歴史
プトレマイオス朝からローマまでの大図書館。ヘレニズム時代の学問の中心。ムセイオン(研究所)に併設された。
ムセイオンの学者たちにはアルキメデス、地動説を提唱したアリスタルコス、『幾何学言論』のエウクス、数学理論だけで地球の大きさを当てたエラトステネス等がいる。
カエサルのアレクサンドリア攻撃で大図書館が消失。この時なんとかムセイオンは残っていたので復興できた。がテオドシウス一世の時代に守護神セラペウムを破壊。図書館も閉鎖。キリスト教価値観から自由な発想を禁じられ次第に衰退していく。7世紀エジプトのイスラーム化の時にカリフのオマールが書物を焼いたという話があるが、書物を掠奪した十字軍が作ったデマだという説が有力。
残った書物は知恵の館に継承されていく
ヒュパティアの悲劇
『考えるあなたの権利を保有してください。なぜなら、まったく考えないことよりは誤ったことも考えてさえすれば良いのです』
『真実として迷信を教えることは、とても恐ろしいことです』
ヒュパティアは、エジプトで活躍したギリシア系の数学者、天文学者、新プラトン主義哲学者。父テオンは哲学者の中の賢人と呼ばれた。
当時のキリスト教と反目し、強硬派の総司教キュリロスから迫害を受け、牡蠣の貝殻で体を抉られながら亡くなった。
十字軍と同じく、キリスト教の歴史の中で恥ずべき汚点である。その血の責任は、彼らにある-使徒行伝18章6節
余談
- 大図書館を転じてアレクサンドリア図書館と呼ぶことがしばしばある。
- 某ポルノサイトの動画が一斉削除された際、『アレクサンドリア図書館の破壊以来起こった人類の叡智の消失』という学のあるコメントを打つものが現れた。そもそも無断転載サイトと大図書館を比べるべきではないと思うのだが、なんとも面白い慟哭である。
関連作品
- アレクサンドリア⋯2008年公開。ヒュパティアが主人公。