ソドム百二十日あるいは淫蕩学校(Les Cent Vingt Journées de Sodome ou l’École du libertinage)とは、マルキ・ド・サド伯爵により記述された小説(ただし未完)である。
概要
舞台はルイ14世時代のフランス王国、ドイツ南西部において4人のフランス人
貴族が複数人の奴隷そのほかと暮らしている。貴族は倒錯した物語を語り、時にはそれを奴隷に行っていく。
記述された状況
この小説はマルキ・ド・サドがバスティーユ牢獄において執筆していた。しかし、彼はこの小説執筆中に精神病院に叩き込まれたため、草稿は彼の手元から失われた。このとき彼は「血の涙を流した」といわれているが、見たものがいないため、定かではない。また、このような状況では記憶を元に作品を復元を試みる可能性があるが、それをしていないのは、「自分の想像力を超えたものを表現することが出来なかったため、復元を断念した」であるとか、「あまりの執筆量の膨大さにどうしようもなくなった」であるとか、「牢獄の中で行ったエロ妄想をわざわざ復元する必要は無い」といった理由であるとされる。
サド死後もキリスト教・カトリック・バチカン・教皇庁などではタブー(禁書)指定にされ,20世紀に入るまでその禁令はとかれなかった。この草稿が一般に公開されたのはヨーロッパ世界の民主化が進み情報の開示が必要となった。(当然バチカンも)21世紀のことである。
この作品に関する色々
この小説は各種の評価がされている。たとえば、「性的趣向の科学的分類」であるとか、「不潔なポルノ」であるとか、「道徳的なポルノ」であるとか、「人間の性善の風刺的回答」とかあと色々。
また、この作品を元として映画を撮影したつわものも存在するが、さすがに完全に再現することは不可能であったといわれている。
なお、日本にこの作品を紹介したのは澁澤龍彦である。
pixivにおけるタグに関して
このタグをつけられた作品の多数が黒執事Ⅱのアロイス・トランシーのイラストである。
この本の内容
第1部~第4部で構成されている。
時はルイ14世のフランス王国、悪徳徴税請負人、貴族、法院長、司教の「4人の権力者」の所業書くという形で記される。
登場人物
・『四人の権力者』(60~50代)
・『四人の娘・妻』『四人の語り部』(中年・論年)
・『四人の召使女』『八人の馬蔵の下男4人』(30代)
・『娘達のハーレム(五人)』『少年たちのハーレム』(15~13歳)
以上の「登場人物」による『規則正しい卑猥に満ちた日常生活』の記述が蜿蜒と続いていく。
変態的な拒めばむごたらしい死の罰の服従 同性愛の強制・SM・性器切断・拷問・水責め・灌腸・スカトロ・アナルセックス・フェラチオなどの状況を記す。ただし、後々サディズムの語源になるほど虐待描写が書かれているわけではないが。決して読みやすい小説でもない。
第四部にて美少年・美少女は拷問あいながら死ぬ様子が書かれる。(そして未完)
映画版パゾリーニ監督『ソドムの市』
パゾリーニ監督で1976年にこの本を素材とし『ソドムの市』を制作、この映画ではスカトロ重視であったところが多く、他の項に載っている『残虐的性的行為』はキリスト教的にも問題だったっだろう、できなかったという。作中に登場する青年・女性はほぼ全裸であるが(美男美女ともいい難いが)
パゾリーニ監督の斬殺
パゾリーニ監督自体はこの作品を撮り終えた数年後主演俳優に斬殺されるという事件が起こる。 その青年俳優の犯行理由としては『同性の性的行為を強制された』などだそうだ。監督は数十回車にひかれ、ミンチにされた状態で見つかった。
『同性の性的行為を強制された』というが、その作品が『変態小説の元祖となった罪深い小説』が理解できていなかったのだろうか...恐ろしいことに、妥協せずに作ればあんなものではすまないらしいというのに....
もちろんカトリック圏(ヨーロッパ)でも異端的過ぎると思われ上映禁止が相次いだ、最近になってようやく再評価されるようになってきたという。
ローマ皇帝ぐらいならなんとも思わないかもしれないな