解説
不死身の殺人鬼が潜む屋敷へ迷い込んだ美少女ジェニファーを館から脱出させるシネマティックアドベンチャーゲーム。
同社より発売された沈没船脱出ゲーム『セプテントリオン』に端を発するパニックソフトシリーズの完結編。
ストーリー
北欧の山間にひっそりとたたずむ屋敷があった。
主人の名はバロウズ。屋敷には高くそびえる時計塔があり、土地の人々はその鐘の音を合図に放牧を行ったものである。いつしか土地の人々はこう呼び習わしていた。
CLOCK TOWER ―時計塔屋敷―と。
しかし、ある日時計塔の鐘の音は途絶えてしまう。まるで時を無くしてしまったかのように。
1995年。とある孤児院にひときわ目立つ美少女がいた。
名は、ジェニファー。父は失踪、その後に母親とも死に別れ、孤児院に引き取られたのである。
そしてある日、彼女と友人達3人の養育先が見つかったという知らせが入った。
彼女は引率してくれる教師メアリーと3人の友人達と共にその養育先へ向かう。
そこがCLOCK TOWERと呼ばれる屋敷とも知らずに。
キャラクター
本作の主人公。美しい顔立ちに豊かな黒髪の長髪を持つ美少女。14歳。
- アン
4人の中で最も年長の少女。15歳。そのせいか気が強く、常に自分が一番でいたがるタイプ。殺され方が最も多彩。小説版によれば彼女は捨て子らしく、姓が無いのもその為である。
- ローラ・ハリントン
内気で物静かな少女。14歳。いつもアンと一緒にいる。
- ロッテ
4人の中で唯一ズボンを履き、ボーイッシュな雰囲気を感じさせるジェニファーの一番の親友。14歳。アンと同じく捨て子として孤児院に引き取られる。
バロウズ屋敷の秘密を暴こうと、単身行動する。
ジェニファー達を引率してきたグラニット孤児院の女教師。
バロウズ屋敷に潜む殺人鬼。身の丈よりも大きいハサミを用いて孤児院の少女達を惨殺していく。
バロウズ屋敷の当主。
ゲームシステム
特徴的なのは、カーソルで画面内のオブジェをクリックする事で対象物を調査したり、キャラクターを移動させたりするなど、キャラクターの行動は全て間接的な指示によって成立する事である。
特定の場所に差し掛かったり、トラップとなる対象物をクリックする事で、不死身の殺人鬼シザーマンが出現し、追われる状態となる。
画面内のアイテムや回避ポイントを使って完璧にやり過ごさない限り追われ続ける事になり、最悪の場合、殺されてゲームオーバーとなってしまう。
シザーマンに追いつかれたり、トラップや怪奇現象に襲われるとカーソルが点滅状態となり、この間にボタンを連打する事で危機を回避する事が可能(ただし、閉所でシザーマンに襲われたり、疲労が蓄積して顔窓が赤くなった状態で接触した場合は無条件で殺されてしまう)。
これは連打せずにはいられない(RENDA・SEZUNIHA・IRARENAI)の頭文字をとって「RSIシステム」と名づけられた、特徴的かつ、本作を象徴するシステムである。
フラグ立てのヒントや手に入れたアイテムの使用法等の情報がゲーム中では詳しくは示されないため、詰まりやすく、難易度は高い。
余談
本作における主人公の容姿、舞台設定、ストーリー、キャラクター設定、音楽などの多くの要素が映画監督ダリオ・アルジェント監督の有名作『フェノミナ』のオマージュとして作られている。
主人公ジェニファーは、名前は勿論、顔の造形もそのまま主演女優のジェニファー・コネリーをモデルにしている。
関連作品
『1』
SFC版からいくつかの新要素を加えたPS版『The First Fear』が1997年7月17日に発売。後にPS版を基にしたワンダースワン版、SFC版の移植となるWindows版がリリース。
また、WiiのバーチャルコンソールでSFC版が配信、PSP/PS3のゲームアーカイブスではPS版がそれぞれヒューマンから版権を引き継いだサンソフトから配信されている。
2023年7月に新要素などを追加した復刻版『クロックタワー・リワインド』がサンソフトよりリリースされることが発表された。2024年10月31日発売予定。
『2』
続編の『クロックタワー2(セカンド)』がPS用ソフトで発売される。それに付随して小説版とラジオドラマがリリースされた。ラジオドラマ内ではボイスドラマも放映され、CDでは未収録分・予告を収録している。
その他
シリーズ関連作として外伝的位置づけとなる『クロックタワーゴーストヘッド』がプレイステーション用ソフトとして発売。ヒューマン倒産後の2002年に、サンソフトとカプコンが共同開発し、イベントシーンのムービーの監督として深作欣二を迎え、ゲームシステムと設定を一新したナンバリングタイトル『クロックタワー3』がPS2用ソフトとして発売された。