概要
「無断生成AI」の規制を求める声優らによる反AI運動である。
生成AI技術の発展により、特定の声優の声の追加学習 (LoRAの作成)を済ませたツールが、AIカバーといった形で流通し、声優の許諾を得なくても本人そっくりな声の歌や演技を簡単に再現できるようになった。特定のアニメキャラクターを模したボイスチェンジャーも公開されており、VTuberの声として利用しているユーザーも多い。
2024年10月15日、YouTubeで「NOMORE無断生成AI」を訴える動画の第0弾を公開、同21日に第1弾動画を公開した。「『この声をもっと聞きたい』と思ったファンがやってくれたことだとしても、無断で使われるのは、気持ちの良いものではありません。」とし、「実演家、著作権者の許諾なく、無断で追加学習、生成、公開されたAI生成物」の規制を訴えている。
後に第2弾、第3弾、第4弾の動画も公開し、総勢26人の声優が出演している(後述)。
動画
出演声優
池水通洋、上田燿司、甲斐田裕子、梶裕貴、片岡富枝、かないみか、くじら、阪口周平、坂本千夏、咲野俊介、佐々木優子、島田敏、嶋村侑、新垣樽助、関俊彦、竹内良太、東地宏樹、中尾隆聖、中田譲治、浪川大輔、朴璐美、深見梨加、福山潤、宝亀克寿、宮本充、山寺宏一
問題点
上記の「無断生成AI」とは、彼ら反AI(AI規制派)の声優による独自定義である。現在の日本の著作権法上で認められている「情報解析のための学習」には当然、追加学習も含められると考えられる。演技には著作権がなく、声には肖像権が認められないため、現在の著作権法でAIの追加学習による模倣を違法化するならば、生身の人間によるものまねも違法になってしまいかねない。
自分を模して生成した声を勝手に公開されるのは不快、まして無断学習したモデルを使って勝手に商売されるのは許せないということは理解できるが、ならば現行の著作権法の解釈変更ではなく新たな法規制を求めるのが筋ではないだろうか。
なお、絵描きを(「絵柄の私物化」「才能の私物化」をしているなどとして)毛嫌いする絵師アンチの間では、「NOMORE無断生成AI」について「反AI」の主張と本質的に異なるかのような主張も見受けられるが、声優が声の無断追加学習を嫌うのは「狙い撃ちLoRA」に不快感を示す多くの絵師の主張と本質的には同じである。