概要
本編の主人公で元魔物。24歳。
女性に紳士的で律儀。本作の主要人物らでの中では常識人で、彼らのボケや特殊な文化にツッコミ担当。ただし主人ベティには過保護で彼女が彼氏候補のハードルは凄まじく高い(恋愛感情はなく、あくまで従者として)。
魔女の下僕で高い戦闘能力と逃げ足が自慢、武器は大型のマッチロック銃、炎の魔法を扱う。魔法の名称は「纏う炎(カポーテ)」「煽動する炎(バンテリージャ)」など闘牛絡みの名称。魔法使用時は表皮が熱に耐えようとウロコ状に変化する。ただし彼の魔法は見様見真似で模倣した独学であり、ウロコが現れるのは自身も焼けていたのが原因。
外から魔力をとるしかない魔物であるアルセニオはベティの薬草料理で魔力を取っているので、ある意味彼女無しでは生きていけないのである(ただし、魔王が相手ということで特製の青汁を飲まされたりと主人に翻弄される時もある)。
炎の魔法を使うゆえか身につけているものの多くは耐火性の魔導具であり、他にも触れたドアを一時的に自宅のドアにつなげる「帰宅の鍵」や履いた者の体重を4分の1にする「クォーターブーツ」といった魔導具を装備している。
ベティの師ビビアンが謎の病に犯され治療薬の材料集めとなるのだが、その中に魔王であるキングブルのツノが含まれていおり、ビビアンの協力を求めたいレイらと共に奮闘するのだが、(本来は男とはいえ)美少女と同室になるわ、彼の(魔法で女性になっているが)兄エリックから女性の体でからかわれたりと、魔王以外にも自身の自制心が敵となり悩ましい状況となる。
本名はアルセニオ・グラジア・バルデラスで人間だった頃の彼は導具職人志望。
物語の舞台となるのはエリーランドという国だが、アルセニオはイスパニア出身で彼の故郷の宗教トノコ教に追われた過去を持ち、血を飲んでの魔力回復を元人間の意地で拒んだり、レイに対してはちょっとドキドキしつつも、「人間の夢」を期待しないようにと自分に言い聞かせていたりといつもの明るさの裏に時より過去のトラウマが見え隠れする一面も。
教国のレクエルドでは
本編の前日譚では彼が魔物になった経緯が描かれている。
死霊魔術をあやつる魔女 に襲われるもサウロが犠牲を伴いながらも彼女を倒す。しかし彼女の杖に宿る精霊サラマンダーに惹かれてしまう。これがのちに暴走事件をおこし領主の娘の飼い猫リコ(実は正体を隠しているケット・シー)が自身が魔物として討たれるのを覚悟の元に助けられる。アルセニオは領主の娘マルティナに惚れられるものの、彼女を拒絶、密告により囚われる。ひとり処刑されそうになるも、サラマンダーと契約し魔物となり、祖国を脱した。