作品情報
概要
神出鬼没な謎の少女・なにげさんが困っている人のところに現れてはなにげな~く助けていく、ということをひたすら繰り返す人助け4コマ漫画。
作者はもともとこの作品をまんがタイムきらら向けとして作ったので、まんがホーム連載作の中ではかなり萌えを意識した作品になっている。
2008年8月号より連載開始、単行本は3巻まで発売。
登場人物
なにげ三姉妹
- なにげさん
- 主人公。金髪おかっぱ頭の少女。困っている人を助けるために突如現れる。名前をはじめ、彼女の正体に関する情報のほとんどは謎に包まれている。口数は少なく、基本的にセリフに吹き出しが使われない(吹き出しが無いとなにげさんの発言だとわからないようなシーンでのみ使われる)。貧乳なのをかなり気にしているらしい。喜ぶと頭にアホ毛が出る。
- 一番多い人助けは忘れ物をした人に代わりの物を貸すこと。そのため貸出用の道具を上着やカバン、髪の中などあらゆる場所に詰め込んでいる。もちろんとても重い。夏は上着がベストで袖がないのでその分をカバンに詰めるしかなく、カバンが破裂したことがある。これに懲りて唐草模様の風呂敷を背負ったこともあった。
- 落し物を見ると所有者がすぐに分かる、見ず知らずの他人でも誰がどこの駅で降りるかや何をしようとしているかが見ただけで分かるなど超人的な能力を持っている。
- 人助けのためになら自分が犠牲になることも厭わない。困っている人には色々くれるが、そのための資金は学食から提供されているらしく、なにげさんからポケットティッシュをもらうと学食の広告が入っている。
- なぜか第二種電気工事士の資格を持っている。
- 身体能力は高く、特に凄まじく脚が速い。走っている電車に窓から飛び乗ったこともある。
- 困っている人が近くにいないときは、掃除や壊れたものの修理などをするか、野良仕事をしている(校内にはなにげさん専用の畑があり、ここでさつまいもなどを育てている。花壇でも野菜を育てている。育てた作物は学園祭などの出し物で振舞われる)。
- 制服を着ているが、どうやら生徒ではないらしい(無論教員とか用務員ということもない)。幽霊・妖怪という噂がたったこともあるがもちろん違う。ネクタイの色は気分で変える(何色か持ち歩いており、雨が降ったら青に変えるなどその場で変えることもある)。ちなみに水泳の時は、一人だけ旧スクを着ている。
- 完璧に見えるが、虫が苦手・背が低いなどの弱点もあり、なにげさん自身が忘れ物をすることもある。人助けの仕方がズレていることも多い(例えば穴が開いた制服にやたら可愛らしい目立つワッペンを縫いつけようとしたり、一つしか無いものを借りたい人が二人いると何でもハサミで半分に切ろうとするなど)。また本人が可愛いものが大好きで、持ち物がかなり少女趣味に寄っているため、男子がなにげさんから服などを借りると恥をかくことになる。
- JR京都線の高槻駅から学校に通っている。
- れんげ
- なにげさんの妹。ただ体格やスタイルがなにげさんよりかなり大人びているので一見姉に見える。
黒髪の変形姫カット(後ろ髪だけ切りそろえていない姫カット)でツリ目。黒タイツを履いている。なにげさんからは「レンちゃん」と呼ばれる。なにげ三姉妹で唯一、発言に吹き出しが付く。
- なにげさんと違ってドS。特に男子生徒に対しては「レン様」と呼ぶことを強制し、「レンちゃん」等と呼ぶ男子には強烈な蹴りを入れ、さらに頭を踏みにじる。色目を使っていい様にこき使うこともある。ただしこれがなにげさんに見つかると叱られる(基本的に姉には弱い)。なお、女子に対しても特に親切ではない。
- しかし彼女もやはりなにげさんの妹。気まぐれで親切をかけることがある。作者いわく「根は優しい子」。
- 彼女も足は速いが、姉には負ける。
- ユウ
- なにげ三姉妹の三女。レンよりもなにげさんに似た外見。姉の忘れ物を届けに来ることがある。
- 帰国子女。なにげ一家の両親は外国で仕事をしており、ユウだけが付いていった。そのまま現地の学校に通い、大学まですでに卒業している。英語は当然流暢に話せる。
- ゴミを楽しそうに探しては拾うが、お菓子など普通の女の子が喜びそうな物には全く無関心。
生徒
- 大野悠樹
- なにげさんのことが好きな少年。なにげさんの俊足に追いつくためにトレーニングを重ね、高校総体で優勝した。しかし未だになにげさんに追いつくことはできていない(レン様には追いつく)。
- なにげさんと同じ高槻駅の近くに家がある。もちろんなにげさんの家がどこにあるかまでは知らない。
- 大野沙英
- 悠樹の妹。クリスマスに「兄」を欲しがったり、中学までお嬢様私学に通っていたのを兄を追いかけて現在の高校に進学したという重度のブラコンである。そして性格が激しく、なにげさんにデレる兄を無理やりなにげさんから引き剥がす。
- なにげさんが憎い(注:悠樹にとっては悲しい事実だが、なにげさんは悠樹に気があるわけではないので、これは沙英の勝手な思い込みである)のでなにげさんの助けもことごとく突っぱねる。しかし、なにげさんはそこまでしっかり計算して裏をかいているので本人が気がついていないところで世話を焼かれている。
- ちなみになにげさんはその後、沙英の前に出るときはひげメガネで変装するようになった。するとなぜか沙英はそれがなにげさんであると気が付かず、普通に接するようになる。
- 生徒会長
- 名前は不明。トゲトゲ頭の眼鏡男子。名ばかり生徒会長で、会計係の咲に業務をほとんどやってもらっている。自分で仕事をしようとしても手が遅いので咲に仕事を取られる。
- 咲を「さっちゃん」と呼んでおり、どうも彼女に気があるようである。
- 水島咲
- 生徒会の会計係。どうやら元レディースらしく、若干乱暴なくらいに威勢のよい話し方をする。金髪ロングで前髪の数本だけを赤く染め、耳にピアスをしている。靴下を履いておらず、いつもサンダルを履いている。
- しかし、その外見に反して非常に真面目な性格で義理堅く正義感に溢れ、勉強もできる。まるでどこかの任侠教師みたいなことも言う。
- なにげさんに会ってみたいと思っている。また、なにげさんはいい子の前にしか現れないと思っている。そしてなにげさんに会うために、今まで以上に真面目を貫いている。そのため、ますますなにげさんの出る幕がない。
- なにげさんに助けてもらった友人に「てめーのミスはてめーで何とかするもんだろうが」と怒鳴りつけたら「お前はなにげさんに会うのに向いてない」と言われた。
- しかしそれ以上に残念なのが、実際には何度もなにげさんに会って会話までしている(それどころか、疲れて倒れているなにげさんを背負って助けたこともある)のに、それがなにげさんだと気づいていないことである。
- 同性にたいへんモテる。
- 中野梨花
- 長谷川都
- 図書委員。いかにも図書委員的な、眼鏡に両三つ編みのおとなしい感じの少女。ドジっ娘で、なにげさんにお世話になる回数がとても多い。
非常にバストが大きい(Iカップ)のがコンプレックスだが、なにげさんにとっては逆の意味でコンプレックスである。
- 図書室の利用が少ないことに悩んでいたが、なにげさんがいっぱい本を借りるのを見た生徒が釣られて本を借りるようになり、徐々に利用率が上がってきている。
- 片山ちとせ
教師
- 田淵源之助
- ハゲ頭の、実にわかりやすい校長。生徒には基本的に甘い。
- 趣味は孫の影響でカードゲームやTVゲーム。今のところ、モンハンや遊戯王などをやっているらしい。そのレベルは極めて高く、生徒が対戦したが校長があまりに強すぎて全く勝負にならなかった。今では強くなりすぎて孫がカードゲームで対戦してくれなくなったらしい。オタク趣味もあり、イラストタオルなどを学校に持ってきている。
- 庭師の才能もあり、この分野ではなにげさんもかなわない。
- 生徒の前で威張り散らしている教頭は彼の教え子であり、学生時代の彼の弱みをいっぱい握っているので教頭の扱いも上手い。教頭のことを「イワちゃん」と呼ぶがおそらく学生時代からそう呼んでいると思われる。
- 中川巌
- 眼鏡に白髪でひげを蓄えた教頭。実年齢より見た目が老けている。この高校のOBである(昭和56年度卒)。
- 頭がかたく、いつも生徒にやたら厳しい。なにげさんに対しては他の生徒を甘やかしていると思っているのでもっと厳しく、なにげさんが学校のために掃除をしたりしているのに何かと理由をつけて叱る。ところが、実は高校時代は頭をリーゼントにするなどかなり荒れていたらしい。しかも彼の妻は自分の教え子だったりする。そのような弱みを校長にバラされそうになると慌てて逃げる。ちなみに一部の弱みはなにげさんにもバレている(校内を掃除している時に若き日の教頭の写った昔の卒業アルバムを発見したため)。
- 生徒の前では威張っていても自分には甘く、夏暑がる生徒には「心頭滅却すれば火もまた涼し」等と言いながら自分は冷たい食べ物を出前注文していたり、冬は寒がる生徒には「若いのにだらしない 背筋を伸ばしたまえ!」等と言いながら自分はコートの中にたくさんカイロを入れていたりする。しかし、人情話にはやたら弱く、童話を読んで涙を流したり、普段なら怒りそうな場面でも「母が病気で…」等という話が出ると同情してしまう。
動物
- ヒヨ子
- なにげさんが飼っている雌鶏。なにげさんが1回目の学園祭で出した屋台の売上で買ったヒヨコが成長した姿。何故か人語をしゃべる。2回目の学園祭では卵を提供した。
- 鶏なのに自由に空を飛べる。また学校の女子生徒にバレンタインチョコの渡し役を頼まれ、その時にやたら筋力がついてしまった。大食でいろんな人から餌をもらうので太り気味で、ダイエットしようとしているがうまくいかない。
- 花丸
- 写真新聞部員・梨花の隣の家の犬。おそらくポメラニアン。
- 梨花に忘れ物を届けに来ることがあるが、あまり賢くないのでなにげさんがこっそり誘導したりしている。梨花になにげさんの居場所を突き止めるための偵察犬として使われたことも。
余談
- 舞台となっている高校では、男子も女子も同一のブレザーやベストを着ている(普通はデザインは同じでも男女で合わせが逆になっているが、この学校ではそうなっていない)。そのため大野悠樹は妹のベストを間違って着てしまったこともあった。
- 作者がこの作品を作ったきっかけは、それまで「でかポメ(作者の飼い犬・宗次郎と作者自身を描いたエッセイ4コマ、おそらく花丸のモデル)」を連載していた雑誌が休刊してしまったため。そしてその雑誌を発行していたあおば出版は、作者がこの作品の企画を芳文社に持ち込んだ前日に倒産した。
- もともとなにげさんはそれまで作者が描いていたオムニバス作品のサブキャラだったという。
- 概要にあるようにもともときらら向けに書かれているのでこんなシーンも実際にあった(下図)。
関連タグ
ひよわーるど - 作者の別作品で、竹書房まんがくらぶで連載されている。なお、なにげさんの妹「れんげ」はひよわーるどの主人公・守屋ひよりに見た目がよく似ている。また両者のコラボ企画もあった。