概要
クラシックバレエの基本的なポーズの一つ。ダンサーは、足を伸ばすか曲げた状態で片足立ちをし、もう一方の足を後方に、完全にのばした形であげる。腕は指先からつま先までがもっとも長いラインとなるような位置に維持する。
アラベスク(arabesque)には四つのポーズがある。身体の向き、脚の組み方や位置、更に、左右の腕をどう伸ばすか等で決まってくる。
バレエのアラベスクの四つのポーズ
アラベスクの四つのポーズはダンサーのポーズである。
観客から見て、斜め方向をダンサーが向いて行われるのが普通で、ダンサーが右斜め方向(8番)を向く場合と、左斜め方向(2番)を向いてポーズを取る場合がある。観客から見ると印象の違う、八種類のアラベスクのポーズがあるように見える。
- 第1アラベスク
エファセで始める。左足を前に出して軸足にし、右脚を後に高くあげる。右の腕を身体の横に伸ばし観客に向ける。左の腕は身体の前に出し、コーナーの方向に向ける。顔は右の腕の指先に向け、従って観客の方を向く。
- 第2アラベスク
エファセで始める。左の軸足や、後に高くあげる右脚は、第1と同様。左の腕を身体の横に伸ばし、肩とエポールマンで一直線にする。右の腕を身体の前方に突き出す。顔を観客に向ける。
- 第3アラベスク
クロワゼで始める。右足を前に出して軸足にし、左脚を後に高くあげる。右の腕を少し後ろ向きに肩に沿って横に伸ばす。左の腕は身体の前方に突き出し、視線は突き出した腕の先を見る。
- 第4アラベスク
クロワゼで始める。右の軸足や、後に高く上げるアラベスクの左脚は、第3と同様。右の腕を身体の前方に突き出し、左の腕は、前に突き出した右腕と一直線になるように、後に伸ばす。肩はエポールマンで観客の方を見る。
(「右足を軸足とするエファセ」で始める場合や、「左足を軸足とするクロワゼ」で始める場合もあるが、以上の説明では、軸足や後にあげる脚が、右か左かを具体的に提示した。英語版ウィキペディアの記述に従っている)。
この二枚の絵は、第3アラベスクのポーズ。
左の絵では、右脚が軸足。右の絵では、左脚が軸足。従って、左の少女は、右腕を横に伸ばしている。右の少女は、左腕を横に伸ばしている。
両方の場合で、前に突き出した腕を、上にあげている。
(最初にポーズを取ったときは、前につきだしている。前につきだした指先から、胸、横に少し後ろ向きに伸ばした腕、その指先、そして後に伸ばした脚、つま先へと、前後に優美に身体を伸ばす)。
身体の向きと左右の脚の組み方
- 「アンファス」では、身体は観客の方向を向き(正面向き、en face)、左右の脚は組まない。この姿勢ではアラベスクは普通行わない。
- 「クロワゼ」では、身体は観客に対し、45度斜め方向を向いている。両脚は、正面から見ると、交差(クロワゼ)しているような形に組んでいる。
- 「エファセ」では、身体は観客に対し、45度斜め方向を向いている。両脚は、正面から見ると、開いて(エファセ)いるように見え、両脚の交差はない。
- 「エポールマン」はダンサーの胸の角度で、ダンサーの身体が向いている方向から幾分胸を斜めにする。腰の部分は動かさず、上体をひねる。
アラベスクとアチチュード
「アチチュード(attitude)」は一見するとアラベスクに似たポーズであるが、後にあげた脚が、まっすぐに伸びているのがアラベスクで、膝の関節の部分で曲がっているのがアチチュードである。
上の二枚の絵はアチチュードの例で、うしろにあげた脚が、膝のところで曲がっている。下の絵は同じ作者によるが、うしろにあげた脚がまっすぐに伸びている。こちらがアラベスクである。
参考
en-wikipedia:Arabesque ballet-position