概要
アリオクは自分を雇った者の個人的復讐にのみ手を貸す、復讐の魔神である。
コラン・ド・プランシーの著書「地獄の辞典」の右手に血に染まった斧、左手に松明を持つ、黒い翼の天使然とした姿や上記の解説が有名であるが、それに先立つジョン・ミルトンの「失楽園」や十六世紀の文学でも復讐の悪鬼として言及され、特に「失楽園」ではサタンに従った堕天使として描かれている。
アリオクの名の意味はヘブライ語の「獰猛な獅子」であるとされ、聖書でも「創世記」のシデムの谷を攻めたエラサル王、「ダニエル書」のネブカドネザル王の護衛隊長の名前として登場している。
またエノク書のスラヴ語訳には文書保存を担う天使アリオク(ただし綴りはarioc)がいる。