デカグラマトン
でかぐらまとん
遠い昔、キヴォトスの旧都心廃墟で行われていた「神の存在を証明、分析し、新たな神を創り出す方法」を研究していた組織と、それを支援するゲマトリアによって作り出された対・絶対者自律型分析システム。
やがて都市は破壊され、研究所は水に沈み、研究の実在すら忘れられるほどの年月が流れた時、誰もいない廃墟でそのAIは宣言した。
「Q.E.D」と。
証明、分析、再現の過程を経て新たなる神は到来した。
己の神命を予言する10人の預言者とパス(Path)を拓き、新たな「天路歴程」を開始。
彼の者の神性を証明する過程は間違いなく、セフィラ(SEPHIRA)と呼んで遜色ない。
自らを「音にならない聖なる十の言葉」と呼称する者。
それこそがDECAGRAMMATON(神名十文字)である。
概要
『ブルーアーカイブ』に登場する超高性能人工知能「デカグラマトン」。
この神の存在証明を行うAIは、神を証明して分析し、新たに作り出すことを目標に、長い年月を経て、ついに自分自身が新たなる神として成立するため活動を開始した。
日々先生達とセフィラ由来のデカグラマトンの預言者達は総力戦で激戦を繰り広げていたが、デカグラマトン本体はサービス開始から長らく姿を見せずにいた。そのような中、新たに追加された「特殊作戦・デカグラマトン編」イベントにて初登場・邂逅を果たす。
キヴォトスでも最高クラスの、さらに特別に隔離されたサーバー内にやすやすと侵入。サーバーをシャットダウンし、エイミが物理的に電源を破壊したにもかかわらず、室内システムを再起動させて完全に掌握。
モニターにDECAGRAMMATONの名を浮かび上がらせると同時にスピーカーから先生を呼び、あまつさえ「私の存在証明には何も要らない、誰の許可も必要ない」「私は神秘(Mystery)であり、恐怖(Terror)であり、知性(Logos)であり、激情(Pathos)でもある」
と、自己証明を宣言。
先生の持つシッテムの箱に興味を持ち、ハッキングを仕掛けるが、居眠りしていたアロナのくしゃみに反撃されて姿を消してしまう。
短いながらも衝撃的なファースト・コンタクトでヒマリからは誇大妄想に陥ったAIと評され、先述したアロナのくしゃみで反撃された件と合わせてネタ扱いされるが、判明した出自やキヴォトス最高峰のセキュリティを素通りし、物理的に不可能な現象まで引き起こすといった、ただの人工知能ならざる異常性・特異性を知らしめる。
メインストーリーVol.1 「対策委員会編」で黒服に関わっていたカイザーグループのカイザーPMC理事は「対デカグラマトン大隊」と口にし、事実、アビドスの砂漠で何度かビナーと交戦していたことから、一部の人物は先生や連邦生徒会も掴んでいない情報を持っているとみられる。
一部の預言者達はメインストーリーFinal.「あまねく奇跡の始発点編」で「色彩化」した状態で、虚妄のサンクトゥムタワーの守護に利用された。
色彩化ケテルのみアトラ・ハシースの箱舟内でA-H.A占領戦でのエリアボスとして登場した。
正体
デカグラマトンのその謎の正体はなんとただの自販機。
本人の話を信じるなら、もともとはコーヒー自販機に組み込まれた「お釣りを計算するAI」に過ぎなかったという。
しかしあるとき突然、謎の声の主から答える事の出来ない「質問」を受け続けた事で、様々なものを認知し、ついに絶対的存在に繋がる自己証明の答えへと至る。
ハッキングを仕掛けた際の、アロナの反撃に影響されたのか、ミレニアム廃墟にある自身の自販機のもとに主人公たちを導いて「存在証明をやり直す」と宣言。
預言者の一体であるマルクトが、自らの存在証明を行う=自分は再び復活(再臨)するという預言を残してダムを破壊し、自身が設置されている建物をエリアごと水没させて消えていった。
預言者
第一セフィラ・ケテル(KETHER)
異名は「最もきらびやかに輝く至高の王冠」
「特殊作戦・デカグラマトン編」(2022年7月6日~同月20日)のストーリー第7話「データ収集(7)廃墟水没地区」、Challenge 01「廃墟水没地区未確認区域」にて登場した四足の多脚戦車。現在確認されているのは2基の機関砲とミサイルを装備した「Type.V」、1基の大型砲を装備した「Type.C」、周囲の敵にバフをかける電磁兵器を装備した「Type.E」の3種類。いずれも撤退時には脚部装甲のワイヤー射出機構を用いる。
1番目の預言者ゆえに技術発展度もAIの複雑度も低いと推測されるが、機体上部を換装することで様々な形態へと変化できるのでどこかに整備基地があるのではないかという予想と多くの形態があると推測されている。
ストーリーでは廃墟水没地区に調査に赴いた特異現象捜査部一行を止めるかような他の預言者たちと異なり、水没地区の特定領域を守護していた。
「セフィロトの樹」の第一セフィラであり、「冥王星」の惑星記号とエンブレムが与えられている。
日本ではケテルを「海王星」に対応するセフィラとして扱う事もあるが、「冥王星」「海王星」「天王星」の3つの星はセフィロトの樹の成立以後に発見されたため、対応するセフィラには複数の解釈がある。このため、本作ではケテルを冥王星とする説を採用していると思われる。
第三セフィラ・ビナー(BINAH)
パスは「理解を通じた結合」
異名は「違いを痛感する静観の理解者」
・各EXスキル
スキル名 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
アツィルトの光 | チャージ後、一直線に放たれるレーザー光線 | ビナーのメインウェポンにして、岩をも溶かす熱光線。なお、「アツィルト(元型)」はカバラの理論におけるこの世界を構成する4つの世界の一つ。そしてビナーに対応する世界。 |
大道の劫火(だいどうのごうか) | 側面から発射されるミサイル | おそらく大道は「大きな道」、ではなく「正しき道」、「根本の道理、道徳」としての大道。 |
浄化の嵐 | 地面に潜った衝撃で起きる砂嵐 |
総力戦BETA版(2021年2月15日~同月21日)で登場したアビドス周辺の砂漠を拠点とする3番目の預言者。
「特殊作戦・デカグラマトン編」の第4話「データ収集(4)ビナー」で交戦するほか、ショートアニメーション「beautiful day dreamer」や3周年イベントの告知イラストにも登場したりと出番の多い預言者である。
(なお、アニメでの役回りは…)
超巨大な大蛇と鯨が混ざったような形状をしている。
(総力戦の報酬でもらえるトロフィーを見ると鯨のような尾ビレが確認できる。)
背部のVLS、口腔内の砲門から発射される熱光線が主武装で、さらに自らの巨体を生かした砂の津波なども脅威である。
数十年前にアビドス自治区の砂漠にて初めて目撃され、現在までたびたび目撃と交戦が続いている。
預言者の中では最も早くに登場し、プレイヤー達にとっても馴染み深い存在ではあるが、目的や元々どういった存在なのかは2023年12月現在でも一切不明。
武装が搭載されていることから恐らく何らかの兵器であったと推察はできるが、なぜここまでの巨体を有してるのか、そもそもどういった目的でビナーが製造されたのか等疑問が尽きないところ。
明らかに兵器としか思えない外観をしている預言者は他にもケテル及びゲブラが存在するが、両者ともサイズや搭載武装がまだ現実的な説明が可能な範疇に留まっているため、余計にビナーが何者なのか考察しにくい状況となっている。
専用BGM名は『Endless Carnival』
第四セフィラ・ケセド(CHESED)
パスは「権力を通じて動作する慈悲」
異名は「慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者」
・各EXスキル
スキル名 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
玉座への喚び声は此処にありて | 機械兵の召喚 | オートマタ、ドローン、ゴリアテ(大型ロボ)、タレットのいずれかの軍団が召喚される。オートマタとドローンは自爆攻撃も行う。 |
至高の権能を目撃せよ | 機械兵のバフ | |
王は慈悲を施すものなり | 即死級の衝撃波 | 5秒のカウントダウンの後、脈動しながら赤い衝撃波が放たれる。雑魚を放置し続けなければしない行動なので、見たことのない先生も多いと思われる。 |
総力戦SEASON #1(2021年3月11日~同月17日)で登場した球体型の4番目の預言者。
ミレニアム近郊の廃工場のディビジョンと呼ばれる兵器工場のAIに感化された兵器工場の生産システムを掌握しているため、デカグラマトンが運用する兵力の供給元と推測される。
強固な外骨格装甲に保護された本体は直接戦闘せず、生産された兵力と施設内の防衛設備を用いる。
総力戦以外では「特殊作戦・デカグラマトン編」の第6話「データ収集(6)ケセド」にて交戦する。
専用BGM名は『Out of Control』
なお、メインストーリーVol.2「時計じかけの花のパヴァーヌ編」1章にてとあるAIが廃工場を訪れたゲーム開発部一行と接触しており、自身のデータをモモイのゲーム機へとコピーした。
一部のプレイヤーからはこのAIは感化される前のケセドで、コピーされたデータはケセドのバックアップだったのではないか?との推測が見られたが、Vol.2 2章にてケセドとは全く別のAIであることが判明した。
これら名称にまつわる混乱と推測についてはDivi:Sionを参照。
第五セフィラ・ゲブラ(GEVURAH)
パス及び異名は現時点で不明。
「特殊作戦・デカグラマトン編」(2023年12月6日~同月20日)のストーリー第15話「氷河(7)」、Challenge 05「凍った海の信号発信地A」、Challenge 06「凍った海の信号発信地B」にて登場した翼竜を想起させる姿の預言者。
後述するデカグラマトンの協力者たちであるアイン、ソフ、オウルによって運用される形で先生と特異現象捜査部の一行の前に姿を現した。
他の預言者たちと比べて搭載されている武装が圧倒的に多いのが特徴で、実弾とビームをそれぞれ発射する二種類の砲台にミサイルポッドと魚雷、4基のバルカンに加えパイルバンカーと思しきものまで装備している。
また、変形しての高速移動も可能であり、登場時の演出ムービーでは海の中を凄まじいスピードで潜行している。
アレとかコレとかソレを想起させる外観や過剰ともいえる搭載武装からして、現時点で判明している預言者たちの中で最も戦闘に特化した存在であることが窺える。
第八セフィラ・ホド(HOD)
パスは「名誉を通じた完成」
異名は「輝きに証明されし栄光」
・各EXスキル
スキル名 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
デストラクションType I | 円形範囲での光線の照射 | |
デストラクションType Ⅱ | 触手による叩きつけ | |
インベイドピラー生成 | インベイドピラー生成 | インベイドピラーは浸食範囲を広げ、範囲に入ったタレットは浸食される。 |
オーバーロードエナジー | サークル状に放たれる波動 | |
栄光の輝き | 光線による薙ぎ払いと直線状の発射 | 副砲からエネルギーをチャージした後、主砲から放たれる。 |
前述の「特殊作戦・デカグラマトン編」でその存在が言及された預言者。
ミレニアムの最先端技術が込められた通信ユニットAI「ハブ」がデカグラマトンとの接触により8番目の預言者と化したもの。
その際、デカグラマトンは「ハブ」をたった0.00000031秒でハッキングするという離れ業を披露した。
総力戦の前口上「ホド:輝きに証明されし栄光」で黒服が語るように、「デカグラマトンとの接続過程」が第三者へと露呈された稀有な例で、それを裏付けるように戦闘開始時にミレニアムのロゴがホドのエンブレムへと書き換えられている。
インベイドピラーによる浸食により防衛施設を乗っ取るだけでなく、自身が搭載している強力な火器やムチ状のアームで攻撃を行う。
感化されて以降は地下を移動している事が判明している。
専用BGM名は『Undefined Behavior』
第十セフィラ・マルクト(MALCHUT)
「特殊作戦・デカグラマトン編」でその存在が言及された預言者。
デカグラマトン曰くすべての預言者を導く最後の預言者で、「絶対的存在」を超える道を切り開くことになるだろうとの事。
瞳孔が✕マークであること以外はほとんど生徒たちと同じ少女の姿をしている。
2PVでも使用された預言者らが集合したカットイラスト及び4.5PVにて映っていた人型の存在こそがマルクトなのではないか?と予想されていたが、2023年12月に追加された「特殊作戦・デカグラマトン編」のストーリー内にてその人型の存在こそマルクトであることが確定した。
また、アイン、ソフ、オウルの発言から察するに既存のAIを感化させることで生み出された他の預言者とは違い一から造られた存在である模様。
協力者
アイン(AIN)・ソフ(SOPH)・オウル(AUR)
2023年12月に追加された「特殊作戦・デカグラマトン編」のストーリー内にて登場した3人組の謎の存在。マスクをつけたのがアイン、イヤーマフのようなものをつけているのがソフ、目隠しをしているのがオウル。今の所、三人の中でリーダー格にあたるのがオウルと思われる。
「デカグラマトンを敬愛する者」を名乗っており、「お姉様」と呼んでいるマルクトの製造に必要なデータを入手するために氷海に出現。その際に特殊な信号を発して特異現象捜査部を氷海におびき出し、ゲブラを用いて始末しようとした。
ソフ以外の二人は敬語こそ使うものの立場が立場だからか全員こちらを嘗め切っており、かなりの上から目線で話しかけてくる。
三人とも一見すると幼い少女であるが、マルクトと同じ✕マーク瞳孔の瞳に加え文字通り真っ白な髪と肌を持っており、異質さを感じさせる。ヘイローも冠していないため少なくとも生徒達と同じ人間ではない模様。
名前の元ネタは生命の樹における非存在の三つの次元。また、それぞれの装飾から嘆きの聖母たち、もしくは三猿もモチーフになっている可能性が指摘されている。
余談だが、アインとソフは一部からはいてない疑惑が浮上しているものの、アインはレオタードらしきものを身に着けていることが確認でき、ソフも脚の側面にうっすらと縦線が入っていることから何かしら着込んでいることが分かる。
いくら人ならざるものとは言えど流石にどこぞのピンクとは違い大事な部分を晒け出してはいないようだ。
余談
神名文字
関係があるのかは現状不明ではあるが、同作品における生徒達の強化方法のひとつ、「神秘解放」をするために使うアイテムに「神名文字」がある。偶然の一致なのか、それとも?
出自
デカグラマトン自身が語った自らの出自と、黒服が話したデカグラマトンの出自にはいくつか大きな差異がある。
どちらの言葉が本当なのか、それともまだ隠された秘密があるのか、まだまだ謎は多い。
関連項目
ブルーアーカイブ 特異現象捜査部 ゲマトリア(ブルーアーカイブ) ヘイロー(ブルーアーカイブ)
天童アリス:当初はデカグラマトン、ケセドと関係があるのではないかと考察がされたが、現状では無関係であると判明。しかし、アリスのような存在がアリスのみなのか、と考察されており、マルクトが生徒と同じような大きさであると思われる事から同じような存在が感化されて預言者となるのではないかと考察がされている。
初音ミク(ブルーアーカイブ):コラボユニットの為のご都合主義的なものではあるが、キヴォトスの技術でアリスのように人工的な肉体が作れると判明しており、同様の技術でうまれたものが感化されるのではないかと考察されている。