この海戦はアメリカ合衆国ではフォレージャー作戦のうちのひとつの戦い、Battle of the Philippine Sea(フィリピン海海戦)と呼ばれ、日本ではあ号作戦として知られている。
この海戦の結果、日本海軍は空母3隻(翔鶴、大鳳、飛鷹)沈没、4隻が中破および小破、多数の艦載機、および潜水艦を失い、アメリカ海軍は西部太平洋の制海権と制空権を得たとされる。
あ号作戦、および海戦まで
1943年の終わりから1944年の中ごろにかけてアメリカ軍は中部太平洋への攻勢を強め、ニューギニアを占領、トラック諸島への空襲などを行うようになっていた。また、6月ごろにマリアナ方面に進出すると推測された。
そこで連合艦隊はそうなる前にアメリカ軍をパラオ方面へ誘い込み、空母機動部隊および基地航空隊によりそれを撃破するという作戦を立てた。
しかしながらこの作戦は立案の時点ですでにアメリカに漏洩(日本海軍の作戦文書は海軍乙事件によりアメリカ側に奪取された)しており、アメリカ軍に逆にその作戦を利用される羽目になった。
またアメリカ軍は潜水艦をあらかじめ派遣し、日本海軍の訓練を妨害、その際日本側の駆逐艦を4隻、給油艦2隻を撃沈した。
さらに、アメリカ軍は西部ニューギニア沖のビアク島に上陸、日本軍は敵軍の進路を読み間違え、マリアナから兵力を動かしてしまう。だが、ビアク上陸とともに動いていた空母15隻基幹の機動部隊によりサイパンを奇襲され、上陸を許してしまう。
6月19日
それまでにも日本海軍の基地航空部隊はアメリカ艦艇に対して攻撃を加えていたものの、戦果はなかった。また、訓練不足や戦闘の消耗による技術の低下により作戦自体困難となっていた。
アメリカ海軍は日本の機動艦隊を発見できないため、グアムの地上部隊を攻撃、上空の制空権を確保した。
日本軍はアメリカ機動艦隊を発見、日本軍は望みを掛けたアウトレンジ攻撃に移るが、それをレーダーで察知していたアメリカ軍に迎撃され、すでに技量を維持できていない日本軍側の航空機(零戦、天山、彗星)は敵に損傷をほとんど与えることが出来ず壊滅する。
日本軍は潜水艦の攻撃により大鳳が小破、修理後再度航空機(零戦、天山、九九艦爆)による攻撃を行うが、これも敵艦隊にダメージを与えることは出来ず、ほとんど喪失することとなった(これは撃墜された以外にも帰還できなかったものも相当数存在する)。
その後、アメリカ軍潜水艦の魚雷により翔鶴が沈没、大鳳が(おそらく気化した燃料に引火したことによる)爆沈が発生する。
日本の艦隊は戦力建て直しのため退却することになる。
6月20日
この日の午後、アメリカ軍は撤退中の日本軍機動部隊を発見、攻撃により帰還できない可能性があるにもかかわらず航空部隊(F6F、SB2C、SBD、TBF)を派遣する。日本軍にはこれを防ぐ航空部隊はほぼ残っておらず、飛鷹および給油艦二隻が沈没、瑞鶴、隼鷹、千代田は損傷した。
結果
この海戦により日本海軍は空母三隻、さらに参加航空兵力の3/4を失い、機動艦隊中心の攻撃は不可能となった。さらにはマリアナ諸島を失ったことにより、「日本に有利な状態での講和」は不可能になったとされる。
pixivにおいては
主として軍艦のイラストにつけられている。最近においては艦これのイラストが多い。