第57代天皇。諱は貞明(さだあきら)。
概要
貞観10年12月16日(869年1月2日)生まれ。清和天皇の皇子。母は藤原高子。生後3ヶ月で立太子。貞観十八年(867)、父の譲位をうけて九歳で践祚したが、元慶四年(880)、父上皇が崩御すると、摂政藤原基経と母高子が対立し、朝政は混乱、結局元慶八年(884)、十七歳で退位に追い込まれた。
この直前に、清涼殿で源益が殺害される事件が起こり、陽成天皇が殴殺したとの風聞があったらしい。
陽成天皇の譲位によって文徳天皇の直系皇統は断絶し、王統は大叔父にあたる時康親王に移った(光孝天皇)。また、暴君と言われることが多い。
退位後は歌合を催すなど風雅の暮らしを送ったが、御製は綏子内親王にあてた一首しか伝わっていない。
八十二歳の長寿を保ち、天暦三年(949)九月二十九日崩御。
『超訳百人一首 うた恋い。』における陽成院
大部分の設定は概要と共通している。一人称は「私」。世話役はかつて高子と駆け落ちしかけた在原業平。性格はかなり自己表現が不器用でひねくれ者で、天邪鬼(ツンデレ/ツンギレ/ツンツン)な人物として描かれている。鋭めの目つき、ややハネた髪が特徴で、作中では一貫して紫の衣を着ている。幼い頃から「幼い自分を帝位に立てて、大人は上手く利用し、好き勝手しようとしていた」ことを察していたようだ。ファンからは大抵「貞明」と呼ばれることが多い。
綏子とは幼き天皇時代に宮中で初めて出会う。常に笑顔を絶やさない健気な彼女に内心ドキッとしながらもイラッとしていた。その夜、カエルの合唱が騒がしく起きてしまい、廊下に出てきた彼はその合唱をポジティブに捉え静かに聞き入る彼女に我慢できなくなってしまう。そして翌日彼女を懲らしめようと、庭に多数のヘビを放しカエルを捕食する残酷なものを見せつけたところ、彼女に嫌われてしまう。
そしてそんな彼の様子を見ていた業平に、和歌を半ば無理やりに教えられる。和歌が嫌いな貞明であったが、しばらくして業平は死亡してしまう。高子と共に泣き悲しんだが、彼の理解者は高子と業平ぐらいしか存在しなかったため、精神が一時期荒れて乱行などが目立ち元慶八年、ついに退位に追い込まれてしまう。
その後綏子と政略結婚させられるが、お互いに「好き」という気持ちではなかった。だが自分が悪態をつくような発言をしていじけるのに対し、それでも自分を愛そうとしてくれるマジ天使な綏子にとうとうノックアウトされ、通い婚の為牛車で自宅に帰る途中、下記の歌を紙に書き翌日彼女に渡し、ついにデレた。末永く爆発しろ。
人気が高いようで、アニメ化記念の人気投票では見事1位に輝いた。アニメ化以前でも、単行本の特装版付属描き下ろしDVDの第1弾が貞明と綏子の幼少期を描いた「筑波嶺の思ひ出」であったりした。またこの幼少期のエピソードはアニメ版に逆輸入されたりした。
pixivの『うた恋い』イラストにおいても人気が高く、綏子と共に描かれることがほとんどである。また、大抵照れている表情で、「綏子に対する暴言がひどいほど愛している」という設定であることがある。
代表作
筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる 男女川(みなのがは)
恋(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる
(陽成院(13番) 『後撰集』恋・777)
関連タグ
平安時代 天皇 和歌 百人一首 貞明 綏子 綏子内親王 清和天皇 藤原高子 光孝天皇 宇多天皇 在原業平
うた恋い。 - ツンデレ ツンギレ ツンツン 貞綏 末永く爆発しろ
外部リンク
ヘビ男とカエル女の恋路 ~ツンギレ貞明~(『うた恋い』陽成院の性格考察)