概要
「少年ジャンプ+」にて2018年4月から連載中の野球漫画。隔週木曜更新。コミックスは2024年1月現在で17巻まで発売中。作者はみかわ絵子、試合制作は高嶋栄充。
かつて中学野球界で「怪物バッテリー」と呼ばれた天才と、様々な理由で野球から離れた者たちの、出会いと再起の物語。略称は「忘却」「忘バ」。
コメディ要素を随所にちりばめながら、才能に対する苦悩や、高校野球ひいては学生スポーツ全般に通じるリアルを描く。
また、前日譚が「週刊少年ジャンプ」2020年1号にて出張掲載された。
キャッチコピーは「天才たちは出会ってしまった」「気付いてしまった。もう、逃げられない」など。TVアニメでは「勝ち続けること、それが全てだった」が使用される。
MAPPAの手によってアニメ化されており、2020年10月に行われたジャンプフェスタでオリジナルアニメが公開された後、2023年8月にはKADOKAWAとの共同制作でTVアニメ化が発表された。
あらすじ
全ての球児にとって、悪夢のようなバッテリーがいた。
かつて中学硬式野球界で誰もが恐れた「怪物バッテリー」、清峰葉流火と要圭。そんな彼らと対戦して野球を辞める決意をした山田太郎は、野球部の無い都立小手指高校に進学する。しかしそこには、野球に関する記憶の一切を忘れてしまった要と、それについてきた清峰の姿があった。さらに、かつてバッテリーの前に挫折を味わった天才プレイヤー、藤堂葵と千早瞬平もまた小手指高校に進学していることが判明して……。
出会うはずのない場所で、偶然巡り合ってしまった天才たち。その出会いによって、彼らは再び野球、そして自らの本心に向き合うことになる。
登場人物
CVについて特に記載のない場合はTVアニメ版での配役
都立小手指高校
投手/右投右打
1年生→2年生。身長185cm。B型。12月10日生まれ。
宝谷シニア出身。野球に関して天性の才能を持つ本格派右腕。シニア時代には要と並んで「怪物バッテリー」と呼ばれていた。投打走に優れているが対人能力には劣っており、幼馴染の要にフォローされている。性格はマイペースで唯我独尊。究極の負けず嫌いでもあり、それは投球だけでなく打撃や走力などあらゆるポジションに対して発揮される。
CV：宮野真守(オリジナルアニメ・TVアニメ)
捕手/右投左打
1年生→2年生。身長172cm。AB型。4月15日生まれ。
宝谷シニア出身。かつては智将と呼ばれるほどの頭脳派プレイヤーかつ、公私共に投手を支える名捕手だったが、記憶喪失により野球に関する知識を失ったことから素人同然となっている。当初は野球を「キツイ・クサイ・コワイ」と避けていたが、仲間と出会い野球の楽しさを知ることで、少しずつ姿勢が変化していく。
一塁手/右投右打
1年生→2年生。身長164cm。O型。3月3日生まれ。
目立ちはしないが堅実で地に足のついたプレイに定評がある。穏やかな常識人で、曲者揃いの小手指メンバーの中ではツッコミ役。親しみやすい人柄でチームメイトの信頼を集める。シニア時代は捕手だったが、一塁手にコンバートした。2年生に進級してからは主将を務める。
CV：鈴木達央(オリジナルアニメ)、阿座上洋平(TVアニメ)
遊撃手/右投右打
1年生→2年生。身長181cm。O型。8月31日生まれ。
大泉シニア出身。強肩強打の大型遊撃手。「野球は根性と身体(フィジカル)」が持論。シニア時代に清峰・要バッテリーと対戦し、その試合中のミスをきっかけに一塁送球ができなくなり、野球を辞めていた。直情的かつ熱血漢なザ・体育会系。
二塁手/右投両打
1年生→2年生。身長167cm。A型。9月28日生まれ。
富士見シニア出身。俊足と巧みなバットコントロールで相手のペースを乱す技巧派プレイヤー。「野球は技術と理論」が持論。恵まれない体格を技術と理論と、それらを実現するための努力でカバーしていたが、清峰・要バッテリーと対戦して「技術と理論を備えた天才」の存在を知る。それでも努力を続けたが、そのうちに心が折れて野球を辞めていた。斜に構えた性格をしている。
CV：山谷祥生
中堅手/右投右打
2年生→3年生。身長169cm。A型。11月17日生まれ。
千早に負けず劣らずの俊足を持つ。中学時代に短期間だが軟式野球部に入っていたが、体育会系の雰囲気に馴染めずに退部。「野球は二次元しか無理」と学校の屋上で野球ゲームをしていたところに要と出会い、無理やり野球部に連行。逃亡の際に見せた俊足で正式に勧誘されて入部した。オタクであり、普段は気弱な言動だが、自分の好きな話題(オカルトなど)になると饒舌になる。
CV：鈴木崚汰
左翼手/右投右打
2年生→3年生。
小手指野球部の立ち上げメンバー。小学生時代に野球を経験しており、1年目では控え投手も務めた。細めな方。
CV：佐藤元
外野手/右投右打
2年生→3年生。
小手指野球部の立ち上げメンバー。太めな方。
一塁手/右投右打
3年生→卒業。「クソみたいな先輩」。真剣に野球をやることを「ダサい」と避けていたが、山田や部員達の説得により正式に入部する。ジャンプが好き。
三塁手/右投右打
3年生→卒業。「クソみたいな先輩」。楠田と同じく当初は野球に対し真剣な姿勢は見られなかったものの根はいい人間のようで、いつの間にか楠田に先んじて練習に来るようになった。大柄のため、球がバットに当たりさえすればかなり飛ぶ。
小手指の監督。レイラの従兄で野球経験者。高2で肩を壊してマネージャーに転向し、それでも諦めずにリハビリして大学野球に挑戦するも選手に戻ることはできなかった過去を持つ。しかし、それでも目に移し続けた野球に対する洞察力は優れている。
マネージャー。
2年生→3年生。
リトル野球経験者(投手)だが、女子野球では甲子園へは行けないという事実に気力をなくし、野球を辞めた。本人は「野球が嫌い」と言うが、リトルでは禁止の変化球や、女子の中では十分早い球が投げられたりする点からおそらく本心は……。
マネージャー兼チアリーダー。
2年生→3年生。
中学時代、応援したチームがことごとく負けることで他部員から責められてチアを辞めていた。仮想通貨を用いた投資家であり、投資界隈では買った銘柄がことごとく暴落することで有名な「逆神の億り姫(おくりひめ)」として知られている。
2年目から登場
三塁手/右投左打
1年生。
宝谷シニア出身。帝徳の陽ノ本当は実の兄で、野球を始めたのは当の影響。天才の弟という立場にコンプレックスを感じながらも、兄弟仲は良好。
投手/左投左打
1年生。
宝谷シニア出身。変幻自在のフォームからストライクを取る安定感を持つ技巧派左腕。度胸の強さは一級品であり、抜群の制球力の礎となっている。
右翼手、投手/右投右打
1年生。
「小手指でならレギュラーを取れる」と考えて進学してきた野心家。打撃の癖が元で「ゲッツーロボ」とあだ名されている。粗忽に見えて根は真っ直ぐ。
捕手/
1年生。控え捕手。入部時、パイ毛でスベった要を盛大に馬鹿にした。
関係者
- 要母
クセの強い要の母。子供の部屋に勝手に立ち入って掃除をし、見つけたAVを机の上に並べておくタイプ。記憶喪失に関しては「反抗期」「アホになった」程度の認識で、深刻には思っていない。
- 清峰兄/清峰葉流馬
AV所持数7千本を誇るキングオブAV鑑賞ニストの兄。野球部員のプレイスタイルを見てその人の趣味嗜好を把握し、適切なAVを提供する技を持つ。サラリーマンで礼儀正しいが、弟には辺りが激しい。初対面の相手とは上手く話せず、清峰家訪問時は馬の被り物を被って応対した。
- 藤堂姉妹
クールで美人な姉と、明るく可愛い妹。藤堂が野球を辞め、荒れ狂っていた時期も、優しく見守っていた。姉は家では下着族で料理下手。妹は幼く、姉を「ねーね」、兄を「にーに」と呼ぶ。
- 顧問
氏名不明。登場回数が少ないにもかかわらず、人気投票で103票34位を獲得した小手指の顧問。「毎日暑い中一緒に頑張りましたね…」
私立帝徳高等学校
CV：大塚剛央
一塁手/右投左打
1年生→2年生。身長184cm。A型。5月23日生まれ。
1年生にして名門帝徳の4番を担う天才バッター。シニア時代に敗北した怪物バッテリーに追いつくため必死に努力し、帝徳の特S推薦を勝ち取った。真面目で誠実な性格のため、同級生はもちろん上級生からも信頼されている。
投手/右投右打
2年生→3年生。身長185cm。AB型。3月6日生まれ。
陽ノ本と並び「二枚看板」と呼ばれる帝徳のエース。実力はかなりのものだが、非常に卑屈で面倒臭い性格をしているためプレーが不安定になることも少なくなく、監督を悩ませている。
投手/右投右打
2年生→3年生。身長195cm。B型。4月4日生まれ。
飛高と並び「二枚看板」と呼ばれる。恵まれた体格を持ち、投手としても打者としても能力は高い。にこやかで誰に対しても人あたりが良く、チーム内でただ1人飛高の面倒臭さを気にしていない。飛高ら同学年の部員は全員「陽ノ本と野球をやりたい」がために帝徳に進学している。
遊撃手/左打
2年生→3年生。
千早に比肩する俊足を持つ。千石曰くキレやすい。
二塁手/右投左打
2年生→3年生。身長170cm。A型。6月24日生まれ。
感情表現が乏しくいつも無表情。癖が強くつかみづらい性格だが、野球の技術は高く、チームからの信頼も厚い。後輩からよく「千石さん！」「千石さん！」と名前を連呼されているが、慕われているのかイジられているのかは不明。飛高に当たりが強い。
三塁手、右翼手/
2年生→3年生。
捕手、三塁手/
2年生→3年生。
CV：金尾哲夫
帝徳の監督。冷静沈着で厳格な名将として知られるが、逸材を前にすると正気を失う。清峰・要のバッテリーと千早・藤堂の二遊間を捕り逃して消沈したところに、四人が都立に勢ぞろいしている光景を目の当たりにした時は奇声と共に膝から崩れ落ちた。
2年目から登場
捕手/右投右打
新1年生。佐賀の神崎ボーイズ出身。帝徳に自ら売り込み、その実力とユニークさを見出された。強い自信に見合った捕球技術を持つと同時に、どんな相手でも懐に入り込んで教えを請う主体性、アドバイスを自分の身体に落とし込む理解力をも持つ。小柄ながら典型的な捕手体型をしている。
私立氷河高等学校
CV：石井マーク
投手/右投右打
身長183cm。O型。7月14日生まれ。
富士見シニア出身。ストレート勝負を好む豪腕投手で、桐島からは「ゴリラ」と呼ばれる。思ったことはすぐ口にする無神経な性格。何事にも常に全力で、球速を上げるための努力は欠かさない。千早とはシニア時代のチームメイトであり、何かと一方的に張り合う姿勢を見せる。
CV：河西健吾
投手/左投左打
身長178cm。AB型。1月24日生まれ。
氷河が誇る絶対的エース。球種の多さに加え球速も一級品。プレッシャーにも強く、チームがピンチの際にも「ピンチはチャンス」と嬉々として投球する。大阪出身であり、クールな外見に反してお笑いが好き。笑いのセンスがない後輩（特に巻田）をよくイジっている。大阪陽盟の桐島夏彦の兄。
2年目から登場
捕手/左打
新1年生。小柄だがパワーヒッターで、キャッチング技術もある。明るく活発な盛り上げ上手。先輩の巻田を「巻田クン」と呼び、敬語も使わないのは彼の性格ゆえか、あるいは巻田のいじられ属性ゆえか……。
身長198cm。
新1年生。腕や首に包帯を巻いているが、怪我をしているわけではなく本人曰く「カッコイイ」から。
私立星明学園
左翼手/右投左打
2年生→3年生。
大泉シニア出身。野球の技術はそれほど高くはないが、仲間思いの熱い人柄でチームメイトから好かれるムードメーカー。シニア時代、藤堂と同じ遊撃手を志しながらも、藤堂の存在で外野手に回された。しかし悪感情を抱くことはなく、「いい先輩」であり続けた。
投手/左投左打
2年生→3年生。
大泉シニア出身。無表情で掴みにくい人柄。シニア時代は投手としては目立つところが無く、打撃面の優秀さの方が際立っていたが、堅実な努力を続けて実力を伸ばし、投打共に星明のエースとなった。こち亀の両さんを継続の神として尊敬している。
大阪陽盟館高等学校
投手/左投
1年生→2年生。
陽盟のエース。氷河の桐島秋斗の弟。陽盟に入れず氷河を選んだ兄を見下しており、カスと呼んではばからない。不遜な性格で口が悪い。
投手/右投
1年生→2年生。
品位や品格を重要視しており、品のない発言をする夏彦を度々諫めている。
捕手/右投
1年生→2年生。身長188cm。
超高校生級のフィジカルに加え、優れたリード力を持つ陽盟の正捕手。無口で無表情。
大阪陽盟館の監督。抜群の目利きと優れたコーチング力を持つ。ある程度身体の出来上がった選手のみを獲るある種の選民的方針や、指導方法などが「学生の部活動」らしくないということで「プロ養成所」と揶揄される中、野球への愛と自らの選んだ選手たちに対する思いは確か。サッカーに対する敵対心が強い。
都立花木高校
捕手/右投右打
2年生。
2年目から登場。宝谷シニア出身。要と同学年同ポジションとして競合していたが、ついぞレギュラーを奪うことができなかった。露骨に憎悪を示す渡辺に対して、一見物腰穏やかだが、内心では激しく要に激怒している。
投手/左投左打
1年生。
2年目から登場。宝谷シニア出身。シニア時代は太っており、「エンジェル渡辺」と呼ばれるほど人当たり良く、周囲のサポートに従事していた。清峰・要バッテリー(特に要)を恨んでおり、二人の姿を模した藁人形を所持している。
横山高校
監督、ピッチャー、キャッチャー、ファースト、セカンド、ショート、サード、センター、ライト、レフトの10人が全く同じ容姿をした高校。小手指高校の近くのスポーツショップの店長とも同じ顔をしている。
アニメ
オリジナルアニメは2020年10月の「ジャンプスペシャルアニメフェスタ2020」にて公開。原作の1話と2話を元にした内容となっている。
テレビアニメはテレ東6局ネットやAT-Xにて2024年4月から放送。また、Amazonプライムビデオやネットでテレ東などでの配信も実施される。なお、制作会社はオリジナルアニメと同じだがスタッフは総入れ替えとなっている。
スタッフ（テレビアニメ版）
主題歌
OPテーマ
EDテーマ
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クワトロバッテリー：試合制作を務める高嶋栄充作の野球漫画。掲載紙は別冊少年チャンピオン。二組のバッテリーを掛け合わせることで生まれる、四通りのバッテリーという可能性を描く。
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