解説
宇宙開発事業団(NASDA)が開発・運用した、個別受信を目標とする放送衛星システムの実験衛星の名称で、実用衛星通信システムを実現するための各種の通信実験を行った。2号機以降では一般視聴者を対象にテレビ難視聴地域の解消を目的とした放送を行うと共に放送衛星に関する技術開発の実験も行われた。
1998年11月のゆり3号bの運用終了により全ての運用は終了している。
衛星名 | 打ち上げ日時 | 射場 | 打ちあげ機 |
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ゆり(BS) | 1978/04/08 07:01(JST) | ケネディ宇宙センター | デルタ2914型 |
ゆり2号a(BS-2a) | 1984/01/23 16:58 | 種子島宇宙センター | N-II |
ゆり2号b(BS-2b) | 1986/02/12 16:55 | 種子島宇宙センター | N-II |
ゆり3号a(BS-3a) | 1990/08/28 18:05 | 種子島宇宙センター | H-I |
ゆり3号b(BS-3b) | 1991/08/25 17:04 | 種子島宇宙センター | H-I |
「ゆり」シリーズ以前の日本放送衛星
1966年よりNHK放送技研により、音声1chのA型衛星及び映像1chのB型衛星が試作され、宇宙環境試験室を用いて各種試験が行われたが実際に打ち上げられることはなかった。なお、A型衛星は「おおすみ」を打ち上げたL-4Sロケットでの打ちあげを想定して制作された。2012年のNHK放送技研一般公開時にこれらの衛星の試作機が公開された。
- 衛星放送の開始(「日本放送技術発達小史」より)
- 技研が製作したA型衛星、B型衛星 (衛星の写真有り)