声:朝井彩加(アニメ版)
概要及び経歴
クールな美人マネージャー(『逆転裁判2』第4話『さらば、逆転』)
『逆転裁判2』第4話『さらば、逆転』に初登場。年齢23歳。身長161cm。3サイズ・B82・W59・H84。
被告人の人気俳優・王都楼真悟のマネージャー。芸能界では「才色兼備の女性マネージャー」として有名。評判に違わず、冷静沈着で頭脳明晰な女性。自主性に乏しく頼りない王都楼を的確にサポートして、彼の業績や出世に大きく貢献している。王都楼の不甲斐なさに苛立つ事も無く、常日頃から淡々と彼の世話役もこなしている。時として人懐っこい面を見せる王都楼とは対照的に、いつも相手との距離を取る様な冷めた態度でいる。王都楼からも非常に頼りにされており、携帯電話を通じての相談事の相手をする時も多い。
王都楼のライバル俳優・藤見野イサオとの密会が度々スクープされており、世間からは交際疑惑が浮上している。荷星三郎から「好みのタイプ」として好意を寄せられているが、霧緒本人は彼の思いは知らずに「良い人」という漠然とした印象を持つに留まる。
細身の眼鏡が外見でも、ダメージモーションでも大きな特徴となっている。ダメージモーションでは自動的に眼鏡が破損し、動揺を隠し切れていない表情を浮かべて、新しい眼鏡を取り出して着け換える。幾ら眼鏡が破損しても、尽きる事の無いスペアを所持する。金髪ロングヘアで髪留めや髪飾りの類いは付けていない。洋服は青いホルターネックと青緑のズボンを着用している。作中では屋内にいる所しか描かれていないが『2』の攻略本では「3月なのにノースリーブは寒そう」とコメントされた。作中では常に手帳を手に持っており、会話の合間や考え事をしている時に相手から目を逸らしてページを捲るのが癖。『2』の攻略本のインタビューにて「何かを触りながら話すのは何故?」と質問されると「そんなの考えた事も無かったわ。何かをいじっていると安心するみたい。きっと私の癖なのかしら」と回答した。
日本一の特撮ヒーローにグランプリが授与される、第3回『全日本ヒーロー・オブ・ヒーロー』の授賞式に関係者一同と共に参加し、開催地である『ホテル・バンドー・インペリアル』に宿泊する。『大江戸戦士トノサマン・丙!』の主演俳優・王都楼のグランプリ授賞を見届けると、その後にあるイベントの開催を告げるべく藤見野の控え室へと向かう。そこで彼の死体の第一発見者となると同時に、日頃の癖から現場に落ちていた『ピンクのサザエが描かれたカード』を何となく持ち去ってしまう。それ以降は時折、手帳の代わりにカードをいじっている。霧緒の持つ『サザエのカード』を見た御剣は血相を変えて「今回の事件の裏で暗躍している人物」に気付き、ここから事態は思いがけない方向へ進展して行く。
その他にも「トノサマン・丙の着ぐるみを着た、王都楼と見られる人物の不審な行動」も目撃しており、証人の1人として出廷する。王都楼のマネージャーという役職に反して、彼を庇う発言は一切見せず「罪は罪なのだから償うべき」と厳しい態度を見せる。それ所か王都楼の容疑を強化する証言に終始し、担当弁護士・成歩堂には「王都楼に何らかの恨みがあり、彼に罪を着せようと画策しているのでは?」と疑われ、不運にも藤見野殺害の嫌疑を掛けられて真犯人として告発されてしまう。また検察側の証人なので、事前に行われた検事・狩魔冥からの入れ知恵に従い「言及したくない事は黙秘権を行使して証言を回避する行動」にまで及んだのが仇となり、法廷中の人々から寄せられる疑念が益々、強まる事となった。
『倉院の里・秘宝展』の主催者(『逆転裁判3』第2話『盗まれた逆転』)
前回の事件から半年後、マネージャーを引退し転職。現在は創業200年を迎える老舗デパート『高菱屋』に勤務している。デパートのイベントプランナー等の業務に携わっている模様。半年前の事件を経て、成歩堂達とは信頼関係を築いた霧緒は「成歩堂と仲間達にお礼をしたいので、彼の助手・綾里真宵の実家の綾里家、一族の故郷『倉院の里』を世間に知って貰おう」との考えから『倉院の里・秘宝展』の企画・プロモーションを手掛け責任者を務めている。そこで『秘宝展』の下見にやって来た彼らと再会する事となった。ちなみに前述の藤見野殺害事件では、諸事情あって真犯人の共犯者に誘拐されていた真宵とは出会っていない為、今回の『秘宝展』を通じて初めて彼女と顔を合わせた。成歩堂は「真宵を救う為とは言え、一時的に霧緒に濡れ衣を着せてしまった事」を、霧緒は「自分の事件当時の行動が原因で、本来は無関係だった成歩堂達まで事件に巻き込まれる二次被害を生んだ事」をお互いに申し訳ないと思っていたので、元気に暮らしている相手の様子を見られて安心していた。彼らは再会した夜には『高菱屋』の高級レストランで和やかに会食を楽しんだ。
『秘宝展』の目玉である『倉院の壺』が怪盗・怪人☆仮面マスクからの予告状で「次の獲物」として狙われていると知って、仮面マスクのライバルとして有名な探偵・星威岳哀牙に警備を依頼した。これに関して哀牙は「この私を選ぶとは霧緒嬢もお目が高い」とご満悦であった。しかし肝心の壺はあっさりと盗まれてしまい、霧緒は「恩返しをするつもりが、かえって迷惑を掛けてしまった」と綾里家の人々に対しての罪悪感に苦悩する羽目になる。真宵が従姉妹・綾里春美と共に秘宝を盗まれて悲嘆に暮れる姿に罪悪感を刺激されて「ごめんなさい!」と何度も平謝りを繰り返し、2人の保護者である成歩堂まで謝罪相手に含まれた。この時の取り乱し様は、冷徹さすら見せた『2』の頃からは想像も付かない位に感情豊かである。
『3』では髪を後頭部で纏めてアップにしており、黒色のホルターネックを着用している。ズボンの色は青に変わった。冷たい雰囲気を醸し出していた以前と異なり、全体的に明るい印象を与える装いとなった。
「半年前の事件で長年の苦悩を吹っ切れた」と語っており、性格も前作とは別人の様に明るく朗らかに笑う様になったが、ドジっ子属性も追加された模様である。『2』では自身の抱える問題が災いして、常に精神も雰囲気も張り詰めていたが、苦悩から解放された反動で心にゆとりが生まれた結果、素の部分が表出する様になったのかもしれない。混乱した時は口調がどもり、眼鏡がずれて手帳を丸める様になった。
『3』の攻略本では脚本家が「霧緒をまた出そうって思ったのは『2』の中で(ユーザーの)皆さんにとても人気が高かったからです。一番考えて書いたキャラだからだと思うんですけどね。彼女は結構好きですね」と説明している。また名前の由来についても「霧緒という名前は、男か女か解らない様な名前にしたくて付けました」と語った。ちなみに苗字の由来は「『CAPCOM』のゲームクリエイターで『逆転』シリーズ初期の制作協力を行い、ゲーム版でのゴドーの声も担当した神谷英樹から取られたという説」が噂されている。
関連イラスト
関連タグ
ここから先は『2』及び『3』のネタバレを含みます!
美人マネージャーの苦悩
依存症との向き合い(『逆転裁判2』第4話『さらば、逆転』)
実は王都楼を「藤見野イサオ殺害の真犯人」に仕立て上げようとした張本人。霧緒が幾つもの現場工作を施したからこそ、王都楼は逮捕される事となった。彼女の目的は2年前、敬愛する先輩マネージャー・天野由利恵の人生を滅茶苦茶にした末に、自殺へと追いやった2人の冷血漢・王都楼と藤見野への復讐である。霧緒は彼らを「最低の男達」と断言する程、激しく憎んでいる。
霧緒は昔から自分に自信が持てず「依存症という精神疾患」を抱えており、依存対象となる人物に対して盲目的になる悪癖があった。そんな彼女が当時、依存していたのが由利恵だった。由利恵は自分が後輩の霧緒に依存対象とされているとも知らず、良き先輩として親交を持っていたが、霧緒の方は常日頃から「依存相手である由利恵がいなければ、生きて行けない程の精神状態」にあった。「霧緒が普段見せるクールな敏腕マネージャーとしての振る舞いは、尊敬と依存の対象・由利恵の模倣説」を唱える声もある。
由利恵は当初『英都プロダクション』の所属者で、担当俳優となった王都楼に誘われて恋愛関係となった。2人は芸能人とその担当マネージャーという「時間と場所を問わず、一緒にいても怪しまれない関係性」を巧妙に利用し、極秘交際を手軽に楽しんでいた。ところが由利恵は何の落ち度も無いのに「ただ飽きたから」との理由だけで、あっさりと王都楼に捨てられてしまう。彼と同じ事務所にいる事にも苦痛を覚える様になった由利恵は『光映プロダクション』へと転属し、マネージャー業を続ける事にした。霧緒は元々『英都プロダクション』のアルバイトだったが、退所した由利恵の後を継いで「王都楼の新マネージャー」に就任した。
その頃、由利恵は新たに担当俳優となった藤見野と恋愛関係となり、最終的には婚約にまで至った。しかし「自分のライバルと元彼女の幸福な結婚」が面白くない王都楼は「由利恵は自分の元恋人」だと藤見野に暴露する。この事実に激怒した藤見野は強制的に由利恵との婚約を解消してしまう。その日の夜、全てに絶望した由利恵は遺書を遺して自殺してしまい、彼女を心から慕っていた霧緒も後追い自殺を図った。
だが「由利恵の遺書を藤見野が隠蔽した可能性がある」と知ると、霧緒は「由利恵の遺書の入手目的で藤見野に接近し、彼と協力した上で王都楼を失脚させる計画」を共謀する様になった。藤見野との密会を重ねていたのは「王都楼失脚計画の進行」が目的である。その計画とは「藤見野がトノサマン・丙の着ぐるみを着て、王都楼に成り済ましての記者会見を開催し、由利恵の遺書を通じて、王都楼の悪事を暴露して失脚へと追いやる」という内容であった。この会見で使用されるトノサマン・丙の着ぐるみを調達したのは勿論、霧緒である。彼女は「会見の準備が整った」と控え室にいる藤見野に報告しに行くが、そこで待っていたのは遺体と化した藤見野と、遺書を保管していた熊のアクセサリーが紛失した現状だった。本物の遺書はとっくに藤見野に隠蔽されており、捜査の果てに王都楼の自宅から回収された熊のアクセサリーの中には偽物の遺書が入っていた。これは「本物の遺書が王都楼の失脚を招く内容ではない事に立腹した、藤見野が自分の望むままの内容を執筆して作成した偽造品」であった。結局、最後まで霧緒が「本物の由利恵の遺書」を手にする事は無いまま事件は終息を迎えた。
「険悪なライバル関係からして、王都楼が藤見野を殺害した真犯人」と悟った霧緒は、この状況に便乗して今度は現場工作によって、王都楼が殺人犯として逮捕される様に仕向ける。彼女は前述のトノサマン・丙の着ぐるみを着て姿を隠しながら、現場である「藤見野の楽屋」と「王都楼の楽屋」を往来し、王都楼が裁判で有罪となる様に幾つもの偽装工作を行った。これらの犯行が原因で「霧緒が真犯人」だと成歩堂に疑われた挙げ句の果てに、その誤解が解けた後も「王都楼の無罪判決を要求する、彼の共犯者に誘拐された真宵の救出」までの時間を稼ぐ為の身代わりとして、藤見野の殺害容疑で告発されてしまい緊急逮捕された。彼女は偽証と現場工作に関しては早い段階で認めたものの、殺人までは犯していないのに殺人罪に問われる事には激しく抵抗し、仕舞いには王都楼に「今度こそ罪を償わせてやる」と言い放って憎悪を剥き出しにした。
前述の他にも、裁判では何かと酷い目に遭っている気の毒な女性である。偽証と現場工作も重大な罪であり、真犯人だと誤解される行動に及んでいる落ち度はあるのだが。前述の成歩堂に続いて、王都楼の共犯者からも無線機を通じて「私の依頼者は華宮霧緒」と証言される形で真犯人に仕立てられたり、今まで秘匿にして来た「依存症の患者である事実」を御剣に暴露されたり、傍聴人一同からも殺人犯扱いされ、誰も味方がいない状況の中で窮地へと追いやられてしまう。
そんな中、本来の担当検事であった冥からは「検察側の証人で何かしら深刻な事情を抱えている様だから」と丁重に扱われた様で、今度は彼女に依存する発言や行動に出てしまう時もあった。冥を盲信する余り「入れ知恵されていた黙秘権の行使」により、危うく殺人罪での有罪判決を下されかけたりもした。元から訳ありの女性には親切な冥は「この現状を招いてしまった事には私にも非がある」と考え、事件解決後も霧緒の支えとなるべく親交を維持し、エンディングでは「出所したら何でも相談に乗らせて欲しい」と書いた手紙を送っている。『3』のエンディングでも、未だに2人の程良い距離感での親交は続いていて、霧緒の話によると「今度は私に鞭の使い方まで指南してくれた」らしい。
王都楼が藤見野殺害すべく雇った、凄腕の殺し屋・虎狼死家左々右エ門は現場には「自身の仕事の証であるサザエのカード」を除いて、現場には徹底的に証拠を残さない完璧主義者であり、依頼者には決して殺人容疑が掛からない様に細工を施す。藤見野殺害の凶器も「元から彼が身に付けていた舞台衣装のマフラー」を絞殺用のロープ代わりに用いただけである。霧緒の現場工作は「狡猾な王都楼が逮捕される千載一遇のチャンスを生み、彼の社会的抹殺への道筋をも作り出したという点」においては有意義な行動であったとも言える。「結果として本来は王都楼達の因縁とは無関係である、成歩堂と仲間達まで巻き込まれる二次被害を生んでしまったが、彼らの介入も加わったからこそ事件は理想的な形で解決するに至った」のだから。霧緒が現場工作に及ばなければ「卑劣漢である王都楼による私利私欲の為だけに、犠牲者とされる人々が際限なく増え続ける未来」が待ち受けていた事は想像に難くない。
裁判の最終局面で「王都楼の罪相応の報いを受けての破滅、一連の事件の完全な解決」を見届けた霧緒は全ての苦悩から解放されて、今までからは想像も付かない程に晴れやかな笑顔を浮かべて、自分を救ってくれた成歩堂と仲間達に深い感謝の言葉を述べた。彼女曰く「留置所で孤独な境遇に置かれた事で、やっと自分自身と向き合う事が出来た為、依存症の克服にも繋がった」そうだ。偽証や現場工作の罪で数ヶ月は勾留される身になったものの、この時点で「罪を償う生活を送る覚悟」も固めており、今後の人生に対して前向きな姿勢を見せて法廷を後にした。エンディングでは拘置所生活中も度々、面会に訪れる成歩堂達との交流を励みに新しい人生の為にも立ち直っている場面も見せてくれた。
その数ヶ月後に転職したが、彼女のした行為は死体損壊という犯罪に当たる為、現実的に考えると何事も無かったかの様に半年で社会復帰・転職するのは無理がある。だが『逆転』シリーズでは「情状酌量の余地がある人物による、現実離れした早期の社会復帰」はよくある事である。
狙われた『秘宝展』(『逆転裁判3』第2話『盗まれた逆転』)
第二の人生を明るく楽しく過ごしていた霧緒であったが、仮面マスクによる『倉院の壺』盗難事件で数々の失敗を犯し、新たな悩みを抱える事となってしまう。筆頭に挙げられるのは迷探偵・星威岳哀牙を警備役に雇用したが為に、まんまと『倉院の壺』が盗まれる契機を作り出してしまった事である。王都楼と哀牙の変人ぶりをよく知る、成歩堂は胸中で「霧緒さん、また変な男に引っ掛かってるな‥‥」と語っていた。
「実は彼女は『倉院の壺』が盗まれる前から、その壺を割ってしまうという、とんでもないミスを仕出かしている事」が後に判明した。当初は百貨店の地下倉庫で専用の木箱に入れて壺の管理を担当していたのだが、持ち運んでいる途中、ピンクのペンキの缶に躓いて箱ごと壺を落としてしまう。このペンキは倉庫内に保管されていた看板等の塗装に使用している物で、霧緒に倒された後は中身のペンキが床に流れ出して大きなピンクの水溜まりまで作った。中の壺を確認しようと箱を持ち上げた所、箱も壺も壊れていた為、箱に空いた隙間からは大量の破片と化した壺が流れ落ち、運の悪い事にペンキの水溜まりの中に落ちてしまった。
この経緯から責任を痛感した霧緒は『秘宝展』の開催に間に合う様に極秘で壺の修理に当たる。『2』での壺を割った犯人にして図画工作が苦手な春美とは違い、壺を本来の形に戻す事は出来たものの、流石にペンキの除去までは手が回らずに終わった。元々『倉院の壺』は無地の青い壺に「供子」と先祖の名前が書かれただけのシンプルなデザインであった。だが霧緒の不手際によって「壺の全身を覆う桜吹雪の様なピンクの斑点」が付着してしまった。真宵と春美は「秘宝が戻って来ただけでも十分嬉しい」と以前にも増して珍妙な見た目と化した壺も受け入れていた。また結果的に霧緒が壺を割った事が今回の事件の真犯人の犯行と正体を暴くのに一役買った。ちなみにエンディングでの「幼い頃の千尋と真宵の写真」からして、時系列としては『倉院の壺』を割った犯人は「真宵→春美→霧緒」の順番に並べられる。
アニメ版
姉の仇討ち(第1期・第21話~第24話『さらば、逆転』)
アニメ版では特に大きな改変が加えられた人物の1人である。依存症という設定は消去され、実の姉となった由利恵の仇討ち目的で行動している。由利恵の名前も霧緒に合わせて「華宮由利恵」に変更された。原作以上に王都楼からの残酷な仕打ちを受けた事で、ついに彼を憎む様になった由利恵は「王都楼の悪事を証明する内容が綴られた本物の遺書」を残すと自殺を遂げた。姉の遺書は検察側の証拠品として回収・提出された為、霧緒の手に渡る事こそ無かったものの「本物の由利恵の遺書の内容を確認したい」という念願は叶えられた。
「霧緒の依存症」&「本物と偽物の遺書」という事件を複雑化させている二大要因が削除された為、原作と比較すると『さらば、逆転』のシナリオは大幅に簡略化される結果となった。またアニメ版では「原作の随所で散見される、現実離れした不自然な描写」は軒並みカットされている影響で、霧緒の眼鏡が自然に割れるダメージモーションも無くなった。
余談
身長設定
作中では矢鱈と「小柄な人物である事」を強調される霧緒であるが、彼女の身長は161cmと日本人女性の平均身長158cmよりも3cmも高い。身長150cm台の女性キャラが多い『逆転』シリーズの中では「十分高い」と言える数値である。「小柄設定は依存症の原因」としても扱われており、その証拠に攻略本のインタビューで「他人に依存してしまうのは何故?」との質問には「それが解れば、私も苦労しないわ。私、昔から体が小さかったから‥‥。それで自信を失くしてしまったせいだと思うの」と回答している。
インタビューでの発言から推測するに、無難な見解としては「今でこそ平均台と言える身長だが、幼少期は群を抜いて小柄だった為、成人した今でも小柄な少女時代に生まれた恐怖感や不安感を引き摺っている影響で、自信を喪失した結果として依存症を発症してしまった経歴の持ち主である説」が挙げられる。脚本家は男性なので「女性の身長事情」に疎かったが故に、設定ミスを犯してしまった可能性も高い。
バッドエンディング
『さらば、逆転』の事件では、成歩堂と仲間達は苦肉の策として「真宵を奪還して、虎狼死家との取り引きを強制的に無効化する」または「王都楼の犯行を立証する、決定的な証拠が到着する」そのどちらかの時まで、ひたすら霧緒を真犯人に据えての弁論を展開して、時間を稼ぐ事となる。糸鋸率いる警官隊は2度も真宵の救出に失敗してしまい、無線機を通じて成歩堂達と会話していた、虎狼死家も彼らの動向に不信感を覚え、通信を打ち切ろうとする。
この時、成歩堂は「弁護士として究極の決断」を迫られる。「真宵の救出を諦めて、霧緒の真犯人扱いを取り下げた上で、王都楼を有罪にするか」「真宵を救う為、霧緒に無実の罪を着せた上で、王都楼を無罪にするか」この苦悩の中で裁判の終盤戦に、冥が「虎狼死家の遺留品」を届ける為に法廷へと到着する。この遺留品は3つあるのだが、1発で正解の品を提示しなければバッドエンディングが待っている。
その結末は「真宵は無事に救出されるが、まんまと王都楼は逃げおおせ、身代わりとされた霧緒は殺人罪で有罪判決を受ける。この悲惨な結末を招いた罪に耐えかね、成歩堂は逃げる様に町を去り「もう仲間達に合わせる顔が無い」と彼らの前から姿を消してしまう」という内容である。誰にも別れを告げずコートを靡かせて、トランク1つを片手に1人寂しく住み慣れた町を離れる成歩堂の後ろ姿は見ていて心が痛む。
『逆転』シリーズでは史上初のバッドエンディングであり、シリーズ全体を通してバッドエンディングは、あえて言葉少なに惨状を説明する形式を取っている。それだけに悪い意味で見る者の想像を掻き立てる仕様なので「どれもこれも本当に後味の悪い結末」となっている。