「私たちは兵器、感情など持たない。ただ指揮官の命令に従うだけ」
概要
勝利の女神:NIKKEに登場する少女型ヒューマノイド。スペルは「NIKKE」。
性能・特徴
ラプチャーの大規模侵攻を受けた人類連合軍が、対抗手段として作り出した人型生体兵器。簡単に言うならば人間の脳を機械のボディに移植したもの。
ラプチャーとの戦闘に耐えうる耐久力を持ち、人間では到底扱えない対ラプチャー用の高火力武器を扱える他(人類が使用しようものなら発砲時の衝撃で身体に負荷が掛かるとの事)、体を破壊されても脳とコアさえ無事であればボディを換装して生き延びられる。(保存用の容器がある場合は、頭のみ残っていれば問題ない。)戦闘で負傷する事が有るが、包帯等を巻いても物理的に意味は無い(後述のメンタル面での効果はある)。元々痛覚というものが遮断されており、骨折はおろか、背骨や骨盤などの、人類ならば悶え苦しむ程の損傷でも、機能的に動けずとも冷静に対処する事が出来る。体内に埋め込まれた自家発電形式のコアによって半永久的に活動可能。因みにコアは、心臓部辺りに搭載している。
戦闘用ボディは筋力や耐久力に優れるものの、重量が相撲取りレベルになってしまう欠点があり、氷の上や橋を渡る時は慎重にならなければならない。重量ゆえに水泳も出来ない(例外として海軍であるイージス部隊所属ニケは水泳可能)。このため日常を過ごす時は生身の人間と大差ない非戦闘用ボディに換装する。ちなみに水泳用ボディに換装すれば通常のニケも泳げるようになる。
また、量産型ニケでも相応の素質があったり、特段の戦果を上げた場合は、専用武装やボディの換装を行い、個体名を持つニケとなるケースもある。
人間から移植した、あるいはクローン培養による脳髄以外は全てガッデシアムと呼ばれる金属で構成されているものの、外見だけでなく肌の質感や柔らかさ、そして内臓まで完璧に人間を模倣しているが、流石に卵子は模倣出来無かったのか、子供を授かる事は不可能。誕生(製造)した時からその容姿のままであり、基本的に成長や老いという概念は無いとされるが、一部ニケには体重が増える謎の現象が確認されているらしい…。容姿については本人が抱く理想の姿になるのだという。(ただ、体形を気にするニケがいたりするため、絶対でも無いらしい。)
指揮官曰くプレイヤー拠点である前哨基地(即ち仲間として迎える事の出来るニケ≒シナリオ中に登場するほぼ全てのニケ)には20代後半から30代前半の(外見)年齢に該当する女性はいない、とのこと。
部位が欠損してもクローン培養による部位を移植する事で補う事が出来る他、サイボーグ技術による義肢を装着するニケも存在する(スノーホワイト等)。
過去に男性型も創造しようとしたが何故か失敗に終わり、以後は女性型のみを創造している。
メインシナリオ時点での世代のニケは人間の様に食事をし、入浴も睡眠もするが理論上不要であり、飢える事も体臭が発生する事も脳を休ませる必要も無い(これらは自身のメンタルの維持の為に行っている)。(イベントOVERZONE時のゴッデス部隊が現役だった時代の世代のNIKKEは摂食が必要。)
そして最大の特徴が製造時にNIMPH(Neuro-Implanted Machine for Protecting Human)というナノマシンを脳髄に打ち込んでいる事である。
脳のニューロンに作用し記憶の保存・消去・上書きを可能にする為
- 外部ストレージに自身の記憶を保存しバックアップ
- 想定していない言動を行い、不具合が疑われるニケの記憶初期化
などが可能。
また恐怖心の消去や人類への反抗防止(ただし、指揮官などの主人が人間の強盗に襲われている場合などは制圧行動を執れる)、指揮官の命令を絶対とする等の制御が可能に成った、はずなのだが様々な回避手段により、戦闘からの無許可逃亡や自身を非道に扱った指揮官への背中撃ち事件が多発している。
また、記憶が初期化されると当然のごとく戦闘経験なども消失するため、相応のデメリットがある。
なお、暗殺用ニケやアークとは別勢力であるエデン所属のニケは、人間への加害防止ロックが外されており、人間を殺害可能である。
この加害防止のロックも個々で差があり、裏社会を縄張りとするアンダーワールドクイーンは「比較的ゆるい」と言った特徴があったり、直接狙わずに間接的な攻撃(跳弾など)は可能だったりする場合もある。かつては、ある条件でNIMPHを騙し人間を殺害したニケもいる。
また、当然の事ながら『人間に危害を加える気は無いが、射線上に民間人が入ってきてしまったために、弾丸が当たり民間人が死亡する』、と言う事は起こりえる。この場合は事故として処理され、発砲したニケは始末書を書く必要があるが、始末書程度で済む程度、とも言える。
更にNIMPHはラプチャーやテロ組織に囚われたニケに対して自身を悪用される前に「脳を焼く」という自殺手段も提供する。
この様にニケを兵器として効率的に運用する為に欠かせない技術で有るのだが、何処から来たのか、誰が発明したのか、どういう仕組なのか殆どがブラックボックスと成っている謎の多い技術。
セシル曰く「よく分からないが便利だからという理由だけで使っている、適用対象による個体差の幅も非常に大きい、非常に危うい技術」であるのだが、ラプチャーの攻撃からの人類の生存という近視眼的な理由で使い続けている。
(前述の通り実際に本来は発生し得ない、人間への敵対行為が多発している。)
そしてNIMPHを持つニケの最大の脅威が侵食である。侵食はラプチャーがニケのNIMPHに侵食コードを流し込みNIMPHを変化させる。
変化したNIMPHは脳に強制的な命令を持続的に下しニケをコントロールする。
以上の事からNIMPHが有るから侵食を受けてしまう、故にNIMPHが無ければ侵食は起こる事が無い。
脳まで侵食された場合は助からないとされており殺処分対象と成るが、侵食が比較的初期ならば記憶の全消去によって治癒する可能性がある。
このNIMPHをニケの体からの取り除く手段としてアンチェインドというものが存在し、物語のキーの一つと成っている。
とは言え彼女達にも自我が有り、一人一人に喜怒哀楽の感情や個性がある。
また市民権や一定の発言権を許可されている。
また、人類も事故などで欠損した部位をニケのパーツで補う他、延命の為に脳髄を取り出してニケとして生まれ変わるケースもあり(マクスウェル等)、近年ではニケに憧れ、自分もニケに成りたいと志願する者が後を絶たないが、人間の脳髄では適合率が32.3%と低く、残りは死亡する。
適合したとしても半数以上が適合率の事情で量産型ニケに成る他、99.7%が記憶喪失や精神錯乱などの副作用を発症する。
現在でもロイヤルロードの上流階級から、アウターリムというどん底まで、貴賤問わずニケと成っている。
後にレッドフードから、最初期にカスタムモデルとして創造されたニケは「フェアリーテイル」という、ハッピーエンドで終わる御伽話のキャラクターに因んで創造されたとの事で、ドロシーは2番目、レッドフードは5番目に創造された事が語られた。
思考転換
ニケを運用する上で起きる異常として「思考転換」があげられる。
これは、性格や思考の方向性がまるごと変わってしまう現象であり、主に精神的なショックや過大なストレスを受けた際に起きる事が多い。
思考転換の原因は不明だが脳と精神を守るため、NIMPHが起こしているとされる説がある。
また、NIMPHを使用している時に起きるエラーの様な物と言う説もある。
そもそも上記に記載している通り、NIMPHは由来不明の技術であり、わからない事も多いため、仮にNIMPHが原因であれば、予防や対抗策に関しても現時点では無いと言える。
また、長く生存している場合、生前の人間の記憶と現在の自分に違和感を感じてしまい、『自身が人間では無い』と認識してしまうと起きてしまう。
ニケは長時間の睡眠や食事、入浴などは不要の存在であるが、これが人間では無いことに意識が結びついてしまうと思考転換の要因になるため、ニケであっても人間らしい生活を送る事を推奨されている他、軽度の損傷であれば自然治癒にまかせるのが望ましいとされる。
いつもと寝心地が違うソファで寝不足が続き思考転換を起こしかけたりする事例もあるので、こうすれば絶対に起きない、という対応策は存在しないに等しい。
一方でNIMPHによる記憶の消去や違う記憶での上書きで思考転換を避けられる例もあり、例えば首を切断されたニケが修復された際、切断された記憶の消去、または切断されずに「勇敢に戦った」と言う記憶を上書きされて思考転換を防いだこともある。
ただ、同じ体験をした別のニケは首を切断されていたことを覚えていたため、この処置が発動するのも個人差がある。
思考転換の方向性は様々であるが、中には味方や人類に対して敵対行動を起こす例もあり、そのためか思考転換を起こしたニケは、通例であればイレギュラーとして処分すると言う決まりになっている。
これを事前に察知し、対策するため指揮官はニケに対してメンタルテストを定期的に行っている。(ゲーム内システムの面談がこれにあたる。)
もし、メンタルテストに不穏な点があった場合はリペアセンターに送られることになる。
放置しておけば発狂の様な状態となり、人喰いになってしまった例もある。
現在ではほぼ無いが、ニケ開発の黎明期に存在した近接戦闘部隊はラプチャーと至近距離で戦うと言う恐怖によるストレスで思考転換の確率は他より高い水準で起きていることが語られている。
また、自身の体に強い違和感を覚えた際も発生し、ジェット推進機能や武器をボディに内装しているニケが作られたこともあったが、現在はいないのもこれが要因である。
過去、ニケの体内にある液体触媒(いわゆる血液)は緑色であったが、これも思考転換の要因となっていたため、現在のニケの体内の液体触媒は赤色に調整されている。
思考転換するとまるで別人のような性格に変わってしまうが、全部が全部変わってしまう訳でも無く個人差がある。
例えば、紅蓮の場合は思考転換前は酒を飲まず、自他ともに厳しい性格であったが、思考転換後は、酒を嗜み、緩い性格へと変化した。
スノーホワイトは思考転換前は人見知りで気弱な性格であったが、思考転換後は冷徹で感情をあまり露わにしない性格になったが、食い意地が張っている部分は受け継いでいる。
紅蓮やスノーホワイトと言った旧世代のニケは思考転換に関しても現在のニケとは仕組みが違うらしく、イレギュラーになる事はほぼ無い模様。
ただし、絶対では無く紅蓮と同世代の近接戦闘部隊の同僚は味方に切りかかったため、その場で処断されている。
現時点で思考転換を起こしていると判明しているのはピルグリムのみである。
(そもそもアーク内で作られたニケが思考転換を起こした時点で、イレギュラーとして処分されてしまうわけだが。)
実装されているニケの中では、紅蓮とスノーホワイトのみで、長年生きてきた中で数回の思考転換を起こしている。
ラプンツェルは長年生きているが、ゴッデス部隊の時代+直近一年以外の記憶を破棄する事で脳の負荷を下げており、思考転換を防いでる。
ドロシーは気合と執念でゴッデス部隊の時代から続く全ての記憶を保持していながら思考転換を起こしていない。
(ただ、ドロシーのアークと敵対する姿勢はライトな思考転換と言えるかもしれない。もっとも人類存亡の緊急事態とは言え、全面的にドロシーの期待を裏切ったアーク側が悪いのだが。)
関連タグ
勝利の女神:NIKKE 量産型ニケ ヒューマノイド サイボーグ
此方は製造に人間の脳髄や無機物を使用していないが
- 外観が人間と瓜二つのヒューマノイド
- 人間への絶対服従が組み込まれている
- 自我が有るにも係わらず物として非道に扱われる
- 原理上女性型しか生産出来ない
- 謎の機械生命体と戦っている
等々、共通点が多い。
NieR:Automata:主人公たちの「アンドロイド」は人造物であり、人間を模して造られている他、機械生命体からハッキングを受けると敵対行動を取り、目が赤くなると言った共通点がある。
赫奕たる異端に登場した戦闘用サイボーグの名称で脳を除く部分はサイボーグ化しており
単一の戦闘力はニケ同様に高い。
ニケ同様に欠損しても脳が無事なら生存が可能で、劇中で上半身のみ残ったテイタニアは
生存している。
ただしニケと違い、戦闘補助を有する補助脳が損傷すれば戦闘力は低下し、人工血液は
定期的に交換若しくは透析しないと生存出来ない等の欠点も有る。
人間の脳髄の使用やそれに伴う精神異常(『ロボコップ2』より)、例え元人間であっても人間ではなく物として扱われる事や関係者への危害がセーブされている点等が共通している。ただ、こちらはニケよりもメカニカルな外見をしており動きも鈍重である。