概要
JAXAの陸域観測技術衛星。
陸域観測技術衛星だいち(ALOS, Advanced Land Observing Satellite、エイロス)は、地図作成、地域観測、災害状況把握、資源調査などへの貢献を目的として宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した地球観測衛星。
2006年1月24日に H-IIAロケット8号機で打ち上げられた。
2011年5月12日の運用終了まで650万シーンを撮影。
新潟県中越沖地震や四川大地震等の災害被害観測、ブラジルの熱帯雨林における違法伐採や日本国内の不法投棄監視、国土地理院の作成する地図への適用など、さまざまな成果を挙げた。
最期の仕事
寿命3年以上(目標寿命5年)を目標として設計されていただいち。
本来であれば、2011年頭にはすでに運用を終了していたはずであった。が、まだ稼動し続けていたこの衛星は、2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震を受け緊急観測を行うこととなる。
(400シーンを撮影し10府省・機関へ情報を提供。被害状況の把握に役立ったことは言うまでもない)
そして初期観測が一段落した4月22日に電力が低下。復旧できずに2011年5月12日、午前10時50分、バッテリー停止命令送信。運用終了となる。
「そのように作られたもの」が、最後まできちんと稼動して役目をまっとうしただけの話なのだが、涙を誘われるのは何故だろう。
だいちは海外へ情報を提供してきたことから、そのお返しとして海外の衛星から5000シーンの情報が提供された。
海上保安庁から感謝をこめて、「だいち」(ALOS)へラストメッセージとしてレーザー光線が伝達された。JAXA (2011年10月20日).
後継機
だいちの後継機として以下の人工衛星がある。
- だいち2号(ALOS-2)2014年に打ち上げられた。現在目標年数の7年を超えて運用中。
- だいち3号(ALOS-3)2023年に打ち上げられるもH3ロケットの不具合により指令破壊され消失。
- だいち4号(ALOS-4)2023年度以降打ち上げ予定。