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光明星3号

くぁんみょうんそんさんごう

北朝鮮が2012年に銀河3号ロケットで打ち上げた人工衛星の名称。4月の打ちあげはロケットの空中爆発により失敗したが12月の打ちあげに成功し、世界で10番目の衛星打ち上げ能力を持つ国となった。
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概要

北朝鮮弾道ミサイルテポドン2改良型をベースとする銀河3号ロケットにより2012年の4月と12月に打ちあげを実施した人工衛星の名称。4月の打ちあげは打ちあげロケット1段目の燃焼中に空中爆発が起き失敗したが、12月12日の打ちあげは成功し、軌道上の物体を監視しているアメリカ戦略軍(USSTRATCOM)により2012-072A〜2012-072D(Aが光明星3号本体・Bが銀河3号3段目・C,Dがアダプタ類と推定されている)の軌道上の物体の存在が確認された。
北朝鮮が軌道投入に成功したことが国際的に認知された最初の人工衛星であり、世界で10番目の衛星打ち上げ国となった。(北朝鮮は光明星1,2号も成功したと主張しているが軌道上に該当する人工物は確認されていない)
北朝鮮による自国のロケットによる人工衛星の打ち上げは、ミサイル関連技術の開発・利用を禁止した国連安保理決議1718及び決議1874に反する行為とされ、各国で非難の声が高まっている。

光明星3号1号機

打ちあげ日時2012/04/13 07:39 (JST)
射場東倉里 西海衛星発射場
打ちあげ機銀河3号
国際標識番号-
重量約100kg
寸法約50cm x 50cm x 100cm の直方体(太陽電池パドル展開前)
軌道1段目燃焼中の空中爆発により打ちあげ失敗

※この衛星については北朝鮮が初めて公式に打ちあげ失敗を認めている。

光明星3号2号機

打ちあげ日時2012/12/12 09:49 (JST)
射場東倉里 西海衛星発射場
打ちあげ機銀河3号
国際標識番号2012-072A
重量約100kg(?)
寸法約50cm x 50cm x 100cm の直方体(太陽電池パドル展開前)(?)
軌道近点高度 494km/遠点高度 588km/軌道傾斜角 97.4°の太陽同期軌道(に近い軌道)

※重量・寸法については1号機と同一と仮定した場合

光明星3号2号機打ちあげ時の動画


(SpaceVidsNetより)

目的

北朝鮮側の発表によると、この衛星は地球観測衛星であり、地上撮影用のカメラを搭載しているとしている。しかしながら2012/12/15時点では衛星からの電波の発信などは確認されておらず、衛星搭載機器については正常に動作していない可能性が高いと見られている。しかしながら人工衛星の軌道投入が確認されたことにより少なくとも以下の目的は達成されたと思われる。

  • 衛星打ち上げ能力を持つロケット(=ミサイル関連技術)の開発・実証
  • 太陽同期軌道へ衛星を投入するための誘導・制御システムの開発・実証
  • 上記を達成したことによる自国のミサイル関連技術の誇示
  • 衛星打ち上げ能力を誇示することによる国内外へのプロパガンダ

なお、衛星が機能していない、もしくは一部で言われているようにダミーの張りぼての物体ないしは仮にねじ1本であったとしても軌道上に投入されたことが確認されている以上それは「人工衛星」と呼称される。一例として、フランスは世界で3番目に人工衛星「アステリックス」を打ち上げたが、この衛星は打ちあげ時にアンテナを破損しデータ通信が出来ていないがこれも人工衛星として認められている。

構造

2012年4月の打ちあげに先立って外国人報道陣らに衛星本体が公開された。そのときの発表・映像などによると衛星本体は50cm x 50cm x 100cmの直方体で、重量は約100kg、背面及び側面に展開式の太陽電池パドルを有する三軸制御式の衛星と見られている。
一部の報道では100kgという質量が実用衛星としては小型すぎるとの指摘もあるが、ASNAROシリーズではほぼ同等質量の超小型衛星をラインナップとして検討するなど、重量だけで判断するのは不適切との指摘も存在する。ただし人工衛星の製造・試験・運用ノウハウなどを殆ど持たないと思われる「北朝鮮が」いきなり実用レベルの衛星を製造できる可能性は低いとみる見方が一般的である。

衛星打ち上げの問題点

北朝鮮が自国ロケットによる衛星打ち上げを決行したことに関する最大の問題点は「ミサイル関連技術の開発・利用を禁止した国連安保理決議1718及び決議1874への違反」であり、今後各国により北朝鮮に対するより厳しい制裁・非難の措置が行われる見込みである。
また、今回の北朝鮮による人工衛星の打ちあげでは多くの国の第1号衛星のように人工衛星を単純に適当な地球周回軌道に乗せたのではなく、より難易度が高い「太陽同期軌道」と呼ばれる軌道にほぼ正確に衛星を投入出来ることを実証した。これは北朝鮮の保有するミサイル関連技術は従来の想定よりも高い水準にある可能性を表している。
さらに北朝鮮は「宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約」に加盟していないため、落下物により損害が出た場合の保障について不明確である問題もある。

日本国内における報道での呼称

日本国内に於いては4月の打ちあげの前より政府が「『人工衛星』と称するミサイル」という名称を用いており、各種報道機関もほぼ横並びで同じ名称を記事内で用いている。12月の打ちあげが成功し実際に「人工衛星」であることが確定してしまったために、衛星そのものについてはあまり語られることがなく、北朝鮮が「太陽同期軌道へ衛星を軌道投入できるだけの(従来の想像よりも)より高度なミサイル関連技術」を有していたことへの懸念が一般に伝わりにくい状態となっている。また、一部では「禁止されていたのはミサイル実験だから、人工衛星打ち上げなら非難されるいわれはないはず」との誤解も助長する結果となっている。
ただし日本国内に於いては従来より「日本のロケットは諸外国のようにミサイルから発展したものではなく、最初から平和目的のために作られた」という点を強調する向きもあり、「ミサイル=軍事目的、ロケット=平和目的」という誤解が広まっている点も「『人工衛星』と称するミサイル」という表現が多用された一因と推測される。

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