データ
概要
ファントムシンカリオンに次ぐ第二の黒い新幹線「ハーデス」の先頭車両が変形したシンカリオン。
冥王の名を冠している通り頭部の悪魔や鬼のような三本の角が特徴的で、赤い炎の剣「クリムゾンインフェルノ」と青い炎の剣「アズールインフェルノ」の二刀流を駆使した格闘戦を得意とする。
後部車両が変形したアンノウンの「ミニュアデス」、「オルトロス」との連携した戦闘スタイルで相手を翻弄する。
本体性能はファントムより高く、高い機動力と強力な武装を活かして単体でもビークル合体したシンカリオンに反撃を許さず数機纏めて圧倒する戦闘力を誇る。ここにミニュアデスとオルトロスによるサポート(という名の同時攻撃)が入ることによって、キャプチャーウォール内はハーデスの独壇場と化してしまい、その苛烈さは運転士個々の実力が高いE8つばさ ドローンフォーム、N700Sのぞみ ブルートレーラーフォーム、H5はやぶさ ドーザーフォームを3機纏めて戦闘不能に追い込むほどである。
運転士である仮面の男の正体はかつてシンカリオン0の運転士であった工部レイジであり、0と同様の二刀流戦法は経験値が高く非常に強力。一方、その動きから大成イナに正体を看破される原因となった。
特殊なAI「テンダー」を搭載しており、運転士たる仮面の男との対話が可能。丁寧な口調で仮面の男に接する。
ミニュアデス/オルトロス
ハーデスシンカリオンの後部車両が変形したアンノウン。蝙蝠型のミニュアデスと双頭犬型のオルトロスの二体。
ミニュアデスはその翼で自由に空を舞い、目から赤いレーザーを乱射して攻撃を仕掛ける。前(顔が向いている方向)にしか攻撃できないのが弱点で、初陣ではそこを突いたE8つばさ ドローンフォームに敗北したが、その後ハーデス出現時に何事もなかったかのように復活している。
オルトロスは地上での機動力に優れ、2つの口から放つ赤と青の火炎弾や、同時に放つ火炎放射による超火力も兼ね備える。全身にはデストロイフォーム用の炎に揺らめくアーマーを纏っており、吹っ飛ばされはするがかなり頑丈。
玩具版では、ミニュアデスとオルトロスが車両の形に変形し「ビークルモード」にすることが可能になっている(アニメでは未実装)。
各種合体形態
- ハーデスシンカリオン デストロイフォーム
全高:22m 全長:14.5m 重量:100t
ハーデスシンカリオンとミニュアデス、オルトロスの三体が合体した強化形態。
オルトロスの一部装甲がパージされハーデスの下半身に装着、ミニュアデスからパージされた二連装クロー「バイデントクロー」を両腕に装着。さらにミニュアデス本体を背部に接続することで完成する。バイデントクローとオルトロスの装甲により戦闘力が向上した他、ミニュアデスとの直接合体により飛行能力も獲得している。
元々強力なハーデスのさらなる強化形態ということで、ダメ押しとばかりにビークル合体では全く手が付けられない性能となり、シンカリオンSRGとも互角レベルの出力を誇るが、あちらの超反応に吹き飛ばされた隙を突かれてSRGリクソウセイバーをモロに食らい右前腕を切断される。しかしただでは終わらず、爆発で飛び上がった右腕をキャッチして投擲し、バイデントクローでSRGを攻撃(直後右腕は爆散)。自身も長期の修復に入らざるを得なくなったものの、E5はやぶさのSRG胴体を損傷させてSRGを封じている。
第30話にて再び変形、迎撃に現れたE8つばさ ドローンフォームを圧倒。増援のE6こまち トップリフターフォーム、E7かがやき ドリルフォームをも全く寄せ付けずに完封する。
そこに駆け付けたE5はやぶさ トレーラーフォームとドクターイエロー相手にも善戦するが、ドクターイエローは強化形態のグレートドクターイエローへモードチェンジ。イド消滅の原因を作ったレイジへの怒りを募らせた梔子モリトがドクターイエローの性能を引き出したことで劣勢になり、さらに戦闘経験を積んだ大成タイセイのE5によるアシストで反撃を悉く潰され、最後はグレートケンソクブレードを食らって敗北。クリムゾンインフェルノを左腕ごと爆砕されたため、これ以上の戦闘は困難と判断したテンダーの進言により撤退した。
- カオスシンカリオン
ハーデスシンカリオン、ファントムシンカリオン、ミニュアデス、オルトロスが合体したシンカリオン。
SRGとほぼ同様の機構を持つが、シンカリオンが一体少ない分はミニュアデスとオルトロスが補っている。
胴体と右前腕部と腰と左踵と武器の一部がファントムシンカリオン、右腕と右足と武器の一部がハーデスシンカリオン、左腕と左足と背中の翼、そしてヘッドギアをミニュアデスとオルトロスが担当する。
左手にはファントムシンカリオンの武器を中心に「ハーデスシンカリオン」の炎武器が合体してできている。
左手に装備してある「カオスキャノン」は全ての物を焼き尽くす。
E5とグレートドクターイエローに敗北後、テンダーが「ハーデスにもアップデートが必要ですね」と語ったことから、近日中に登場するのではないかと一部の視聴者は予想していた。
第33話、再びデストロイフォームでE8つばさ ドローンフォーム、E6こまち トップリフターフォーム、E7かがやき ドリルフォームを初手から圧倒するも、SRGシステムによって3機が合体したことにより形成が逆転。シンカリオンSRG(E8 E6 E7)のSRGホーネットアローを何度も喰らい、機能停止寸前まで追い詰められる。
そして、ついに意を決したレイジはテンダーにアップデートしたシステムを起動させる。ファントムが空間を破りキャプチャーウォール内に侵入、シンカリオンへと変形。そのままファントム、ミニュアデス、オルトロスと合体し、カオスシンカリオンへと変形した。
基本的にカオスキャノン部にくっ付いているバイデントクロー、及び左手の大型武器による打撃攻撃...総じて接近戦メインの戦闘スタイルでシンカリオンの面々を追い詰めた。
ファントム、ハーデスと言う強力なシンカリオンに加え、オルトロスとミニュアデスも合体したこの形態は異次元の戦闘能力を発揮し、一瞬で形勢を逆転。
SRGを圧倒しものの数十秒でダウンさせ、仲間をやられて激昂して突っ込んで来たグレートドクターイエローをいとも簡単に弾き飛ばし、E5の斬撃を肩のオルトロスヘッドで受け止めた直後、ヘックスシリンダーに思いっきり叩き飛ばしていきなり満身創痍に追い込んだ。
その後も2体相手に絶対的優勢となり、もはや軽い通常攻撃すらE5をじわじわと追い込んで行く。
その最中にタイセイと問答になるが、割り込んで来たグレートドクターイエローをシンカリオンだからこそ出来る「片脚で立ったまま空いた左脚で蹴り飛ばす」と言う離れ業すらもやって見せた。
その後の2体の同時攻撃にも若干蹌踉めく程度であり、ユナイトシンカリオンが登場するまでは完全に勝ち目が無いと言った状況であった。
その後はユナイトシンカリオンと互角の戦いを繰り広げるも、嘗てよ。シンカリオンの運転士として戦っていたレイジ本人と、まだシンカリオンの運転士として新人のタイセイとの戦闘経験の差からか、カオスがユナイトを押し始める。
「バラストキドウホウ」で右腕と武器を吹き飛ばされようがお構い無しに、ユナイトを攻撃、此方も「グレートケンソクブレード」の刃を折り、「バラストキドウホウ」もカオスキャノン部のバイデントクローで握りつぶし、ユナイトは限界を迎え、倒れ込む。
カオスは確実にトドメを指さんと、尚もユナイトに向かって歩を進める。
しかしあと少しで止めと言う所でイナがレイジに問い掛けた。
「自分を頼って来る弱いものを、放って置けないだけよ!」
自身の本質を見透かされた上にトオルとアオイの事も言及され、僅かだがレイジに迷いが生じた。
ユナイトの方へと向かう足も必然的に止まる。
その時、
ユナイトシンカリオンが再び立ち上がった!!
ユナイトシンカリオン─────大成タイセイは死力を振り絞り、グランクロス発射のレバーに手を掛けた。
レイジ─────カオスシンカリオンもそれを見て鬼気迫る程の勢いでユナイトに向かって駆ける。
「ユナイト───グランクロス!」
そして遂に、ユナイトシンカリオンは禁断の必殺技「ユナイトグランクロス」を発射、カオスシンカリオンはその威力に耐え切れず左腕までも大破した。
レイジは自身が「いつの間にか間違った場所に」いた事を認めた。
そしてカオスシンカリオンは大破し、ユナイト共々機能停止。
ユナイトとカオス、お互いの最高戦力同士の戦いは、両者戦闘不能と言う悲惨な結末を迎えたのだった。
余談
アンノウン側で仮面の男(工部レイジ)を運転士とするシンカリオンであるにも拘らず、ハーデスシンカリオン搭載のAI音声の三木眞一郎の名前が第19話のエンディングクレジットで浜カイジのすぐ下であり仮面の男とは離れて表示されていた。
工部レイジの過去の一部が描かれ、ドクターイエローが参戦を果たした第30話のエンディングクレジットで、仮面の男は工部レイジ、AI音声はテンダーだと表記されハーデスシンカリオンのAIの正体はテンダーだと明らかにされた。
アンノウンが破壊した建物の倒壊で絶命したERDA創設者・鍋島チクゴと彼が作ったAIのテンダーの声が同じ三木眞一郎であるため、鍋島が黒幕ではないかと視聴者の間で疑念が沸き起こってもいた。
ミニュアデスとは、ギリシア神話に登場するディオニュソスに対する不敬罪で神罰によりカラス、フクロウ、蝙蝠にされたと伝えられるオルコメノスの王ミニュアースの三人の娘の事、オルトロスとはテュポーンとエキドナの間に生まれた二つの頭を持つ犬の事で、ゲーリュオーンの牛の番人とされている。
前々作のブラックシンカリオンオーガに続く、所謂「もう1台のブラックシンカリオン枠」である。
また、カオスシンカリオンと同じくいわゆる「ブラックシンカリオン枠同士の合体」は以前もあり劇場版限定合体形態=味方側の強化形態として登場したが、カオスは敵側の、かつTV本編の強化形態として登場という真逆の立ち位置になった。