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アルテリオス計算式

あるてりおすけいさんしき

「攻撃力-防御力=ダメージ」という単純明快なダメージ計算式。命名はbiim兄貴。
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概要編集

RPGの戦闘では攻撃時にダメージが発生する。

その値を導く計算式は多岐にわたるが、中でも「アルテリオス計算式」と呼ばれる


「攻撃力-防御力=ダメージ」


という単純な加減算はこの上なくシンプルであり、名作からクソゲーに至るまでRPGに広く採用されている。


「装甲を貫く攻撃力がないとかすり傷すら与えられない」が、「強くしすぎると途端に雑魚と化す」という大味な戦闘バランスになりやすく、数字を慎重に扱わなければ即座にバランス崩壊してしまう。

一方で「非力な魔法使いは物理攻撃が貧弱で打たれ弱い」「硬い敵には魔法が有効」など直感的に理解できるゲーム設計を構築しやすい点が特徴。


キャッチーすぎる名称からアルテリオス計算式=クソ、という勘違いが生まれがちだが、前述のとおり正しく扱えばさほど問題にはならない。

biim兄貴がプレイしたRTAではむしろ「敵の強さと経験値が比例しない」「(その時点での最強装備前提のバランスなのに)装備品が高すぎる」「敵の強さの上昇割合と比較し、自キャラのレベルアップ時におけるステ成長がショボい」といった要素の方が悪さをしている。

ここへ(雑な調整の)アルテリオス計算式が加わることで、RTAプレイでは格上どころか雑魚敵にもまるで歯が立たない泥沼のゲームバランスが完成することとなる。


なお、ポケットモンスターシリーズのような、自軍の戦力における強弱や敵の強さにむらがある場合は不向きな式となる。実際ポケモンでは加減算ではなく乗除算を用いている(式は複雑なので割愛)。


「アルテリオス」について編集

ここまでシンプルな計算法にわざわざ名前が付けられた理由は、ファミコンシューティングRPG「アルテリオス」に起因する。

加減算のダメージ計算はTRPGから続く伝統的なものだが、本作は敵の防御力がこちらの攻撃力をわずかでも上回っているとダメージがほとんど通らない。逆にわずかでも上回れば突然雑魚と化す極端すぎる大味なゲームバランスである。

これをRTAでプレイしたbiim兄貴によって名付けられ、浸透していった。

つまり、名称の元とはいえ同作がアルテリオス計算式を導入した起源ではないのであしからず。

しかし、アルテリオス計算式の駄目な典型例の一つがアルテリオスなのは疑いようがないだろう…。


アルテリオスの名誉のために補足するならば、本ゲームは戦闘システムに難があるとはいえ破綻するほど理不尽ではなく、ストーリーやBGMなどの評価も高い。


ドラゴンクエストの計算式編集

アルテリオス計算式の派生としてドラゴンクエストシリーズで使われるものも有名。

補正箇所などは作品ごとに差異があるものの「攻撃力/2-防御力/4=ダメージ」を基本とし、この算出ダメージに様々な補正をかけてダメージを導き出す。


この計算式を軸にステータスを吟味すると、FC版りゅうおう第二形態は回復手段や被ダメージ、会心の一撃が発生しない等によるこちらの与ダメージ諸々を考慮したとき、ロトのつるぎ(作中最強武器)が半ば必須という絶妙な塩梅とになっている。


ロトのつるぎの次点、ほのおのつるぎと比較するとダメージが3〜6ポイント変動する。

つまり、ロトのつるぎであればりゅうおう第二形態(HP130)をおよそ13ターンで倒せるが、ほのおのつるぎではおよそ17ターンを要する。MPフル状態ならばベホイミを十回使用できるが、第一形態や道中で多少なりともMPを消費すると考えられる。そのうえで、ロトの剣装備時において何とか倒せるバランスということに鑑みれば差分の4ターンは文字通り生死を分けることとなる。

りゅうおうに対してラリホーは極低確率で効果を発揮するが、当然あてにはできない。無効となればダメージを受けることに加えベホイミ用のMPまで減るためろくなことがない。



ファイアーエムブレムの計算式編集

与ダメージ計算として、(自分の攻撃力)-(相手の守備力)という式が使われる。攻撃力は(力)+(武器の攻撃力)が基本となる。

相手の弱点属性(飛行系に対する弓など)に対しては武器の攻撃力が3倍になる。

ラスボスに対しては自軍の攻撃力が半分(小数点以下切り捨て)になる(ボス限定スキルとしてダメージ半減や、遠距離攻撃完全防御、即死無効などが追加されている作品もある)。

また、攻速(攻撃速度)の差によって、1ターンに2回攻撃できる(この仕様は相手にも適用される)。

必殺の一撃以外に、ダメージの振幅は生じない。

初代『暗黒竜』を例にすればHPが最大で52、それ以外のパラメータは最大20、魔法防御は7と、一般的なRPGのパラメータと比較し極めて小さな数値で計算することでゲームバランスを保っている。


ファイアーエムブレムは純粋なRPGではなく部隊を率いて戦うシミュレーションRPGである。つまり一回の戦闘より戦況をみながらユニットを配置することに重きを置くゲームデザインなため、戦闘が多少大味になることはさほど問題にはならない。

シンプルな計算式ゆえ、暗算でもダメージ値を即座に導き出せる。そのため事前の戦闘予測をもとに戦略を立てられることは大味な戦闘のなせるわざである。

シリーズ続編ではパラメータがややインフレしたり、スキルなどの追加要素があるものの、基本的なゲームシステムは不変である。アルテリオス計算式と相性が良いゲームと言えるだろう。


マリオストーリー・ペーパーマリオRPGの計算式編集

これらのソフトも当該計算式を導入しているが、大きな特徴として全体の数値を限界まで下げていることである。

主人公マリオのHP・FP(フラワーポイントの略。いわゆるMP)の初期値はそれぞれ10・5であり、最大でも50・30までしか上昇しない。基礎攻撃力は初期値が1。2度のパワーアップを経た終盤でようやく3となる。そのほか、アクションコマンド(AC)を成功させて+1、またFP消費により強力な攻撃を行うと強化されるが、一回の上昇幅は5程度である。FPを使用せずに攻撃力を上げる方法は限られており、仮にFP消費攻撃であっても1回の上昇幅は極めて少ない。

序盤における雑魚敵のHPは一桁、中盤から二桁が現れるが、終盤においてもHP20を超える雑魚敵はほぼ存在しない。ボスのHPも例に漏れず、ラスボスでようやく99である。敵の攻撃力が5を超えるケースはいわゆる「強力な攻撃方法」のみに限られ、雑魚敵は高い基礎攻撃力を持つ終盤の個体でも3程度。基礎防御力に至ってはさらに少ない数値がならぶ。マリオの基礎防御力は0(防御ACの成功でようやく+1される)、一部の雑魚敵およびボス(ラスボス含む)が1~2程度で、それ以外はボスであっても0がほとんどという有様。


このように、徹底して数値を抑えることでインフレを回避し、「1」という数値の違いがゲーム全体に大きく影響するよう調整されている。


敵の防御力が1上がるだけで基礎攻撃力1のマリオは通常攻撃によるダメージが与えられない。しかし、ACを成功させ攻撃力を+1すれば、防御を突破してダメージを与えられるため詰むことはなくなる。AC以外に基礎攻撃力アップの手段は限られるが、だからこそ上昇時の恩恵は大きくなる。同時に、序盤から+1できるACの重要性の高さを強く印象付けることにも寄与している。


基礎防御力を持つ雑魚敵のほとんどはHPが一桁なため、厄介であっても難敵とはならない。それを逆手に取り、ボスに高いHPや基礎防御力を設定させれば容易に難敵化させることができる。マリオ側は、FPを使用した高ダメージ発生方法や、防御力を無視する手段をいくつも選択できるため、アイテムなどでしっかり準備すれば火力不足にもならない、という絶妙なバランスが構築されている。


関連タグ編集

ゲーム biim兄貴


古き良き時代の冒険譚:クソゲーオブザイヤーを受賞したアルテリオス計算式を用いたSRPG。ゲームバランスの崩壊もさることながら、とりわけ強化魔法の仕様に重大な欠陥がみられた。攻撃力アップ魔法が無限に重ねがけできる(つまり+1を100回かければ+100になる)ため、極限までドーピングを施せばスライムでもプラチナキングの装甲を抜けるという超大味なバランスに仕上がっている

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