概要
2007年7月16日午前10時13分頃、新潟県中越沖で発生した逆断層型地殻内地震。気象庁による正式名称は「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震」。
震源は北緯37°33.4′・東経138°36.5′。震源の深さは17km。規模(マグニチュード)はM6.8(Mw6.6)。最大震度は6強。
震度
震源に近い新潟県柏崎市・刈羽村・長岡市で震度6強の激震となったが、震源からやや離れた長野県飯綱町でも局所的に6強を観測し(飯綱町周辺の震度は5強以下で揺れの大きさに差が生じた)、異常震域の傾向を示した。
このほかに信越地方の各地と石川県で震度5弱以上の強い揺れとなり、東北から関西にかけて有感(震度1以上)となった。
中越地震との混同に注意
名前が似ているのでややこしい(混同されやすい)が、3年前に近くで起きた「新潟県中越地震」とは全く別の地震である。
しかし中越沖地震は、気象庁マグニチュード(M6.8)もモーメントマグニチュード(Mw6.6)も同じであることや、メカニズムがほぼ同じであること、発生時期や震源などが近接していることなどから、中越地震とはよく似ている。ただし余震活動は中越地震よりも不活発であった。
また、本地震の4ヶ月ほど前には、同じ中部地方の石川県で能登半島地震が発生しているが、この地震との関連も不明。たまたまこの地域で短期間に逆断層型の大地震が続発しただけである。
最大余震
中越沖地震の最大余震は、本震から約5時間後(15時37分)に発生。規模はM5.8で、新潟県長岡市と出雲崎町で震度6弱の激しい揺れとなった。
被害
被害の概要
- 死者 15人
- 負傷 2346人
- 全壊 1331棟
- 半壊 5710棟
原発の被害
本地震では震度6強の柏崎市と刈羽村にまたがる「柏崎刈羽原子力発電所」も被災した。変圧器の火災や、微量ではあるが放射性物質の漏洩などが発生。震源域内の原発が地震で被災したのは初めてのことである。
鉄道の被害
柏崎市にある柏崎駅では、地震発生当時0番線に停車していた越後線の柏崎発新潟行下り普通列車(115系電車ニイS1編成)が、激震で(2両編成の先頭車両が)脱線。台車が線路から大きく外れて車体が傾き自走不能になった。
この時に柏崎駅で撮影された報道写真は、中越沖地震の被害を象徴するものの一つとして現在でもしばしばメディアで使用されている。
なお当該編成は地震発生から半月後に台車と車体が線路に戻され、長野県長野市の長野総合車両センターで修理を施され同年中に運用に復帰している。