「素晴らしい夜だった。締めくくりに必要なのは、ルードヴィッヒ・ヴァンの音楽だ」
概要
『時計じかけのオレンジ』の主人公で本作の語り部。原作では15歳の少年だが、映画ではそれより大人びて見える。
不良グループ『ドルーグ』のリーダー。頭が切れて腕っ節も強く、車の運転もお手の物。
彼が統率する不良グループ『ドルーグ』は全員が黒い帽子に白ずくめの服装をしており、武器は両刃ナイフの仕込みステッキである。
女性にもモテる美男子の一方で、日常的に暴行やレイプを行う悪辣な性格の持ち主。もはや不良という言葉では表せないようなDQNである。
ちなみに両親は健在だが、半ば放任状態。
敵対する者には容赦ない一面もあり、物語中盤でリーダーの座を巡ってグループ内の関係が悪化しはじめた時には自身に不満のある仲間を制裁している。
しかし、この諍いが原因で仲間に裏切られ投獄されてしまう。
「これ以上は必要ありません!“ウルトラバイオレンス”や殺人は、間違ってます!まったくもって間違ってる!理解しました!以前は分からなかったことが、今ではわかります!私は治りました!ああ、神様!」
アレックスは刑期短縮のため、とある実験に参加した後に出所する。
だが、実験の副作用で不自然なほど無抵抗な人間になり、アレックスの素行を知った両親からは見放され、かつての仲間や被害者に虐げられるなど、今までの行いが全て自分に返ってくる羽目に。
そして、ベートーヴェンとその作品である第9交響曲をこよなく愛していたことが仇となって…。
余談
俳優のマルコム・マクダウェルは当時20代後半で15歳のアレックス役を演じた。
- 雨に唄えば
『雨に唄えば』を歌いながら作家の妻を犯すシーンはあまりにも有名だが、これはアドリブで歌う際、マルコムが唯一歌詞を覚えている歌だったため。
主演かつ監督のジーン・ケリーはこのことに不快感を示していた(問題作である作品に自分の映画の歌が使われたことを考えると当然)。
- キューブリックの凝視
アレックスの睨むような上目遣いはキューブリック監督ならではの演出で、後に「キューブリックの凝視(Kubrick stare)」とも呼ばれた。
関連イラスト
関連タグ
ROCKY…ドルーグをモチーフにした不良グループのリーダー。白ずくめやステッキなどの共通点はあるが、こちらは女性を傷付ける男を絶対に許さないフェミニストである。
RomanTorchwick…海外アニメ『RWBY』の登場人物。キャラクターデザインが映画版のアレックスを連想させる上に犯罪者という共通点がある。