概要
クロマキー合成(特定の色を表示しない処理により、2つ以上の映像を合成する技術)機能を搭載した動画編集ソフトウェア向けの素材の一形態である。背景専用の青色(ブルーバック)と、背景を切り捨てて被写体のみに加工された素材本体からなる。
合成に使用する際は、本体と関係のない背景部分に割り当てられた青色を透過処理(背景透過)することで、被写体のみが映った「透過素材」の状態に変換してから合成を行う(メイン画像の場合、変形しまくったパンダのような物体だけの状態にする)。
素材として配布する際は画像ないし動画のフォーマットを必ず可逆圧縮にしなくてはならない。非可逆圧縮を使用すると透過情報が消失し、また画質が低下して背景と被写体の切り離しが困難になるため、編集の難易度を上げることになってしまう。無圧縮は画質の劣化が皆無だが通信量が大幅に増加し、利用者と電気通信事業者の資源負担を増やすことに繋がる。
以上の観点から、画像フォーマットはGIFやPNG、動画フォーマットはMOVやAVIといった形式が多用される。
素材本体に青色が使用されている場合は透過ミスの恐れがあるためブルーバックが使えない。その場合、代替色として別の色が採用される。たとえば止まらないオルガシリーズの始祖として知られる走るガンガーは、ガンガーのボディが青いため透過対策としてグリーンバックが使われた。
既存の映像データによるMAD素材の場合、明るさや彩度が最初から決まっているため、クロマキー合成前提の収録と違い、透過色を慎重に選ぶ必要はない。
- おもな背景色
- MAD素材として最も多用される色。
- 素材本体に青色が使われており、透過が正しく行われない可能性がある場合に使われ、『GB素材』(グリーンバックそざい)と呼ばれる。
- 『PB素材』(ピンクバック・パープルバック)と呼ばれる。使用されることは極めて稀。
余談だが、プログラマーやソフトウェアエンジニア、日常生活でパソコンを頻繁に使用する者といった間では、色合いからブルースクリーンを彷彿とさせ、トラウマを再発させることが稀にある模様。