CV::土屋利秀
概要
アニメ『シスタープリンセス』(2001年)のキャラクター。
「じいや」は通称であり、本名は不明。
主人公・海神航の実家である海神家に仕える執事の老年男性。
グレーの髪と、同色の口髭がトレードマーク。
一人称は「私」だが、航相手には「じい」を用いるときがある。
高校受験に失敗した航に「航様のお父上とは、航様が中学卒業までの約束」と、彼の身の回りの世話を終了してしまう。
戸惑う航を、謎の黒服2人組に任せ、彼らに連れていかれる航を見送った。
その後、航はプロミスト・アイランドという建設中のテーマパーク(学校も住宅街もある)に連れていかれるのだが、そこで出会った渡し船の船頭、不動産屋、アンティークショップの店主、果ては学校の先生までも、じいやにそっくりだったのだ。
訝しむ航であったが、彼らは「世の中には、自分にそっくりな人間が何人もいるというからな」と、赤の他人であることを主張するのだった。
終盤にて、彼らそっくりさんが、すべてじいや本人の変装だったことが本人から明かされた。
じいやは航の父の命令により、プロミスト・アイランドが建設されている島で幼少期を妹たちと過ごし、しかしその記憶を失っていた航のため、高校受験に細工をしてプロミスト・アイランドへ招いた。島の住民たちもすべて、じいやの部下=海神家に仕える人々だったというわけだった。
その事実を知り、自分の人生がすべて父親や他人によって操られていたものだと思った航から怒りをぶつけられ、これからのことは航自身が決めてほしい、自分は島で待っていると告げて彼の前から去る。
その後、航は山神燦緒の言うとおりに東京の高校へ編入しようとするも、とある幼い兄妹の姿を見て、島で待っている妹たちのことを思い出し、島へ戻ることを決める。
島に戻った航から「僕たち、このままこの島にいていいのかな」と問われたじいやは、この島は航たち兄妹のためにあるものであり、航たちは好きなだけいて良い、と答えるのだった。
島が新年度を迎えた頃には、航たちが夏に過ごした別荘で、とある本の鍵を海に捨てた。
その本はなんと、航の人生に起こることをすべて書いた本。
今までの航の人生は、海神家の計画通りだったのである。
しかし、この1年間の航の成長を見てきたじいやは、この本は必要ないと判断。
本を開けられる鍵を捨て、本自体は墓場へ持っていくことを決めたのであった。
変装一覧
作中でじいやが変装した、主な姿を列挙する。
- 船頭
本土とプロミスト・アイランドの間を行き来する小型フェリーの船頭。
浅黒く日焼けした肌に短く刈り込んだ髪、白いタンクトップにニッカボッカ、額に鉢巻きという格好で、メガネはかけていない。
時折、キセルでタバコを吸っている。
序盤で、航が本土へ戻りたがっていたこともあり、作中で最も多く登場した姿である。
夏休みから終盤にかけて、山田太郎をアルバイトとして雇ってもいた。
- 先生
星見ヶ丘西学園での、航のクラスの担任。
- アンティークショップ店長
商店街にあるアンティークショップの店長。
オルゴールや古いタイプの電球、果ては、航が子どもの頃に流行っていたロボットアニメ「ガルバン」のパチモノ「ガソバル」のプラモデルまで売っていたりする。
- 不動産屋
航が島に来た時に住む場所を相談した。
最初に紹介された物件は山田とブッキングしてしまい、航は2番目に紹介されたウェルカムハウスに住むことになる。
翌日には店を閉め、空いた店舗には、前述のアンティークショップが入った。
- 演芸大会の司会
第6話で開催された演芸大会の司会。
各出し物が始まるときに、演者の名前とタイトルをコールした他、出し物が終わったとき、拍手の録音データを流していた。
しかし、航たちの劇が終わったときは、録音データではなく、自分の手で拍手をしていた。
- 水着ショップ店長
第8話で航たちが水着選びに来た店の店長。
浅黒い肌に刈り込んだ髪、赤と白のボーダーの水着、水中眼鏡、浮き輪という格好。
妹たちが各々水着を選ぶ中、泳ぎが苦手で水着を選んでいなかった航に、「お兄さんは水着を選ばないのかな?」と問い、「この店は夜遅くまでやっとるからの」と伝える。(その後、航は水着を買いに来た)
また、水着を買いに来た山田に「水着はない!(売り切れた)」と売るのを拒み、ショックで放心状態になった山田に「なーんつってな!」と冗談であることを明かしたうえで、水着を売ってあげた。
余談
テレビアニメ版とは別の世界を描いた原作やゲーム版では登場しないが、ヒロインの一人である亞里亞のセリフ中に幾度となく「じいや」が出てくる。
また直接登場するキャラクターとしても、亞里亞の世話係である、美人の若いメイド、通称「じいやさん」が登場。
ゲーム版では、『亞里亞は屋敷に務めて身の回りの世話をする係の総称が「じいや」だと認識している』とメイド自身が種明かしをする。
すなわち、ゲーム中で直接登場する「じいや」は本項のじいやと別人なのだが、亞里亞の勘違い自体は、彼女が我々のイメージする「じいや」=「老境に入った男性執事」と接したことがないと起こらないものである。
よって、作中に登場していないだけで、実は亞里亞の屋敷の使用人の一人が(並行世界の)彼であるという可能性は否定できない。
また、これまた別の世界を描いたアニメ『シスター・プリンセスRePure』では、亞里亞がメイドを「じいや」と呼ぶとともに、部屋に飾られた老男性の写真を指して「じいや」と呼び、メイドが「私はじいやではありません!メイドです!」と言い返すシーンがある。
写真の老男性は、どことなくテレビアニメ版のじいやに似ている。