概要
週刊少年サンデーにて2007年18号から2009年35号まで連載されていた学園青春漫画。全11巻。
悪人には容赦しない性格と人相の悪さ、そして反則的な強さで悪魔と呼ばれてきた少年が、茶道部に入部し、優しさとは何かを学んでゆく物語。
いわゆる文化系部活動の内情を描いた作品だが、茶道のうんちくを語るタイプの作品ではなく、茶道部の実際の活動自体も数えるほどしか描かれない。それよりも主人公や茶道部員たちが数々のイベントやトラブルを通じて茶道の心を学び成長してゆく様子が主軸に描写されている。喧嘩シーンや不良が絡んでくることによる緊迫した展開もあるが、基本的に軽いギャグテイストで包まれた陽性の青春コメディである。物語後半から顕著になってくる部長への淡い恋の顛末はネット上で非常に高い評価を得ており、部長自身の魅力とも相まって多くのファンを魅了した。
2021年3月よりAmazonPrimeVideoから鈴木伸之主演で実写ドラマを配信。2021年10月からテレビ東京系列局でも放送されている。主題歌として、OPは湘南乃風「茶柱が立つ」EDはiScrame「Maybe…YES」が起用されている。
ストーリー
主人公・船橋雅矢は中学時代、その凶悪な面構えと桁違いの戦闘力、容赦のない性格から悪魔(デビル)まークンと恐れられ、数多の不良に付け狙われていた。
しかし本人はそんな生活に嫌気が差しており、高校入学を機に修羅の道から足を洗おうと決意。そして部活動勧誘で唯一自分に話しかけてくれた茶道部部長・姉崎奈緒美に誘われて、相棒の山田とともに、女子ばかりの文化系部活動・茶道部に入部する。
突然やってきた凶悪な新入生に怯える茶道部員、未だに雅矢の首を狙う校内外の不良たち。はたして雅矢は暴力の連鎖から卒業し、ロハスな生活(本人曰く「優しい人生」の意)を手に入れることができるのか?
登場人物
船橋雅矢 演:鈴木伸之
主人公。渾名は“悪魔(デビル)まークン”。開架高校一年生。恐ろしい風貌と戦闘力から最凶の不良として恐れられているが、決して悪人ではなく、「優しい人」になることを人生の目標として掲げている。極端に感受性に乏しく、人情の機微を理解しきれていないところがあるが、他人のためにしか戦わないなど本来は心優しく天然な性格。
基本的に何事にも全く動じない鋼のごとき心を持つが、蜘蛛だけは大の苦手。姉崎部長と出会って茶道部に入部、部長のような人間になる事を目指している。
小学校からの雅矢の相棒。開架高校一年生。ソフトな外見のイケメン男子だが、「1500Wの電子レンジ」と呼ばれるほどすぐ熱くなるたちで喧嘩っ早い。雅矢とともに茶道部に入部した。雅矢にはヤーマダと呼ばれている。
雅矢の最大の理解者であり、雅矢をからかって遊ぶこともあれば、それとなくフォローに回ることも多い世話焼きな性格。女好きで、今のお気に入りは夏帆。空手や柔道等格闘技をいくつか嗜んでおり、自身もそれなりに強い。
茶道部の部長。開架高校三年生。お茶の妖精のような人格者で、風貌・性格ともに非の付け所のない大和撫子。雅矢の憧れの人。
争いや暴力を好まず、人を信じる気持ちを大切にする少女で、「開架高校の良心」と呼ばれる。一方で雅矢をたしなめたり、恐怖に負けず不良に立ち向かう気概も併せ持つ。雅矢と夏帆から女神のように慕われている。
雅矢たちと同じく茶道部に入部した女の子。開架高校一年生。曲がったことが許せない正義感あふれる性格で、「狂犬」と恐れられるほど好戦的。人をけなすのは得意だが、褒めるのは苦手で、褒められるのも苦手。腕力はないが非常に足が速い。姉崎部長を深く尊敬しており、部長に近付く雅矢を蛇蝎のごとく忌み嫌っている。口癖は「バカじゃないの!?」。
夏帆の親友で、ともに茶道部に入部した女の子。開架高校一年生。臆病な性格だが要領が良く、暴走気味の夏帆のコントロールを担うことも。最初は雅矢に怯えていたが、一年生同士で行動しているうちに次第に打ち解けていった。運動は大嫌い。
軽挙高校一年生。容姿端麗・文武両道な大金持ちの御曹司で、自分こそ主人公と疑わない自信過剰な性格。しかし雅矢にある致命的な欠点を看破され、「ブルー」と呼ばれることになった。姉崎部長に好意を抱いて接近し、雅矢らと対立する。根は正々堂々としており、決して悪い人間ではない。
茶道部の隣の部屋で活動しているアニメ研究会の部長。開架高校三年生。典型的なオタクの草食系男子で、寒いダジャレを連発する痛い人だが、小市民なりに大人の振る舞いを身につけた度量の広い人物。雅矢のピンチをかばったことから、学年を超えた良き友人となる。