概要
車田正美原作のボクシング漫画『リングにかけろ』の主人公・高嶺竜児最大のライバルにして彼の姉・高嶺菊の婚約者でもある剣崎順の発した言葉で、彼の人生観を最も端的に表している。
その背景
剣崎と竜児の二人は、仲間である香取石松、河井武士、志那虎一城と共に「黄金の日本Jr」として、世界を相手に数々の強敵と激闘を繰り広げた後、時が流れてプロボクサーとなる。
先にプロ入りを果たした剣崎は、あれよあれよと言う間に世界チャンピオンに君臨。彼に1年遅れて竜児もプロ入りを果たすが、彼のデビュー戦の相手は何と世界チャンピオンの座に輝いた剣崎であった。
幼少期に端を発する二人の宿命の最終決着は、世界タイトルマッチで争われる事となる。
だが、二人は先の超人級の激しい戦いのダメージで全身を蝕まれており、限界を迎えていた。
このままタイトルマッチで戦えば死ぬと言う予測まで出る中、嘗ての仲間やライバル達が止めに入るも、剣崎は戦いをやめる気は無く、こう言い放った。
「人間の命なんてものは、つかう時につかわなきゃ意味がねえんだぜ」
「人間、どんなダセェ野郎でも一生のうち一度は出番の日がくる。そのたった一度の日がわからねえようなマヌケは、なん百年の生命があったとしてもムダってもんだな」
「一度きりの人生、長い短いは問題じゃねえ。本物の男ってのは、自分のそういう一度っきりの大切な一日を…」
「たった一度の今日という日を感じ取れるヤツのことをいうんだ…」
そして運命の1983年7月7日、日本武道館で開催されたプロボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチにて、遂に両者は相まみえる事となる。