女児向け
じょじむけ
概要
女児、少女がメインターゲットの商品。「女の子向け」とも言う。一般的に、女子小学生向けを指すことが多い。ピンクや水色などのパステルカラーを多用した可愛いらしいものが多い。
男児向けとともに子供向け作品に含まれる。低年齢の女性向け作品とも言えるが、「女性向け」と言う時は一般的に「大人の女性向け」を指し、女児向けは念頭にないことが多い。
なお、プレティーン~女子中高生(ティーンズ)向けは「少女向け」、若年層のオタク女性向けは「乙女向け」などと呼んだりする。
詳細
昔の女児向け作品で男児向けのようなバトルがまったく扱われなかったわけではないが、魔法のようなものを使う戦闘シーンが主流で、格闘を見せることはタブーであった。2004年の『ふたりはプリキュア』がこのタブーを破ったと言われる。男児向けのような「破壊」や「暴力」のイメージを避け、敵を「浄化する」「動きをごっこ遊び風にする」というスタイルを貫くことで、女の子向けに昇華させたという(→女の子だって暴れたい)。
男児向け作品で女児向けにも展開を行うようになった作品は多い(『ドラえもん』『ポケットモンスター』など)のだが、逆に女児向け作品で男児にも受け入れられるようになったものは限られている。『ちびまる子ちゃん』がその数少ない例のひとつである(これもファミリー向けのホームドラマとして受け入れられたという側面が強い)。『赤ずきんチャチャ』は男の子にも人気が高かったことが知られ(同作のアニメ版はプリキュアシリーズ以前に格闘戦を描いていた珍しい女児向け作品である)、『カードキャプターさくら』はアメリカ合衆国で小狼主人公として再編集され、ユニセックスな展開を行っていたが、いずれも日本では男児向けに積極的な展開を行うまでは至らなかった。一方で「萌え」的な意味で大きなお友達にも楽しまれるようになった女児向け作品は多く、魔法少女ジャンルなど高年齢の男性向け作品に影響を与えている。
ドールハウス、ままごとセット、なりきり玩具(魔法のステッキなど)といった女児向けおもちゃはアニメなどとタイアップしたものが多いが、『シルバニアファミリー』など玩具からアニメ展開を行うようになったものもある。
成人後も女児向け作品やキャラクターを愛好したり、女児向けの世界に癒しを求める大人の女性も多くいる。かつては女児向けキャラクターをあしらったグッズは、思春期以降の女性からは「子供っぽい」「嫌いではないが恥ずかしい」として見向きもされない傾向が強かったが、1990年代後半の「キティラー」ブームあたりから風向きが変わり、「ゆめかわいい」などとして人気を集めている。ただし、女児向けのグッズを年長女性がそのまま身につけることはまずなく、女児向けキャラクターを使った大人向け商品(美少女戦士セーラームーン、プリキュアシリーズ、サンリオ、ディズニープリンセスのランジェリーやコスメなど)は女児向けとはデザインを変えたり、上質な素材を使ったりして差別化している。