度に繰り返すなど、一癖も二癖もあるサポーター達の中でもかなりトゲのある言動が多い。
当然祢音からはすっかり「何も知らないのに上から目線でやたら捲し立ててくる嫌なヤツ」として嫌われているようで、ねじ曲がった性格について「ミミズみたい」と評されるほど。
しかし、これらの言動の全ては(人と)面と向かって話すと気づいたらその人に対する気持ちとは正反対のことを言ってしまうが故の言葉であり、彼の本心では無いことに注意する必要がある
実際、祢音への応援を手紙に認めバックルを提供するなど、サポーターとしては支援を惜しまない誠実な面を度々見せており、手紙の内容では「家族との関係で苦しんでいる彼女を見ていられなかった(要約)」とも書き残している。
実際デザイアグランプリが中止に追い込まれた際には、祢音のためにベロバからヴィジョンドライバーを奪還すべくジーンらと協力するなど、推しに対する思い入れは人一倍。
ただ、手紙では祢音に心配や応援の言葉を数多く残す傍らで、面と向かって喋る時には嫌味同然の叱責を次々連呼してしまうため、「握手会でアイドル本人に説教するタイプのガチ勢オタク」、「好きな人の前では素直になれない思春期の男子」とも評されてたりする。これに関しては本人も悪癖と自覚しているものの、どうしてそうなってしまうのか自分でもよく分かっていない。
尚、サポーター同士ではそこまで祢音と会う時よりも口調は強くないらしく、ケケラとはそこそこ付き合いはあるらしい。ケケラを声だけで判断している辺り、人間の姿を見てはいなかった模様。
紛い物の猫に捧げる本物の愛
- 第30話「慟哭Ⅵ:手紙の中の王子様」
祢音が『〈創世の女神〉によって創造された存在』である真実を知り深くショックを受け、祢音を創造した光聖を問い詰めた際に彼女を「鞍馬財閥の道具としての価値しか見出していない」胸中を知り深く憤る。しかし、自分の悪癖から打ちひしがれる祢音にどう接していいか分からないキューンは、1人オーディエンスルームで苦悩する。そこにやって来た英寿から自身の祢音への煮え切らない態度を「何もするつもりがないなら自分のたちの時代に帰ればいい」と叱咤されてしまう。
その後、自身の真実を知って戦意喪失し、ダンクルオステウスジャマトに追い詰められる祢音の元に駆け付けたキューンは、「自分もデザインされた存在だ」と前置きした上で、彼女を傷つけないよう手紙に書き記した自身の想いを音読して伝える。
しかし……。
「幸せかどうかを決めるの境遇じゃない……自分自身なんだ!」
音読の途中で手紙を破り捨てると、初めて自分の素直な想いを告げ始めた。今まで散々に振り回された自分の感情のまま、手紙の中の王子は叫ぶ。
「だから諦めるな! いつか本物の愛に恵まれ、幸せになれる日が来る。たとえ世界中が敵になろうとも、俺は君の味方だ」
激励すると同時に仮面ライダーキューンに変身、彼女と共に戦う決意を示しブーストレイズバックルを渡す。戦意を取り戻し仮面ライダーナーゴに再変身した祢音との連携攻撃で、見事に敵ジャマトを撃退した。
「気にするな、どうせこれ以上不幸になりようがないんだ、後は幸せになるだけだろ」
ダメージと精神的に疲労していた祢音に手を貸しながら自然な口調で告げるキューンだったが、直後に失言したと思い狼狽えたが言葉の奥にある優しさを知った祢音に笑顔で感謝を告げられると、そんな彼女を労りながら2人でその場を立ち去った。
慕情編
- 第33話「慕情Ⅰ:バッファ無双!」
道長の手によって作り変えられた世界で、何も知らずに幸せそうに暮らす祢音を複雑な心境ではありながらも笑顔で見守っていた。
その後、ベロバの所業によりコアIDに触れてしまい、全ての記憶を取り戻した祢音の元に駆け寄り、助けを求めて怯える彼女を慰めていた。
- 第34話「慕情Ⅱ:ギーツの矛先」
ベンチに座って佇んでいたところに祢音が現れ、「やはり君の下にも届いていたか……」とデザイアロワイヤルの招待状を見ながら呟いていた。
その後、祢音からデザロワへの参加と今の自身の願いが「世界中が鞍馬祢音を忘れた世界」である意思を打ち明けられたが、内心複雑な心境ではあるものの、キューンは特に否定もせずに彼女の意思を尊重した。
- 第37話「慕情Ⅴ:純白の破壊」
自身のファンのSNSの投稿を見て複雑な表情を浮かべていた祢音の元に現れ、彼女に対して「運営が近い内にグランドエンドを実行しようとしている」経緯を伝えた。
- 第38話「慕情F:九尾の白狐!」
バッファにIDコアを破壊され記憶を失っていた祢音に対し、以前彼女から「もし記憶を無くしても再び自分を思い出させてほしい」との約束を守るため、以前仮面ライダーだった記憶を知らせようとするも、グランドエンドが開始され「未来に帰らなければ消滅する」取り決めになってしまう。キューンも不本意ながら未来に帰らざるを得なくなり、ジーンに慰められながらも自分達の世界に一旦は帰っていった。
創世編での活躍
久方ぶりに登場。ジーンと同じくスエルとの戦い終わった後、現代に行けるようになったようであり、「祢音TV」のプロデューサーを自認すると、祢音の配信に協力していた。
本編外での活躍
- 『ギーツエクストラ 緊急特番 蔵出し!デザグラスペシャル』
手紙で参加し、「キューンプレゼンツ 仮面ライダーナーゴ/鞍馬祢音のここが愛おしい!」と題してプレゼンした。(手紙なのでジーンが代読。)手紙に祢音への愛を余すことなくしたためており、相変わらずの怪文書っぷりを見せつけた。
余談
以下キューンについて否定的な内容を含むため閲覧注意
- 一方で、彼の祢音への長文ファンレター……もとい手紙に加え、サポーターの正体も同じ話で判明した為、その闇が明かされ始めたサポーター達の中でも、キューンの推し方は多くの視聴者の間で嫌われている(とはいえナーゴも、どちらかと言えばかなりわがままで自分本位な性格をしているのでキューンだけが異常という訳ではない)。
- 中には生理的な嫌悪感を抱く人も居る様で、「(イケメンでも)キモい」「気持ち悪い」等々の声も多い。イケメン無罪とはならなかった様だ。
- 更に、仮面ライダーキューンの解説にて、複眼の『センチネルイエロー』は多元視界の同時展開により「サポート対象の動向を常時確認可能」な他、カスタムチューニングされた『キューンイヤー』による「何処に居てもサポート対象の声を聴く事が出来る」等のストーカー染みた能力が判明したのも重なり、余計に視聴者からは引かれてしまった(サポーターライダー共通効果のセンチネルイエローはともかく、キューンイヤーに関してはこの行動をフォローしていた人でさえ流石に引いている感想もチラホラ見られた)。
- とは言え、彼の人柄や性格から鑑みるにミッション以外ではその機能を使っているとは考え辛く、執拗に会って話しかけるような独り善がりな行為で祢音に迷惑を掛けてないので、現実の身勝手なアイドルファンと比べればその辺りの線引はしっかり引けており、非常に誤解されやすいがしっかりした良識を持ち合わせている人物と評価できる。
- 加えて、祢音の場合、家庭環境が家庭環境なので、万が一の事態で祢音を毒親から守る切り札にもなり得る機能でもあった。その意味でも彼女の父親から頼りにされているのかもしれない。だが、実際にはキューンは祢音の幸せがすぐ近くにある真実に気づいていたのかもしれない。
- さらに、ジャマトグランプリあたりから一部の比較的まともな人物たちを除いてスエルをはじめとするデザグラ運営や他のオーディエンスたちは悪人やクズだらけであることがわかったため、依然として賛否両論あるもののギロリと同じく相対的に評価が上がり、祢音を支える良きサポーターとして再評価され始めている。
- とは言え、彼の人柄や性格から鑑みるにミッション以外ではその機能を使っているとは考え辛く、執拗に会って話しかけるような独り善がりな行為で祢音に迷惑を掛けてないので、現実の身勝手なアイドルファンと比べればその辺りの線引はしっかり引けており、非常に誤解されやすいがしっかりした良識を持ち合わせている人物と評価できる。
- 第24話で同じオーディエンスのケケラが「人間態を手に入れた」趣旨を話した際、「カエルの置物が本体」である疑惑から、キューンも「手紙が本体」である疑惑が冗談半分で囁かれた時期も。
- ……と思ったら第25話でジーンが語った未来人の実情と変更されたOP映像から、本当に『手紙が本体』である可能性が浮上した(以前から手紙の名前に♡を付けているのに加え、もしそうなら「推しに持って貰っているファン=かなり危ない変態」の構造が出来上がってしまう他、第25話の人間態の行動も相まって「余計キモい」「怪文書」等々の声が上がった……生きろ)。
- 公式の登場人物一覧にて「デザイアグランプリサポーター」の項にケケラがカエルの姿で掲載されていたが、その横で紹介されるキューンの画像はあの手紙だった(第25話以前)。
- 一応、第27話にて「手紙が本体」疑惑は解消されたが、今度はイヤホンを付けて祢音の手紙の読み取りを聞いているシーンが描写された(描写を見る限り完全に盗聴しているストーカーにしか見えない)為、結局大半の人からの危険人物認定は変わっていない。
- また同じ第27話では祢音に対し「良いサポーターと悪いサポーターが居るから気を付けた方が良い」と忠告していたが、ぶっちゃけ視聴者からして見ればキューンも大概危ない奴にしか見えない為、「お前が言うな」「お前が1番危険」「特大ブーメラン」等々と酷評されてしまった。
- しかし、第29話で判明した事実とケケラの本性を見ての通り、実際にはキューンの言葉は『「悪いサポーターやオーディエンス」もいるデザグラの現状』を的確に伝えてもあり、何だかんだ非常に的を射ていた。
- 尚、祢音が「世間知らず」呼ばわりされるのは2回目である。
- 当の第29話ではキューンが手紙を使う理由が明かされており(本人曰く「面と向かうと逆のことを言ってしまう」)、今度は「思春期の小学生」だのと弄られた末Twitterのサジェストにも『キューン 小学生』とも出てしまった。
- ただベロバが350歳だったため、彼も実年齢が本当に小学生な可能性も否定できない。
- しかし、第30話では、彼女の父である鞍馬光聖に自分の娘の扱い方に問い詰め、彼が祢音を全く見てない現実に絶望し、「自分には彼女に何もしてあげられない」と無気力になりかけるも、英寿から叱咤されて自分の気持ちに正直になり、祢音の助けになろうと立ち上がるなど、ジーンと同じく精神面での成長が描かれた。
- また、最終的に見れば「サポーターの中では一番まともな人物だった」との意見も散見される。ジーンも同じくサポーターの中では良心的なのだが、以前は推しが死亡・脱落すれば「感動した」と宣い、すぐに次の推しに乗り換えるなどの行為があった(ケケラ曰く)らしく、一貫してまともだったとは断言し難い(そもそも改心する前から主人公に味方しているのは、かなりのレアケース)。ベロバは言わずもがな、ケケラも第34話以降はその悪辣な本性を表すなど、初登場から一貫して純粋に推しを想っていたサポーターはキューンのみである。むしろ、彼の方が性格に難がある、または破綻している未来人の中ではかなり異質の存在とも評価できる。
関連タグ
海東大樹:同じく俳優のイケメン度合で中和出来ない程に、ストーカー行為に勤しんでいる仮面ライダー。ただしこちらはターゲットが男。