大帝ラー・デウス
たいていらーでうす
「我が改造実験帝国メスは、これまで数々の星で生命改造実験を繰り返して来た。だが未だ満足できる成果は得られなかった。しかし、この地球(ほし)の生命を利用すれば、必ずや最強最高の改造生命体が完成するに違いない」(第1話)
「今日の遺伝子シンセサイザー、最高の演奏だ・・・!」(第2話)
概要
本作の敵組織・改造実験帝国メスの最高指導者たる謎の存在。
その出自は不明なものの、はるか昔から宇宙を渡り歩き、行く先々の星々の生物を誘拐しては、自身の片腕とも言える「大博士」を使役し非道な生命改造実験を繰り返してきた。
切れ長の青い目が特徴の白い仮面で顔を覆っており、時折感情の高ぶりに応じて目元が割れるように露出、恐ろしげな素顔の一端を垣間見せることもある。また指先からは、自身の遺伝子を内包した「デウス遺伝子液」を抽出することも可能で、物語終盤ではこの遺伝子液によって獣戦士もデウス獣戦士へとパワーアップを遂げることとなった。
後に明かされたその究極の目的は、「数多くの生命改造実験を通して得られたデータを元に、大博士による生命改造手術を受けることによって、宇宙で最強最高の生命体になること」であった。デウスの現在の姿もまた、何百年にも亘る改造手術を重ねてきた末に形作られたものであり、その改造手術を行うのに相応しい存在とすべく、デウス自身もまたリー・ケフレンを始めとする歴代の大博士に改造手術を施し、育て上げてきたのであった。
物語が進むにつれてフラッシュマンだけでなく、サー・カウラーの反逆による三つ巴の構図の成立や、叛心を抱きつつあったケフレンの暗躍で戦局が混迷を極める中、カウラーが時村博士に製作させたもう一基の遺伝子シンセサイザーの音色によって苦痛を受け、さらに前述した究極の目的を潜入していたボー・ガルダンを通じてカウラーに知られたことで、弱体化していたデウスの命を狙うべくカウラー達の襲撃を受け、防戦空しく敗北。この時ケフレンからはデウスの正体が、前述のデウス遺伝子液の集合体であったことを看破されており、仮面と身体もあくまでこれを収めるための器であったことが示唆されている。
デウスを倒したカウラー達もまた戦いの中で散り、漁夫の利を得る形でケフレンがメスを手中に収めた・・・かに見えたが、無論これで終わるようなデウスでもなく、遺伝子液の状態から執念で自己再生を遂げ、裏切り者のケフレンを始末しようとする。
しかし、自身にとって衝撃的な出自を知ったケフレンの狂気は、最早デウスの力をもってしても止めることは叶わず、逆に彼の生命改造によってデウス獣戦士に作り変えられるという、組織の長としてはあまりにも哀れな末路を迎えることとなった。
いずれも詳細は各個別記事を参照。
前述の通り、ケフレンによる生命改造を施され、デウス獣戦士となった状態。デウスとしての特徴を残しつつも、その自我は失われケフレンに使役されるだけの存在に成り果てたのだが・・・。
デウスーラの敗北後、フラッシュマンと雌雄を決するべく、遺されたデウスの白い仮面を元にして作り出された、最強にして最後のデウス獣戦士。驚異的な防御力とエネルギー吸収能力を武器に、 地球に滞在できるタイムリミットの迫るフラッシュマンと死闘を繰り広げた。
備考
デザインは出渕裕が担当。エイリアン的なグロテスクなクリーチャーの体に美しい仮面の顔を配することで、美しさと醜さの中間を狙ったデザインが志向されている。また、スーツの腕は身長に合わせて長いマジックハンド状になっており、肩からはドライアイスの煙を流す機能も備わっている他、デザイナーの想定通りの細い目になるよう仮面は一度作り直されている。
最終回のラストにおいて、地上に遺されたデウスの割れた仮面と、その傍らで花が咲いているというラストカットは、『風の谷のナウシカ』をヒントに出渕が提案したものである。
関連タグ
溶解液サイマ獣ジェルーダ:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場する敵怪人の一体。ラー・デウスとはCV担当を同じくしている
テーブルシャドー:『烈車戦隊トッキュウジャー』に登場する敵怪人の一体。ラー・デウスとはCV担当を同じくしている。
ラリー:『動物戦隊ジュウオウジャー』の登場人物の一人。味方側のキャラである点は異なるものの、担当声優とスーツアクターが共に同じであるという共通項を持つ
ジニス:同じく『ジュウオウジャー』の登場人物の一人。デウスと同様に敵組織の長であることや、遺伝子改造の繰り返しで現在の姿と力を得た生命体であるといった共通項を持つ