概要
1997年1月~3月までフジテレビ系列局にて放送された織田裕二主演の連続テレビドラマ。略称は「踊る」。※「捜査線」は一部のキッズのみに通用
フジテレビは同年3月10日に河田町からお台場に局舎を移転したため、旧局舎時代に放送されたドラマとしては最後の作品となった。
それまでの典型的な刑事ドラマとは異なり、警察を会社、刑事をサラリーマンに見立てた上司と部下の悲喜こもごもなドラマを軸に描かれた。
放送終了後に人気が爆発し、その後複数のスペシャルドラマ・映画が制作され、社会現象となった。
本作を起源とした一連の作品群は「踊るレジェンド」( Odoru. LEGEND Series / 踊るレジェンドシリーズ )と題され数々のスピンオフも制作されている。
『新世紀エヴァンゲリオン』や『機動警察パトレイバー』といったアニメ作品の影響が顕著なことや、インターネット黎明期にネットユーザーとの交流を積極的に取り入れたことで、当時のオタク層にも大変な人気を博した。
岡田斗司夫は「今アニメよりも踊る大捜査線のほうが面白い」と、最初の映画公開前に雑誌のインタビューで答えている。
ただし、メイン監督は重度のアニオタなのに、メイン脚本家は当時のオタク文化・ネット文化・若者文化が余り好きでは無かったようであり、それによる一種の不協和音が有るのも事実である。(たとえば、関係者の許可を得た上で「新世紀エヴァンゲリオン」の劇伴を作中で使う一方で、当時の「オタク」「ネットユーザー」「中高年には理解し難い若者」のステレオタイプ的なキャラが悪役になるなど)
本作の記録的な成功を受け、その後日本では、人気TVドラマの続編や新作が映画として公開される風潮が根付くことになった。
2003年7月19日に公開された映画2作目となる「THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は興行収入173.5億円を記録。この記録は実写邦画歴代興行収入1位となっており、現在もこの記録は破られていない。
2006年8月26日には本作の監督の本広克行やそのスタッフたちが集まった『UDON』が公開され、真下正義役を演じたユースケ・サンタマリアが主演を務めた。
2012年9月7日公開の映画「THE FINAL」をもって、シリーズ15年の歴史に幕を閉じた。しかし2024年秋に12年ぶりに新作が公開される事が決定した。主人公は室井慎次となり、10月と11月に二部作で公開予定。
シリーズ一覧
「踊るレジェンド」は※印。
タイトル | 時期 | |
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踊る大捜査線 | 1997年1月~3月 | 全11話 |
スペシャルドラマ | ||
踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル | 1997年末 | |
踊る大捜査線 番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル | 1998年6月 | |
踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル | 1998年10月 | |
逃亡者 木島丈一郎 | 2005年12月 | ※ |
弁護士 灰島秀樹 | 2006年10月 | ※ |
警護官 内田晋三 | 2007年1月 | ※ |
踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件 | 2012年9月 | |
映画 | ||
踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間! | 1998年10月 | |
踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! | 2003年7月 | |
交渉人 真下正義 | 2005年5月 | ※ |
容疑者 室井慎次 | 2005年8月 | ※ |
踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ! | 2010年7月 | |
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 | 2012年9月 | |
室井慎次 敗れざる者 | 2024年10月 | ※ |
室井慎次 生き続ける者 | 2024年11月 | ※ |
ミニドラマ | ||
深夜も踊る大捜査線 湾岸署史上最悪の3人! | 1998年10月 | 全5話 |
踊る大ソウル線 | 2001年9月 | W杯コラボ |
深夜も踊る大捜査線2 | 2003年7月 | 全5話 |
係長 青島俊作 THE MOBILE 事件は取調室で起きている! | 2010年6月 | 全12話 |
深夜も踊る大捜査線3 | 2010年6月 | 全4話 |
係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている! | 2012年9月 | 全10話 |
深夜も踊る大捜査線 THE FINAL | 2012年9月 | 全4話 |
その他
この作品の特徴は、フィクションの作品でありながら一部の設定がノンフィクション扱いとなっている事である。1人の俳優とそれが演じる人物の生年月日・年齢・血液型などがその1つ。
また、刑事ドラマの犯人と言えば、物語が進むにつれて徐々に明らかになっていくのが普通であるが、このシリーズの場合は大抵、登場した時点で既に本性が剥き出しになっているのも、シリーズの特徴1つともいえる。
主な舞台は架空の警察署である警視庁湾岸警察署だが、本作放映後の2008年3月に東京水上警察署が移転改組して「東京湾岸警察署」が発足した。
ネットでは専らサンバディトゥナイの愛称で親しまれる。
これは、ドラマの代名詞とも言える主題歌「Love Somebody」に由来する。
なお本広監督の代表作でもあるため、pixivでは『PSYCHO-PASS』と本作を絡めたイラストも多数投稿されている。
主な登場人物
真下正義(演:ユースケ・サンタマリア)
神田総一朗署長・秋山晴海副署長・袴田健吾刑事課長(演:北村総一朗・斉藤暁・小野武彦)