活動履歴
2011年4月16日にニコニコ動画にて「ドラ先輩BB」を初投稿。レトロゲームと淫夢をコラボした「クッソ汚いBB先輩シリーズ動画」を次々と産み出し、当初は淫夢好きのネタ動画投稿者として認知される。動画説明文ではいつも作品の出来について自虐的なコメントを発しており、やや謙虚な所が目立つ(視聴者からは「もっと自信持て」との事らしい)。
レトロゲームRTA動画の投稿は2012年5月16日から開始。『貝獣物語』を4時間2分14秒でクリアした(下掲)。上述のように、BBネタ動画の制作者と見られていた彼が突然RTA競技を始めたことは、当時はちょっとした驚きをもって迎えられた。
同時に、それまで実技の映像証跡でしかなかった無味乾燥なRTA動画に無数の編集を咥え、お下劣極まりない淫夢ネタをネットリ混ぜ合わせたお笑い動画にするという、誰もやらないような狂気にして画期的な発想がインターネット上の国内RTA界隈および淫夢ネタ界隈に衝撃を与えたのである。
当然のように汚い参考動画(RTA初投稿作品)
その後も、後述のような既存のRTA動画の常識を打ち破るエンターテイメント志向のRTA作品を立て続けに発表しコアなファンを獲得。ファンの間ではレスリングシリーズや淫夢のようなホモネタ業界の礼儀として「biim兄貴」の尊称が定着した(なので、本人が自称するハンドルネームはあくまで biim である)。
また、そうした作風によって「カジュアルなRTA」という分野を開拓し、気軽に視聴するファンを増やすだけに留まらず、彼の作風を模倣することで動画の制作側となった「子」をも多数生み出して界隈全体を盛り上げた功績から、子ことbiimチルドレンたちからは「親父殿」とも呼ばれたり。
投稿ペースは2013年から14年頃の最盛期から落ちたものの、現在も彼のTwitterやニコニコチャンネルのブロマガには活動中の内容が記されており、不定期にRTA動画の発表を続けている様子。
ゆっくり妖夢
ニコニコ動画で使用するアカウント名「biim」のアイコンは、彼がファンである漫画家・桜玉吉の「幽玄漫玉日記」の表紙自画像を元にしたイラスト。
対して、RTA動画作品中ではゆっくり妖夢を動画中でのアバターにしている。RTA発表初期は、読み上げソフトSoftalkのボイスはゆっくり霊夢のものという慣例に倣ってゆっくり霊夢を登場させていたが、4作目となる「FC版女神転生2RTA 5時間22分22秒」以降は妖夢で固定された(下掲)。そのため、本項トップにもあるようにpixvを含む兄貴のファンアートは主に魂魄妖夢およびゆっくり妖夢の姿で描かれる。
BB素材からやや雑に切り抜いた画像のためか、青色の背景が僅かに顔面の周囲に残っているさまを「青いオーラを纏っている」と面白がるファンも。
2019年5月のインタビューにて霊夢から妖夢に変えた理由を尋ねられると「ちょうど『東方妖々夢』ノーマルのーぼむちょうせんをしていて ようむで7乙したからですね!」とのことで、当時たまたまムカついていたキャラを気まぐれに選んでみただけの様子。本人は東方キャラでは八坂神奈子が好みらしい。
芸風
biim兄貴のRTA動画における特色を上げるなら「非常に新鮮で、非常に丁寧な解説」、「ふんだんに盛り込まれたネタ」、「単調になる長時間の作業には大人気アニメを流す優しさ」「softalkの巧みな調声による睡眠導入剤のごとき優しい音色」、そして「屑運とガバガバなプレイングと本番での大胆なチャート変更」である。決して超絶技巧なガチ勢中のガチ勢とまでは呼べない腕前だが、長時間のプレイ動画視聴がまるで苦にならない要素をたくさん盛り込む動画投稿者の鑑である。
そのあまりにガバガバなプレイングにより、「RTA芸人」、「RTA風」、「ちょっと早いゆっくり実況動画」と面白半分に揶揄されることもある。実のところ他のRTAプレイヤーよりは相当早く、いくつかのRTA世界記録に肉薄、記録を塗り替える事も少なくないほどの侮れない腕前なのだが、この一見するとヘタウマなスタイルが視聴者のライバル心を刺激し、ブームを起こす一因になったと言えよう。
本人はこうした自らの作風の流行を「ぐうぜん。」と語りつつ、その影響を「まじめにチャートをねる。れんしゅうせず本番かいし。とうぜんがばるわらわれる。じぶんでもできそうとおもわれる。走者ふえる。ふしぎ!」と自認し分析している(上述のインタビューより)。
それまでのRTAは基本的に好タイムが出たものを動画化することが常識となっていたので、良い結果が得られるまで序盤からリセットを繰り返す行為などが頻発し、ガチ勢以外には広まりにくいという敷居の高さがネックとなっていた。
biim兄貴の作風はそんなガチガチなRTA界隈に「たとえ世界記録は出なくても自分なりに納得したプレイでまずは1本完走して動画化する」という一石を投じることになり、結果RTAの敷居を下げ、同時に上述の「自分にもできそう」と動画を見た視聴者に対してRTAへの意欲を掻き立て、RTA走者の人口が増える事に繋がったわけである。本人の言葉通りこれは偶然であり、兄貴本人はあくまでも記録狙いのプレイをしている事は忘れてはいけない。記録狙いのプレイをしつつ、RTA動画として1本作ってみる、という事なので、初めから記録を狙うつもりのないRTAは本末転倒である事は十分注意するように(兄貴曰く「動画は墓標」)。
ちなみに屑運とよく言われるのは、正に乾坤一擲の正念場に限って悪い結果が出たり、目測を誤ったり軽はずみなプレイを行った時に限って運悪く連鎖事故を起こす、などが多く見られることが主な要因で、笑いの神に愛されていると言われる事も(本人も動画内で「おお神よ、なぜ貴方(テメェ)は私に、本番で試練(事故)を与えるのですか?」と嘆いている)。
逆に屑運を豪運で取り戻すことも少なくなく(RTAプレイにおいて最難関の箇所をあっさり突破したり)、屑運・ガバプレイを豪運と等価交換しているともとれる。が、屑運を引くことを考慮してなるべく運に左右されない安定チャートを組んでいる事もあり、逆に豪運を引いた時のアドリブに慣れていないところもある。
ゲーム攻略案をまとめた攻略チャート(以下チャート)は、杜撰さや非効率から「ガバガバチャート」(通称「ガバチャー」)と頻繁に視聴者から呼ばれるが、実際のチャート内容は非常に綿密である。特に兄貴がRTA先駆者となったゲームにおいては、後続のプレイヤー達によってチャートが洗練されていくにつれて実は手探り状態からのチャートとしては相当な完成度になっているという事が判明する事もしばしば。
本人曰くレベルアップの上昇値やドロップアイテムなど、ゲーム内要素を深く調べ上げることが昔から好きだったとのことで、「チャートをかんがえるのが好きなのであって、同じげーむを何度もするのはきらいだと1作目できづきました。」と、自身の性分を語っている。
兄貴曰く、
-RTAは、まずプレイするゲームに対して深い愛と理解があってから始まる―
とのこと。
biim兄貴の雄姿
屑運・ガバプレイ・豪運などで有名なシーンは以下のあたり。(ついでに記録も追記)
ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々:6時間38分42秒
- 最序盤から「ふくびきけん」(買い物をすると一定確率で貰える)を当てにしたチャートを組み立てるもさっぱり貰えず、早くもチャート変更を迫られる(再走はしない)。なお初めてふくびきけんを貰えたのはPart2に入ってからだった。
- 難関・ロンダルキアへの洞窟をあっさり通過したものの、その後のロンダルキアで即死攻撃を受けまくりタイムが延びる。(実は洞窟突破時点で相当早く、残るロンダルキア稼ぎ→ハーゴン・シドー戦が上手く行っていれば当時のニコ生記録更新レベルだったが、結果はニコ生記録から1時間以上遅れてしまった。)
- 「このシドー戦に勝てればまだ好タイムでクリア」という時にラスボスのシドーがまさかの先制攻撃を行ってきて敗北。(ここでの敗北が↑の悪循環に繋がる。)
- 「リレミト」で撤退しようとしたら0歩でデスエンカに遭遇する。(通称着地狩り)
ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち:7時間2分39秒
- せいすいを用いてはぐれメタル狩りをするものの、唯一プレイヤーが行動を詳細に決められる主人公にせいすいを持たせるのを忘れる。ちなみに仲間のAIがせいすいを使ってはぐれメタルを倒し、「AI以下」の不名誉を罵られる。
- 危険地帯の通過方法を独力で試行錯誤の末に編み出したものの、その方法が既に古い方法として化石化していた。
- あるボス戦にて、RTA用に自ら考案したライアンを使った新戦法を初披露しようとしたが、肝心のライアンが初ターンでいきなりマヒ攻撃を受け置物化する。
SD刑事ブレイダー:5時間21分42秒
- 負けたら即リセのボス戦でピンチの際に決死の思いで放った攻撃が2ダメージ。(正確には二連続で攻撃する武器を使用して2回とも1ダメージだった。)
がんばれゴエモン外伝2 天下の財宝:6時間2分16秒
- 経験値稼ぎを開始するも最初は効率が悪い敵しか出ず、ようやくエンジンが掛かってきたと思ったら開幕痛恨からの連続攻撃で敗北→リセット。
- 使用すると敵に大ダメージを与える超貴重かつ重要アイテムを間違えて35Gで売却する。
ドラえもん ギガゾンビの逆襲:4時間52分16秒
- 「経験値稼ぎに飽きた!多少は誤差だから道中の敵を倒せば十分!」と稼ぎを早めに切り上げたが、そんな時に限って敵とのエンカウントが少なくなり、結局経験値不足に陥り無駄に稼ぎを行う事になる。
スクウェアのトムソーヤ:3時間27分1秒
- 作中屈指の強敵との戦闘に際して入念に準備を行ったにもかかわらず唯一の負けパターンをいきなり引く。(なお直前に思いつきで行ったリカバリー策が功を奏して勝利。)
ラグランジュポイント:4時間40分10秒
- 未だかつてないほどに経験値稼ぎが上手く成功するという豪運を見せるが、上手くいきすぎてお金の方が不足する。
ファンタシースター2:6時間9分21秒
- 勘違いから蘇生アイテムではなく全体回復アイテムを回収し続け、最後のラスボス戦前に戦闘不能者が出て初めて使用したときにようやく気付く。(なおラスボスには欠員が出たままで勝利。)
じゅうべえくえすと:8時間24分51秒
- アイテム変換を行っている途中、目当てのアイテムに変換できたのに誤ってリセット。
- メガトンコイン。(詳細はリンク先を参照。今やガバプレイの代名詞になっているが、咄嗟にリカバリー案を編み出すという超好プレイも合わさっている。)
- その後のボスに対して相手を眠らせるアイテムをボスには効かないのに使いまくる。
- 序盤では重要な資金である100Gが入った宝箱を何故かスルー。
カオスワールド:※PART.1で投稿中断しているため不明※
- MAPの危険地帯を避けて移動していたが、うっかり1マスだけあった危険地帯に足を踏み入れ、さらに要注意の敵が出現し、しかも高乱数ダメージを引いて、おまけにそのダメージで即死圏内のパーティーメンバーに攻撃が刺さって死亡。
ウィザードリィ DINGIL:2時間46分13秒
- キャラ作成時に目標のステータスを持ったキャラが先にできていたこともあり、後から更に高ステータスのキャラが作れたのに誤ってキャラ削除。
- 通常プレイや試走ではあっさり倒してきたボスが、RTAプレイ時に限って今までbiim兄貴が見たことが無い行動を取り、しかも内容が即死効果で、おまけに命中してリセット。
ロードス島戦記 邪神降臨:2時間32分38秒
- 後に確定で入手できる高速移動化アイテムをかなり序盤に超低確率ドロップで入手するという豪運を引くが、今までドロップしたことが無かったので直ぐに装備する発想が出なかった。
その他、好プレイ・珍プレイ様々あるので是非一度動画を視聴してみて欲しい。
biim兄貴リスペクト
彼の動画特有の、テレビ番組のL字型画面に似た画面レイアウトは「biimシステム」または「biim窓」と呼ばれおり、これを使用した動画は「biim兄貴リスペクト」や「biim式」と分類され、後述するようにテレビゲーム以外の題材のプレゼンにも使われ、動画ジャンルの一つとして確立されたほど。
本人曰く「ニコニコ動画の投稿者コメント機能の見づらさ」がきっかけで独自の画面レイアウトを練ることになり、「『狂った果実』をもとにしました(てきとう。」とのこと。
特に重要なのは右枠。RTAプレイにおける要点やゲーム内要素をピックアップして説明することが主な使い道だが、ミチミチに書き過ぎたら見辛く、逆にスカスカだと邪魔なだけ、という非常に難しいラインを見極めて埋めることが大切らしい。兄貴曰く「右枠がいちばんつらい。biimシステムはみぎわくとの戦い。」。
狂った果実=1992年発売のエロゲー。詳細は上記項目を参照。
注意
…但し、画面レイアウトに留まらず、そのプレイスタイルや動画中の文体もリスペクトしているプレイヤー達も多いので、下手に乱用するとただのコピペと取られかねないので注意。可能な限り自分のオリジナリティを出して制作すると良い。
更に、他のRTA動画にbiim兄貴RTA動画のノリとネタコメを持ってくるマナーの悪い視聴者も存在する為、他のRTA動画の製作者や視聴者の迷惑にならないようにしておきたい。
公式が病気
彼のネット上の人気にあやかってか、ファンのみならず企業側も一方的なリスペクト的ネタを披露することがあった。2018年2月に放送されたアニメ版ポプテピピックの第5話にて、このbiimシステムをパロったシーンが流れた。原作者の大川ぶくぶは以前からbiim作品のファンだったらしい。
放送30分間の前半と後半で同じ映像を流して音声だけ変える、というのがこのアニメの独特すぎる作風であり、第5話後半は杉田智和と中村悠一の名コンビが声を担当している。前半では見られなかったbiim兄貴が動画内で繰り返す定番のセリフや、その棒読み具合から淫夢ネタ界隈に巻き込まれてしまった殿下ネタの完全なモノマネを追加しているあたり、ゲームだけでなく淫夢ネタに 明るいことでも知られるこの二人もbiim作品を鑑賞したことがあるのかもしれない。
また、兄貴本人もこのアニメについてTwitterで短く反応している。
2019年1月にはバーチャルYouTuberの猫宮ひなたがbiimシステムを使用した忍者龍剣伝RTAを発表。チャンネル公式のコメントで「Biim式の編集やってみた。」と言明するほどの堂々たるリスペクトぶりだったが、兄貴からは右枠の編集量の足らなさをダメ出しされる(前述のインタビュー記事にて)。
しかしながら、このダメ出し発言によって自縄自縛に陥ったのか、後日に自身の新作についても、右枠の編集量に悩む様子をこぼしている。
2019年9月にはSANKYOがパチンコ版機動戦士ガンダム逆襲のシャアの発表を記念した宣伝PVをYouTubeにアップするが、その内容はbiim兄貴リスペクト動画風に逆襲のシャアのストーリーを解説するものだった。ゆっくりクェスが登場しているが、声はSofTalkのものではなく、クェス役の川村万梨阿本人が担当。肉声でゆっくり音声のたどたどしさを表現する川村女史の珍技は一聴の価値アリであった(現在は動画は非公開化されている)。
2020年9月、とうとうゲーム内でリスペクトされる事例が発生した。
この場合はあくまでレイアウトが似ているだけで淫夢ネタには全く触れていないので安心してもいいと思われる。
2020年10月には「栃木県県土ちゃんねる」の防災訓練の風景を撮影した広報用動画がbiimシステムを利用しているさまが確認された。栃木県県土整備部が運営するれっきとした行政組織の公式チャンネルである。
兄貴本人もさすがに驚愕したのか、ツイートに咥え、翌日の投稿動画の説明文で紹介するほど。
禁断の名 biim
こうした企業や視聴者たちの便乗ネタについて、本人は「だれもリスペクト税くれないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」等のお気持ちをしばしば表明しており、自身の活動が収益化できないことにご不満の様子。
咥えて、近年のeスポーツ人気の上昇に伴ってRTAという競技プレイの認知度も高まりつつあるが、一般層への訴求を狙うRTA関係者たちからはbiim 氏の名は伏せられがちであり、まるで「名前を呼んではいけないあの人」扱いである。
参考:「RTAの歴史」を説明する場で黙殺される兄貴その①、その②
まあ、向こうとしてもRTAはともかく、ホモポルノの無断使用と淫夢ネタというマイノリティ差別的なコンテンツで盛り上がっている人間の仲間とまでは思われたくないだろう。
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アルテリオス計算式(通称「biimの愛した数式」)